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中古住宅購入でハザードマップはどう見る?洪水・内水・高潮の確認方法と契約前の注意点

売買・住宅購入

「気に入った中古住宅があるけれど、ハザードマップに色が付いている」

「浸水想定がある土地は購入しない方がいい?」

「中古マンションの上層階なら水害は心配しなくていい?」

「重要事項説明で説明されるなら、購入前に自分で調べなくても大丈夫?」

中古戸建てや中古マンション、土地を購入するとき、価格・間取り・立地・築年数などを重視する方は多いと思います。

しかし、長く暮らす住宅を購入する際には、建物そのものだけでなく、その土地や周辺地域にどのような災害リスクがあるかを確認することも大切です。

結論からいうと、ハザードマップでは浸水想定の有無だけでなく、洪水・内水氾濫・高潮の違い、想定される水深、浸水が続く時間、避難経路などを確認する必要があります。

また、ハザードマップで色が付いていない場所であっても、災害が発生しないことを保証するものではありません。

今回は、東京都の公的資料を中心に、関東7都県で中古住宅・中古マンション・土地の購入を検討している方に向けて、水害ハザードマップの確認方法と契約前の注意点を解説します。


■中古住宅購入でハザードマップを確認する理由

ハザードマップとは、自然災害によって被害が発生する可能性のある範囲や、避難場所などを示した地図です。

水害に関するハザードマップでは、想定される浸水区域や浸水深などを確認できます。

住宅購入時に重要なのは、ハザードマップを単なる地域の防災情報として見るのではなく、購入後の暮らしに関係する情報として確認することです。

例えば、次のような点に影響する場合があります。

  • 大雨の際に自宅へ浸水する可能性

  • 住宅の1階や地下部分への影響

  • 電気・給水設備への影響

  • 避難経路や避難先

  • 災害時の生活継続

  • 火災保険の水災補償を検討する際の判断材料

ただし、浸水想定区域に含まれるからといって、必ず浸水被害が発生するという意味ではありません。

災害の規模や発生条件によって、実際の被害は異なります。


■洪水・内水氾濫・高潮の違いを理解する

水害といっても、原因は一つではありません。

特に住宅購入時には、次の3種類を区別して確認しましょう。

種類主な仕組み確認したいこと
洪水河川の水位上昇や氾濫による浸水河川との位置関係、浸水深、継続時間
内水氾濫雨水が排水能力を超えるなどして発生する浸水道路・敷地周辺の排水、低い土地
高潮台風などによる海面上昇で生じる浸水沿岸部や河川沿いの浸水想定

例えば、近くに大きな河川がない住宅でも、短時間の強い雨などによって内水氾濫が発生する可能性があります。

また、東京湾沿岸部などでは、洪水だけでなく高潮の情報を確認することも重要です。

東京都は、水害リスク情報の確認先をまとめて公開しています。

東京都建設局|水害リスク情報の提供について

洪水ハザードマップだけでは十分とは限らない

物件所在地で洪水による浸水想定が示されていない場合でも、内水氾濫など別の水害リスクが存在する可能性があります。

そのため、確認できる地図を一つだけ見て判断するのではなく、自治体が公表する複数の情報を確認しましょう。


■重要事項説明では水害ハザードマップの説明が義務化されている

不動産の売買では、宅地建物取引業者が関与する取引において、契約締結前に重要事項説明を受ける仕組みがあります。

2020年8月28日から、水防法に基づく水害ハザードマップにおける対象物件の所在地が、重要事項説明の対象に追加されました。

対象となるのは、洪水・雨水出水(内水)・高潮に関するハザードマップです。

国土交通省|水害ハザードマップにおける対象物件所在地の説明義務化

重要事項説明で確認できること

宅地建物取引業者は、自治体が公表している該当する水害ハザードマップを用いて、対象物件のおおむねの位置を説明します。

ただし、重要事項説明を受ければ、水害に関するすべての情報を把握できるとは限りません。

例えば、次のような事項は、購入する方自身も確認しておくとよいでしょう。

  • 想定される浸水深

  • 浸水の継続時間

  • 避難所とそこまでの経路

  • 過去の浸水履歴

  • 住宅の設備がどこに設置されているか

  • 災害発生時に家族がどう行動するか

重要事項説明は契約判断に必要な情報提供の一つですが、購入する住宅の災害リスクを総合的に判断するためには、事前の確認も重要です。


■東京都で中古住宅を購入する場合に確認したい水害情報

東京都では、水害に関する複数の公的情報が公開されています。

例えば、江東区・墨田区・江戸川区・大田区などで住宅購入を検討する場合、物件の所在地に応じて河川の洪水、内水氾濫、高潮などを確認します。

ただし、特定の区全体が一律に危険という意味ではありません。

同じ区内でも、地形や所在地によって想定される被害は異なります。

① 東京都の水害リスク情報

東京都建設局では、河川に関する水害情報や関連する情報の確認先を公開しています。

東京都建設局|水害リスク情報

② 東京都の高潮浸水想定区域図

東京都は、想定し得る最大規模の高潮による氾濫が発生した場合の浸水想定区域を公表しています。

高潮浸水想定区域図では、浸水が想定される区域、浸水深、浸水継続時間などを確認できます。

東京都建設局|高潮浸水想定区域図

③ 区市町村が公開するハザードマップ

重要事項説明で用いられる水害ハザードマップについては、購入予定地が所在する区市町村の最新資料を確認することが重要です。

例えば、江東区であれば江東区、江戸川区であれば江戸川区が提供するハザードマップなどを確認します。

同じ東京都内でも、対象となる河川や地形などによって確認すべき内容が異なります。

東京都全域の情報を見た後は、物件所在地の区市町村が公開する資料まで確認しましょう。


■ハザードマップの「浸水深」はどう判断する?

水害ハザードマップでは、浸水が想定される深さが色分けで表示されている場合があります。

重要なのは、色だけを見るのではなく、凡例に示された数値や条件を確認することです。

仮定の例

想定される浸水深購入時に検討したいこと
0.3m玄関や床の高さ、敷地への浸水
1.0m1階居室や電気設備への影響
3.0m建物の上階への影響、避難方法
5.0m建物全体の状況、避難先の確保

※数値は確認方法を説明するための仮定であり、特定地域の浸水想定や建物被害を表すものではありません。

同じ浸水深でも、建物の床の高さ、構造、設備配置などによって影響は異なります。

また、浸水深だけでなく、水の流れる速さや家屋倒壊等氾濫想定区域に該当するかどうかも、避難判断に関係する場合があります。

そのため、色が薄いから安心、色が濃いから購入できない、と単純に判断するのではなく、情報の意味を理解して比較しましょう。


■中古マンションの上層階なら水害は関係ない?

中古マンションの購入を検討している方の中には、

「10階の部屋だから、浸水する心配はない」

と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、専有部分が直接浸水しなくても、建物全体に影響が出る可能性があります。

例えば、次のようなケースです。

  • 受変電設備が浸水する

  • エレベーターが停止する

  • 給水ポンプが使用できなくなる

  • 地下駐車場が浸水する

  • 共用部分が被害を受ける

  • 復旧工事が必要になる

中古マンションで確認したい設備

設備確認したいこと
電気設備地下や低層階に集中していないか
給水設備浸水時の給水への影響
エレベーター停止した場合の生活への影響
地下駐車場浸水対策や避難方法
共用出入口避難経路の確保
防災計画管理組合による備え

また、管理組合が災害時の対応方法を整理しているか、過去に共用部分が被害を受けた履歴があるかも確認材料になります。

中古マンションでは、部屋の階数だけでなく、建物全体の設備配置や管理状況も重要です。

中古マンションを内見するときの確認ポイント


■中古戸建てや土地を購入する場合の確認ポイント

中古戸建てや土地の場合は、マンションとは異なる確認事項があります。

特に、地盤面と道路の高さ、敷地内の排水、建物の基礎や床の高さなどが重要になる場合があります。

① 道路と敷地の高さ

敷地が前面道路より低い場合、大雨時の雨水の流れなどを確認しましょう。

ただし、敷地が低いからといって必ず浸水するわけではありません。

② 建物の床の高さ

建物の1階床が周辺の地面よりどの程度高いか確認しましょう。

③ 排水設備

雨どい、雨水ます、排水経路などの状態を確認します。

④ 過去の浸水履歴

自治体が浸水実績図などを公表している場合は、確認しましょう。

ただし、過去に浸水していないからといって、今後も浸水しないことが保証されるわけではありません。

⑤ 建物の修繕履歴

中古住宅の場合、過去の浸水による修理や設備交換が行われているか、売主から提供される資料などを確認します。

気になる点がある場合は、建築士など専門家による調査も検討しましょう。


■浸水想定区域にある住宅は購入しない方がいい?

浸水想定区域に含まれているからといって、直ちに購入できないわけではありません。

ただし、災害リスクを十分に理解しないまま購入を決めることは避けたいところです。

購入判断では、次のような事項を整理しましょう。

比較項目確認すること
災害リスク浸水深、継続時間、災害の種類
建物構造、床の高さ、設備配置
避難避難場所、避難経路、家族の状況
保険水災補償の内容、保険料、免責条件
費用災害への備えや設備対策の費用
生活通勤、通学、医療機関、買い物環境

例えば、立地や価格が希望に合う物件でも、災害時の避難方法が自分や家族の生活状況に合わない場合があります。

一方、災害への備えを含めて理解し、比較検討することで、納得した住宅購入につながる場合もあります。

大切なのは、ハザードマップの色だけで結論を出さず、物件の条件と生活状況を合わせて判断することです。


■水害ハザードマップに色がない場所なら安心?

いいえ。

国土交通省は、ハザードマップ上で浸水想定区域に該当しない場合でも、水害リスクがないと誤認させないよう配慮することを求めています。

ハザードマップは、一定の想定条件に基づいて作成されます。

その想定を超える降雨や、図面の対象外となる現象などについて、すべての被害を示しているわけではありません。

そのため、住宅購入時には次の点を確認しましょう。

  1. 使用しているハザードマップが最新か

  2. どの災害について作られた地図か

  3. 想定条件は何か

  4. ほかの災害情報が公表されていないか

  5. 現地の地形や過去の浸水情報と矛盾がないか

色が付いていないことは、災害が起きないという保証ではありません。


■購入前に火災保険の水災補償も確認する

中古住宅を購入する際は、火災保険の補償内容も検討しましょう。

火災保険は火災だけでなく、契約内容によって風災や水災などを補償する場合があります。

ただし、水災補償が自動的に付帯されるとは限りません。

また、補償対象、支払条件、免責金額などは保険商品によって異なります。

例えば、

  • 洪水による建物の損害

  • 床上浸水による家財の損害

  • 地下設備への被害

  • 土砂災害による損害

などについて、どのような条件で補償されるか確認することが大切です。

マンションの場合は、共用部分に加入する保険と、購入者が専有部分や家財について加入する保険を区別する必要があります。

実際の補償範囲については、保険会社や保険代理店に確認しましょう。


■中古住宅購入前の水害リスク確認チェックリスト

購入候補が見つかったら、次の項目を整理しましょう。

【ハザードマップ】

  • 洪水ハザードマップを確認した

  • 内水に関する情報を確認した

  • 高潮の対象地域か確認した

  • 浸水深の想定を確認した

  • 浸水継続時間を確認した

  • 物件所在地の区市町村の最新情報を確認した

【現地・建物】

  • 前面道路と敷地の高さを確認した

  • 建物の1階や地下部分を確認した

  • 電気・給水設備の位置を確認した

  • 過去の浸水履歴や修繕履歴を確認した

  • 排水設備の状況を確認した

【購入判断】

  • 避難場所と経路を確認した

  • 家族の生活状況に合う避難方法を考えた

  • 火災保険の水災補償を検討した

  • 不明点を不動産会社へ質問した

  • 契約前に災害リスクを含めて購入判断を行った

すべての資料が必ず入手できるとは限りませんが、確認できた情報と未確認の事項を整理しておくことが大切です。


■よくある質問(FAQ)

Q1.中古住宅購入時にハザードマップの説明は必ずありますか?

宅地建物取引業者が行う重要事項説明では、水防法に基づく水害ハザードマップにおける対象物件所在地の説明が必要です。

ただし、該当する図面の有無や取引の態様によって取扱いが異なるため、具体的な確認が必要です。

Q2.浸水想定区域内の住宅は住宅ローンを利用できませんか?

浸水想定区域に含まれることだけで、すべての住宅ローンが利用できなくなるわけではありません。

融資の可否は金融機関の審査や物件条件などによって異なります。

Q3.中古マンションの10階なら水害リスクはありませんか?

専有部分が直接浸水しなくても、共用設備や電気・給水設備が影響を受ける可能性があります。

建物全体の設備配置や災害対策を確認しましょう。

Q4.ハザードマップに色がなければ浸水しませんか?

いいえ。

地図は一定の条件に基づく想定を示すものであり、すべての水害を予測するものではありません。

Q5.東京都以外の住宅でも同じ方法で調べられますか?

はい。

埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県などでも、自治体が公開する水害ハザードマップなどを確認できます。

ただし、公表されている地図の種類や対象範囲、想定条件は地域によって異なります。


■まとめ|中古住宅の購入は建物と土地の災害リスクを合わせて考えよう

中古住宅・中古マンション・土地を購入するときは、価格や間取りだけでなく、水害による影響も確認することが大切です。

特に、洪水・内水氾濫・高潮は発生する仕組みが異なり、確認すべき情報も異なります。

今回のポイントは次の5つです。

  1. 洪水・内水・高潮の違いを理解する

  2. 浸水想定区域だけでなく浸水深や継続時間を確認する

  3. 中古マンションでは共用設備への影響も考える

  4. ハザードマップに色がなくても安全とは断定しない

  5. 重要事項説明を待つだけでなく、購入前から情報を確認する

スマイファミリーでは、東京都をはじめ、埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県の関東7都県で、中古戸建て・中古マンション・土地の購入についてご相談を承っています。

「中古住宅を購入する前に確認すべきことを知りたい」

「希望エリアの災害リスクも踏まえて比較したい」

「物件価格だけでなく、購入後の費用や暮らし方も考えたい」

といった方も、物件の状況や希望条件を整理しながら住まい探しを進めましょう。


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