
外国籍の方が賃貸を退去するときは?敷金返還・原状回復・解約手続き・海外帰国前の注意点
「日本のアパートを退去するとき、敷金は返してもらえる?」
「帰国する前に賃貸契約を解約したいけれど、いつまでに連絡すればいい?」
「退去時に壁紙や床の修理費を請求されたら、全額支払う必要がある?」
「海外へ帰国した後でも、敷金の返金を受け取れる?」
日本で働いたり、学校へ通ったりしている外国籍の方が、引っ越しや帰国をする際には、賃貸住宅の解約手続きが必要です。
日本の賃貸住宅では、退去の連絡期限、室内の原状回復、鍵の返却、敷金の精算などについて、契約ごとに条件が定められています。
特に海外へ帰国する場合は、退去後に日本の銀行口座や電話番号を利用できなくなることも考えられます。
結論からいうと、外国籍の方も日本人の方と同様に、賃貸借契約と日本の法律に基づいて退去手続きを行います。外国籍であることだけを理由に、通常より高い退去費用を必ず負担するわけではありません。
ただし、契約に有効な特約がある場合や、借主の故意・過失による損傷がある場合などには、費用負担が発生することがあります。
今回は、埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県にお住まいの外国籍の方へ、退去前に確認したい契約条件、敷金返還、原状回復、海外帰国前の手続きについて日本語と英語で解説します。
■外国籍の方も賃貸の解約連絡が必要?
日本の賃貸住宅を退去する場合、まず現在の賃貸借契約書を確認しましょう。
一般的な賃貸契約では、退去する前に管理会社や貸主へ解約の意思を伝える必要があります。
例えば、契約書に「解約日の1か月前までに通知する」と定められている場合、原則としてその条件に従って手続きを行います。
ただし、解約予告期間は契約によって異なります。
退去前に確認したい事項
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 解約予告期間 | 何か月前に連絡するか |
| 解約方法 | 書面・専用フォームなど |
| 解約日 | 家賃がいつまで発生するか |
| 短期解約違約金 | 契約期間による違約金の有無 |
| 退去立会い | 日時・参加方法 |
| 鍵の返却 | 返却先と期限 |
| 敷金精算 | 返還方法・精算時期 |
例えば、11月30日に日本を出国する予定でも、賃貸契約の解約日が自動的に11月30日になるわけではありません。
飛行機の出発日と賃貸契約の終了日は、別々に確認する必要があります。
一時帰国するだけで、日本の部屋をそのまま借り続ける場合は、外国籍の方が一時帰国するときの賃貸契約と家賃の取扱いも参考にしてください。
■敷金は退去したら必ず全額返ってくる?
敷金は、賃貸借契約に基づく借主の債務を担保するために預けるお金です。
民法第622条の2では、賃貸借が終了し、賃貸物が返還されたときなどに、未払いの債務を差し引いた残額を返還することが定められています。
そのため、敷金は必ず全額返還されるわけでも、必ず全額没収されるわけでもありません。
例えば、次のような精算が考えられます。
仮定の敷金精算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 預けていた敷金 | 100,000円 |
| 借主負担の原状回復費 | 20,000円 |
| 未払いの賃料等 | 10,000円 |
| 返還される敷金 | 70,000円 |
※説明用の仮定例であり、実際の請求額や返還額を示すものではありません。
また、敷金とは別に、礼金や契約上の償却などが設定されている場合があります。
契約時に支払ったお金がすべて返還対象になるとは限らないため、費用の名称と契約条件を確認しましょう。
■原状回復とは?入居時と同じ新品の状態に戻すこと?
日本の賃貸住宅では、退去時に「原状回復」という言葉が使われます。
外国籍の方の中には、原状回復とは、壁紙や床、設備などをすべて新品に戻すことだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、原状回復は、入居した当時の状態へ無条件にすべて戻すという意味ではありません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年変化や通常の使用による損耗と、借主の故意・過失などによる損傷を区別しています。
原状回復費用の基本的な考え方
| 状況 | 一般的な費用負担 |
|---|---|
| 日光による壁紙の日焼け | 原則として貸主側 |
| 通常使用による自然な劣化 | 原則として貸主側 |
| 借主の不注意による床の損傷 | 借主負担となる場合がある |
| 壁に大きな穴を開けた | 借主負担となる場合がある |
| 清掃や管理を怠って拡大した汚損 | 借主負担となる場合がある |
| 契約で定めたクリーニング費用 | 特約の内容や有効性による |
ただし、具体的な負担は損傷の原因、範囲、経過年数、契約内容などによって異なります。
例えば、壁紙に汚れがあるからといって、部屋全体の壁紙交換費用を必ず借主が負担するわけではありません。
■ハウスクリーニング費用は必ず払う?
賃貸住宅の中には、退去時のハウスクリーニング費用を借主が負担する特約を設けている物件があります。
例えば、契約書に「退去時ハウスクリーニング費用として所定額を負担する」と定められている場合です。
ただし、契約書に記載されていれば、どのような特約でも無条件に有効になるわけではありません。
特約の内容、借主への説明、費用負担の合理性などを踏まえた判断が必要になる場合があります。
退去時に確認したいこと
契約書にクリーニング費用の特約があるか
具体的な金額が記載されているか
別途追加費用が発生する条件は何か
敷金から差し引くのか
精算明細を受け取れるか
日本語の契約書が理解しにくい場合は、署名する前から内容の説明を求めておくことが大切です。
国土交通省では、外国籍の方が日本の賃貸借契約を理解しやすいよう、多言語のガイドブックや契約書の見本を公開しています。
■退去立会いでは何を確認する?
退去立会いとは、賃貸住宅を退去する際に、管理会社や貸主などと室内の状態を確認する手続きです。
物件によっては立会いを行わず、写真や報告書などで確認する場合もあります。
退去立会いの確認事項
壁紙や床の傷・汚れ
キッチンや浴室の状態
エアコンなどの設備
窓やドアの状態
備付け設備の有無
鍵の返却
室内の残置物
原状回復費用に関する確認事項
退去立会いの場で費用負担について説明されることがありますが、すべての費用がその場で確定するとは限りません。
内容が分からない書類に署名してもいい?
理解できない内容の書類へ、そのまま署名することは避けましょう。
例えば、退去立会い確認書に、室内の状態確認だけでなく、費用負担への同意が含まれている場合があります。
そのため、書類が何を確認し、何に同意するものなのかを確認する必要があります。
内容が分からない場合は、翻訳や説明を求め、必要に応じて専門機関へ相談しましょう。
一般的な退去手続きの流れは、賃貸の解約連絡・退去立会い・敷金精算について解説した記事も参考になります。
■海外へ帰国する場合、敷金はどうやって受け取る?
母国へ帰国する場合、日本国内で引っ越す場合とは異なる確認事項があります。
特に重要なのが、敷金の返還方法です。
例えば、退去立会いの翌日に帰国する場合、退去費用の精算が終わる前に日本を出国する可能性があります。
帰国前に管理会社へ確認したいこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 敷金の返還時期 | いつ精算が完了する見込みか |
| 返金先 | 日本国内の銀行口座が必要か |
| 海外送金 | 対応できるか、手数料が必要か |
| 精算書 | メールなどで受け取れるか |
| 海外連絡先 | メール・電話番号 |
| 国内連絡先 | 必要な場合の連絡方法 |
| 銀行口座の解約 | 返金予定との調整 |
例えば、敷金返還が退去から数週間後になる場合、日本の銀行口座をすでに解約していると、返金方法の調整が必要になることがあります。
ただし、帰国するからといって、日本の銀行口座を必ず維持できるわけではありません。
金融機関ごとに非居住者となる場合の手続きや口座利用条件が異なります。
帰国前に、管理会社と金融機関の両方へ確認することが重要です。
■帰国後に退去費用の請求が届いたら?
海外帰国後に、管理会社から原状回復費用の精算書や請求書が送られてくる場合があります。
このとき、内容を理解しないまま支払うのではなく、費用の内訳や契約上の根拠を確認しましょう。
例えば、
何の修理費用なのか
どの場所が損傷していたのか
借主の負担となる理由
経過年数が考慮されているか
契約上の特約があるか
写真や見積書を確認できるか
などです。
また、請求金額に疑問がある場合、管理会社へ説明を求めることができます。
ただし、正当な債務がある場合は、海外へ帰国したという理由だけで支払い義務がなくなるわけではありません。
請求内容に争いがある場合は、日本の法律相談窓口などへの相談も検討しましょう。
■退去前に家具・家電を置いて帰国してもいい?
帰国時に家具・家電などを処分できず、部屋に置いたまま退去しようと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、賃貸借契約の終了時には、原則として借主の所有物を撤去し、住宅を明け渡す必要があります。
例えば、
冷蔵庫
洗濯機
ベッド
ソファ
テーブル
衣装ケース
自転車
などを無断で残した場合、撤去や処分の費用についてトラブルになる可能性があります。
特に、日本では自治体によって粗大ごみの申込み方法や収集日が異なります。
帰国直前では処分が間に合わない場合もあるため、早めに確認しましょう。
また、まだ使用できる家電であっても、管理会社の承諾なく次の入居者のために残してよいとは限りません。
■電気・ガス・水道・インターネットの解約も忘れずに
賃貸住宅を退去する場合、住宅の解約だけでなく、生活に関係する契約も確認する必要があります。
| 契約 | 確認したいこと |
|---|---|
| 電気 | 利用停止日・最終料金 |
| ガス | 閉栓・立会いの必要性 |
| 水道 | 使用中止・精算 |
| インターネット | 解約日・機器返却・撤去工事 |
| 携帯電話 | 解約・番号維持の条件 |
| 火災保険 | 解約・未経過期間の取扱い |
| 家賃保証会社 | 退去時の契約終了や精算 |
| 駐車場 | 別途解約が必要か |
特に、インターネット回線やレンタル機器は、契約終了までに返却や撤去の手続きが必要になる場合があります。
また、帰国後も解約していないサービスの料金が発生し続ける可能性があります。
■日本国内で別の賃貸に引っ越す場合は?
日本国内で住み替える場合は、旧居の退去手続きと新居の契約手続きを並行して進めます。
例えば、次のような順番です。
現在の契約の解約予告期間を確認する
新しい物件を探す
新居の入居審査を受ける
契約開始日と旧居の解約日を調整する
引っ越しを行う
旧居の退去立会い・鍵返却を行う
住民票・在留カードなどの住所変更を行う
敷金や退去費用の精算を確認する
中長期在留者の場合は、新しい住居地への移転後、原則14日以内に住居地変更の届出が必要です。
具体的な手続きについては、外国籍の方が賃貸へ引っ越した後の在留カード・転入届・住所変更でも解説しています。
■外国籍の方が退去時にトラブルを防ぐためのチェックリスト
【契約・解約】
解約予告期間を確認した
正しい方法で解約を通知した
解約日・家賃精算を確認した
短期解約違約金の有無を確認した
退去立会い・鍵返却の日程を決めた
【原状回復・敷金】
契約書の原状回復条項を確認した
クリーニング費用の特約を確認した
室内の写真を記録した
家具や家電の処分を手配した
敷金精算書の受取方法を確認した
【海外帰国】
帰国日と契約終了日を整理した
銀行口座の利用条件を確認した
敷金返還先を管理会社へ伝えた
帰国後のメール連絡先を共有した
公共料金・通信契約を確認した
必要な行政手続きを確認した
■よくある質問(FAQ)
Q1.外国籍だと退去費用は高くなりますか?
外国籍であることだけを理由に、通常より高い退去費用を必ず負担するというルールはありません。
費用負担は契約内容や室内の損傷状況などによって判断されます。
Q2.敷金は退去時に必ず返還されますか?
未払いの賃料や借主負担となる原状回復費などがある場合、敷金から差し引かれることがあります。
残額がある場合は、契約・法律に基づいて返還されます。
Q3.帰国後でも敷金を返してもらえますか?
帰国したことだけで敷金返還を受ける権利がなくなるわけではありません。
ただし、返金方法や銀行口座の取扱いは、管理会社・金融機関との確認が必要です。
Q4.退去立会いで日本語が分からない場合はどうしたらいいですか?
内容を理解できるよう説明を求めましょう。
必要に応じて通訳などを利用し、費用負担に関する書類へ署名する前に内容を確認することが大切です。
Q5.日本国内で引っ越す場合も同じ手続きですか?
賃貸住宅の解約や敷金精算の基本的な考え方は共通です。
ただし、新居への転入届・転居届、在留カードの住所変更など、別の行政手続きが必要になる場合があります。
■まとめ|外国籍の方も退去費用と敷金返還を確認してから引っ越そう
外国籍の方が日本の賃貸住宅を退去する場合、解約通知、原状回復、敷金精算など、確認すべき事項があります。
海外へ帰国する場合は、さらに帰国後の連絡方法や銀行口座の取扱いも重要です。
今回のポイントは次の5つです。
契約書に定められた解約予告期間を確認する
原状回復と通常損耗の違いを理解する
敷金の返還条件と精算方法を確認する
家具・家電や公共料金の手続きを済ませる
海外帰国前に返金方法と連絡先を整理する
スマイファミリーでは、埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県の関東7都県で、外国籍の方の賃貸住宅探しや住み替えについてご相談を承っています。
「日本国内で新しい賃貸住宅へ引っ越したい」
「外国籍でも申し込める賃貸物件を探している」
「保証会社や在留カードの必要書類が不安」
といった場合も、希望する地域、家賃、勤務状況、入居希望日などを整理しながらお部屋探しを進めましょう。
なお、退去費用に関する個別の紛争については、消費生活センターや弁護士など適切な相談機関への確認が必要です。
English|Moving Out of a Rental Apartment in Japan
Security Deposits, Restoration Costs and Leaving Japan
If you are a foreign resident planning to move to another apartment in Japan or return to your home country, you should check your rental contract before leaving.
Your nationality does not automatically determine your move-out charges. The amount you owe generally depends on your lease agreement, the condition of the property and applicable Japanese law.
1. Check Your Lease Termination Notice Period
Many rental agreements require advance notice before moving out.
Check your contract for:
Required notice period
How to submit the termination request
Final rent payment date
Early termination penalties, if applicable
Move-out inspection arrangements
Key return procedure
Your flight departure date does not automatically end your rental agreement.
Contact your property management company before confirming your move-out schedule.
2. Will You Get Your Security Deposit Back?
A security deposit, called shikikin in Japanese, is money held to secure obligations under the lease.
When the lease ends and the property has been returned, the remaining deposit generally must be refunded after lawful deductions for obligations such as unpaid rent or tenant-responsible damage.
You may receive a full refund, a partial refund or no remaining balance, depending on the circumstances.
Ask your landlord or management company for an itemized settlement statement.
3. What Does Restoration Mean in Japan?
Restoration is called genjō kaifuku in Japanese.
It does not automatically mean returning every part of the apartment to brand-new condition.
Under Japan's general restoration principles, ordinary wear and aging are generally the landlord's responsibility. Damage caused by a tenant's negligence or misuse may be the tenant's responsibility.
Valid special lease provisions may affect the result.
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism — Restoration Guidelines
4. What Happens During a Move-Out Inspection?
A move-out inspection may involve checking:
Walls and flooring
Kitchen and bathroom
Air conditioning and other fixtures
Windows and doors
Property damage
Remaining furniture or belongings
Keys
Some properties use photographs or reports instead of an in-person inspection.
If you do not understand a document, ask for an explanation before signing it.
A document may confirm the property's condition or include agreement about financial responsibility.
5. Returning Overseas Before the Deposit Refund
If you are leaving Japan permanently, confirm how you will receive your deposit refund before closing your Japanese bank account.
Ask the management company:
When the deposit will be settled
Whether an overseas transfer is possible
What account details are required
Whether transfer fees apply
How you will receive the settlement statement
How to contact the company from overseas
Also ask your bank about its rules for customers who become non-residents of Japan.
Do not assume that your bank account can remain open under the same conditions after you move abroad.
6. Dispose of Furniture and Cancel Utilities
Before returning the property, arrange for the removal of your belongings.
Check local bulky-waste collection requirements and any disposal fees.
You should also arrange the cancellation or transfer of relevant services, such as electricity, gas, water, internet, mobile phone service and insurance.
Returning your apartment keys does not automatically cancel all of these contracts.
7. Moving to Another Apartment in Japan
If you are staying in Japan and moving to another property, coordinate your old lease termination date with the new lease start date.
Eligible mid- to long-term foreign residents generally need to notify their municipality of a new residential address within 14 days of establishing or moving to that address.
You can read more about these procedures here:
Address Changes and Residence Card Procedures After Moving →
Frequently Asked Questions
Q1. Do foreign residents have to pay higher move-out fees?
Nationality alone does not create an automatic higher fee. Lease terms, damage and applicable law determine responsibility.
Q2. Is a security deposit always fully refundable?
Not necessarily. Lawful deductions may apply, but any remaining refundable balance should be returned.
Q3. Can I receive my deposit after returning to my home country?
Yes, where a refundable balance exists. You need to arrange an appropriate payment method with your landlord or management company.
Q4. Should I sign an inspection form written in Japanese if I do not understand it?
Ask for an explanation or translation before signing, especially if the form includes agreement about repair costs.
Q5. Can I leave furniture in the apartment?
You generally need to remove your belongings unless the landlord or management company agrees to another arrangement.
Housing Support from SMY × FAMILY
SMY × FAMILY (Smy Family) helps foreign residents search for rental housing across Saitama, Tokyo, Chiba, Kanagawa, Ibaraki, Tochigi and Gunma.
If you are moving within Japan and need help finding another rental property, we can assist with your housing search based on your circumstances and preferred area.
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