
増築未登記の中古戸建ては購入できる?登記簿と面積が違う場合の住宅ローン・登記費用・注意点
「中古戸建てを購入しようとしたら、増築部分が未登記だと言われた」
「登記簿には80㎡と書かれているのに、実際の建物はもっと広い」
「増築した部分が登記されていない家でも、住宅ローンは利用できる?」
「売主が登記していない場合、買主が費用を負担するの?」
中古戸建てを探していると、建物の登記簿に記載された床面積と、実際の建物の広さが異なる物件に出会うことがあります。
特に、築年数が経過した住宅では、過去に部屋を増やしたり、建物の一部を増築したりしたものの、登記の変更手続きが行われていない場合があります。
こうした状態を一般に「増築未登記」と呼びます。
結論からいうと、増築部分が未登記であっても、中古住宅の売買そのものが一律に禁止されているわけではありません。
ただし、登記と現況の不一致は、住宅ローンの審査、所有権の確認、登記手続き、将来の建て替えや売却などに影響する可能性があります。
また、未登記部分があるという問題と、増築工事が建築基準法に適合しているかどうかは、別々に確認する必要があります。
今回は、埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県の関東7都県で中古戸建ての購入を検討している方に向けて、増築未登記の確認方法、登記費用、住宅ローン、購入前の注意点を解説します。
■増築未登記とは?中古住宅で起こる登記と現況の違い
不動産登記では、土地や建物の所在、面積、構造、所有者などの情報が記録されます。
建物の場合、登記事項証明書の表題部には、建物の種類、構造、床面積などが記載されています。
例えば、建物の登記上の床面積が80㎡であっても、過去に20㎡の増築が行われ、実際の床面積が100㎡になっていることがあります。
※数値は説明用の仮定例です。
このとき、登記変更がされていなければ、登記上の情報と現在の建物の状態が一致していない可能性があります。
増築未登記の例
| 項目 | 登記上 | 実際の建物 |
|---|---|---|
| 1階床面積 | 50㎡ | 65㎡ |
| 2階床面積 | 30㎡ | 35㎡ |
| 合計 | 80㎡ | 100㎡ |
| 増築部分 | 未反映 | 合計20㎡増加 |
ただし、現地で広く見えるからといって、必ず登記漏れがあるとは限りません。
登記上の床面積と建築確認上の床面積では算定上の取扱いが異なる場合があるほか、登記に算入されない部分もあります。
そのため、実際の建物を測定しただけで増築未登記と断定せず、登記資料や建物図面などを確認することが大切です。
■増築した場合、登記の変更は必要?
不動産登記法第51条では、建物の表題部に記録された登記事項に変更があった場合、原則として変更があった日から1か月以内に変更登記を申請することが定められています。
例えば、増築によって登記上の床面積に変更が生じた場合には、建物表題部変更登記が必要になることがあります。
建物表題部変更登記とは?
建物の表題部に記録された床面積、種類、構造などについて、変更があった内容を登記に反映する手続きです。
例えば、
建物を増築した
建物の一部を取り壊した
建物の構造を変更した
建物の種類が変わった
といった場合に検討されます。
ただし、実際に必要となる登記の種類や申請内容は、建物の状態によって異なります。
例えば、既存建物と独立した別棟を建築した場合には、単純な床面積変更とは異なる登記が必要になることもあります。
個別の登記手続きについては、法務局や土地家屋調査士へ確認しましょう。
■増築未登記の中古戸建ては購入しても大丈夫?
増築未登記の物件でも、売買そのものが必ず禁止されるわけではありません。
ただし、購入の際には確認すべき問題があります。
購入前に確認したい5つのポイント
登記上の情報と実際の建物の違い
増築した時期と工事内容
建築基準法上の手続きや適合性
住宅ローンの利用条件
登記変更の実施時期と費用負担
特に注意したいのは、登記されていない部分について、増築した時期や工事内容が分からない場合です。
例えば、売主自身が増築したのであれば工事資料が残っている可能性があります。
一方、前の所有者が増築した場合などは、工事の経緯を確認できないことがあります。
そのため、購入前に売主から提供される資料を確認し、必要に応じて専門家による調査を検討しましょう。
■登記されていない増築部分は違法建築なの?
増築未登記であることと、建築基準法に違反していることは同じではありません。
ここは特に区別しておきたいポイントです。
① 登記の問題
増築によって床面積などが変わったのに、登記変更が行われていないという問題です。
② 建築基準法の問題
増築工事の際に必要な建築確認などの手続きが行われていたか、建物が関係する法令に適合しているかという問題です。
③ 建物の状態の問題
増築部分の構造、防水、接合部分などに劣化や不具合がないかという問題です。
これらは、それぞれ確認方法が異なります。
| 確認したいこと | 主な確認先 |
|---|---|
| 登記と床面積の一致 | 法務局・土地家屋調査士 |
| 建築確認の履歴 | 建築行政担当窓口など |
| 建築基準法への適合性 | 建築士・建築行政担当窓口 |
| 建物の劣化・不具合 | 建築士等の専門家 |
| 住宅ローンの条件 | 金融機関 |
登記を変更すれば、過去の建築基準法違反が自動的に解消するわけではありません。
また、建築確認の記録があるからといって、現在の建物の状態に問題がないことが保証されるわけでもありません。
それぞれの問題を分けて確認することが大切です。
■増築部分が未登記だと住宅ローンは利用できない?
増築未登記の住宅では、住宅ローンの審査に影響する可能性があります。
金融機関は、住宅ローンの審査にあたり、申込者の収入や返済能力だけでなく、購入する不動産の担保評価なども確認します。
そのため、登記上の建物情報と実際の建物が異なる場合には、追加資料や登記の変更を求められることがあります。
例えば、
登記事項証明書
建物図面・各階平面図
建築確認関係資料
増築工事に関する資料
現況を確認できる資料
登記変更の見込み
などです。
ただし、必要な資料や融資の可否は金融機関によって異なります。
登記変更をすれば必ず住宅ローンが通る?
いいえ。
登記上の不一致が解消されたとしても、建築基準法への適合性や建物の担保評価など、別の問題が残る可能性があります。
反対に、増築未登記であるという事実だけで、すべての金融機関が融資を断るとも限りません。
住宅ローンを利用する場合は、売買契約を進める前に、増築未登記の状況を金融機関へ正確に伝えることが重要です。
■増築未登記の変更登記は誰が行う?
中古住宅の購入では、売主が登記変更を済ませてから引き渡す方法や、当事者間で必要な手続きについて協議する方法が考えられます。
ただし、登記申請義務の所在と、売主・買主の間でどちらが費用を負担するかは、区別して確認する必要があります。
契約前に確認したいこと
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 登記変更の必要性 | どの部分に変更登記が必要か |
| 申請者 | 法律上、誰が申請義務を負うか |
| 費用 | 調査・測量・書類作成の費用 |
| 実施時期 | 売買契約前・決済前・引渡し後など |
| 必要書類 | 増築時の図面・工事資料等 |
| 完了確認 | 登記の変更が完了したことを確認できるか |
| 未完了時 | 売買契約上どのように扱うか |
なお、不動産登記法上の申請義務については、所有権を取得した時期などによる規定もあります。
そのため、「売主が増築したのだから必ず売主だけが申請する」「購入後は買主が自由に処理できる」と単純に判断しないことが重要です。
契約条件と法令上の義務を整理したうえで、必要な手続きを確認しましょう。
■増築未登記の変更登記にはいくらかかる?
建物表題部変更登記の費用は、建物の状態や必要な調査の内容によって異なります。
例えば、
建物の床面積の調査
現地測量
建物図面の作成
各階平面図の作成
過去の建築資料の確認
法務局への登記申請
土地家屋調査士への報酬
などが関係します。
全国一律の費用はある?
建物の増築規模や資料の有無などによって必要な作業が異なるため、一律の金額では判断できません。
特に、古い増築で資料が少ない場合や、現地の建物形状が複雑な場合などは、調査に時間や費用が必要となることがあります。
そのため、インターネット上の費用例だけで判断せず、土地家屋調査士などへ個別に見積もりを依頼しましょう。
また、登記変更の費用と、建築基準法への適合性を調査する費用は別になる場合があります。
■中古住宅の登記簿と実際の面積が違う場合の確認方法
気になる中古戸建てが見つかった場合は、次の順番で確認しましょう。
ステップ1|登記事項証明書を確認する
まず、建物の登記事項証明書で、床面積・構造・種類などを確認します。
ステップ2|建物図面・各階平面図を確認する
法務局に備え付けられた建物図面や各階平面図などが利用できる場合には、確認しましょう。
ステップ3|現況との違いを整理する
登記に記載された内容と、実際の建物の形状・床面積について、どこに違いがあるのか整理します。
ただし、登記上の床面積の算定方法を踏まえて確認する必要があります。
ステップ4|増築した時期を調べる
売主から提供される資料や建築確認の記録などを確認し、増築時期や工事内容を整理します。
ステップ5|登記変更の必要性を確認する
土地家屋調査士などに相談し、建物表題部変更登記が必要か確認します。
ステップ6|住宅ローンの利用条件を確認する
金融機関へ建物の状況を伝え、必要な対応や資料を確認します。
ステップ7|契約条件を整理する
売主・買主間で、登記変更の実施時期、費用負担、未完了の場合の取扱いなどを確認します。
■増築未登記の住宅を現状のまま購入してもいい?
増築未登記の住宅を現状のまま購入することを検討する場合もあります。
ただし、現状で引き渡すという売買条件だけで、登記申請義務や法令上の問題が解消するわけではありません。
また、買主が住宅ローンを利用する場合は、金融機関が求める条件を満たせるかどうかも重要になります。
例えば、次のようなリスクが考えられます。
購入後に登記変更の手続きが必要になる
古い増築の資料がそろわない
登記に必要な費用が想定より増える
住宅ローンの審査・融資実行に影響する
増築部分の建築法令上の問題が判明する
将来の売却時に再び確認事項になる
未登記部分がある住宅を検討する場合は、購入価格だけでなく、必要な調査や手続きにかかる費用も考えておきましょう。
■増築未登記と検査済証がない住宅は何が違う?
中古住宅では、増築未登記のほかに「検査済証がない」という問題が見つかる場合があります。
ただし、これは同じ問題ではありません。
増築未登記
増築などによって建物の床面積が変わったのに、登記に反映されていない可能性がある状態です。
検査済証がない
建築基準法に基づく完了検査を受けたことを示す検査済証について、交付履歴が確認できない、または書類が見つからない状態などを指します。
建物状況調査で不具合がある
建物の基礎や外壁などに、劣化・不具合が確認される状態です。
これらは確認する制度や専門家が異なります。
例えば、建物状況調査で大きな劣化が見つからなくても、増築未登記の問題が解消するわけではありません。
反対に、登記が現在の建物と一致していても、建物の構造や防水に問題がないとは限りません。
中古住宅購入では、登記、建築関係資料、建物の状態をそれぞれ確認しましょう。
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■関東7都県で中古戸建てを購入するときの注意点
埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県で中古戸建てを購入する場合も、不動産登記法の基本的な仕組みは共通です。
ただし、建築に関係する規制や手続きは、建物の所在地、建築時期、用途地域、建物の規模などによって異なる場合があります。
例えば、次のような点です。
建築確認が必要だった増築か
どの時点の建築基準法が適用されるか
建ぺい率・容積率の条件
防火・準防火地域の指定
建物の構造や規模
自治体の条例等の影響
同じ「増築未登記」という状態でも、確認する内容は建物ごとに異なります。
特定の都県だから一律に購入できる・できないという判断は避けましょう。
■中古戸建て購入前のチェックリスト
【登記・建物情報】
登記事項証明書を確認した
建物図面・各階平面図を確認した
登記上の床面積を確認した
現況との違いを整理した
増築部分の位置を確認した
【増築・建築関係】
増築した時期を確認した
過去の建築確認関係資料を確認した
増築部分の構造や不具合を確認した
建築法令上の問題がないか調査した
必要な追加調査を整理した
【住宅ローン・契約】
金融機関へ未登記部分を説明した
登記変更の必要性を確認した
登記費用の見積もりを確認した
売主・買主の費用負担を整理した
登記変更の完了時期を確認した
契約・引渡しへの影響を確認した
■よくある質問(FAQ)
Q1.増築未登記の中古戸建ては購入できませんか?
購入自体が一律に禁止されるわけではありません。
ただし、登記変更の必要性、建築法令への適合性、住宅ローンの条件などを確認する必要があります。
Q2.増築未登記なら必ず違法建築ですか?
必ずしもそうではありません。
登記が変更されていないことと、建築基準法に違反していることは別の問題です。
Q3.増築未登記の家でも住宅ローンは利用できますか?
金融機関の審査によって異なります。
登記変更や追加書類の提出を求められる場合があるため、契約前に相談しましょう。
Q4.増築未登記の変更登記費用は誰が負担しますか?
実際の売買条件や登記申請義務の所在などによって確認が必要です。
売主・買主間で費用負担や手続き時期を明確にしておくことが重要です。
Q5.増築部分を登記すれば建築基準法の問題も解消しますか?
いいえ。
登記変更と建築基準法への適合性は別問題です。
必要に応じて建築士や行政の担当窓口へ確認しましょう。
■まとめ|増築未登記の中古戸建ては契約前に問題を整理しよう
増築未登記の中古戸建てであっても、購入すること自体が一律に禁止されているわけではありません。
しかし、登記上の情報と実際の建物が異なる場合は、その理由や必要な手続きを確認することが大切です。
今回のポイントは次の5つです。
増築未登記と建築基準法違反は別の問題
登記事項証明書と現況の違いを確認する
住宅ローンの利用条件を事前に確認する
登記変更の必要性と費用負担を整理する
売買契約前に未確認事項を明確にする
スマイファミリーでは、埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県の関東7都県で、中古戸建て・中古マンション・土地などの購入についてご相談を承っています。
「中古住宅を購入したいけれど、登記と現況が違う」
「増築した部分が未登記だと言われた」
「住宅ローンや購入後の費用が不安」
といった場合も、物件の状況や購入条件を整理しながら住まい探しを進めましょう。
なお、登記手続きについては土地家屋調査士、建築法令への適合性については建築士や行政の担当窓口、融資条件については金融機関への確認が必要です。
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