
高齢者が入院したら賃貸契約はどうなる?家賃・長期不在・施設入所・家族による解約手続きを解説
「一人暮らしの高齢の親が入院した。アパートの家賃はどうすればいい?」
「入院が長引いたら、賃貸契約は自動的に解約される?」
「本人が入院中でも、子どもが代わりに退去手続きできる?」
「老人ホームへ入ることになったら、今の賃貸住宅はいつ解約すればいい?」
「親が認知症で契約の判断が難しい場合、家族が解約しても大丈夫?」
高齢者の一人暮らしでは、突然の病気やけがによって入院が必要になることがあります。
短期間で退院できれば、以前と同じ住まいで生活を再開できるかもしれません。
一方、入院が長引いたり、退院後に介護が必要になったりすると、これまでの賃貸住宅に住み続けることが難しくなる場合があります。
その際、本人だけでなく、子どもや親族が家賃、契約、荷物、退去などの手続きを考えなければならないこともあります。
結論からいうと、高齢者が入院しただけで賃貸借契約が自動的に終了するわけではありません。契約が続いている間は、原則として入院中も家賃の支払いが必要です。
また、本人が入院していても、家族が自由に契約を解約したり、室内の荷物を処分したりできるとは限りません。
特に注意したいのは、本人が契約内容を理解して意思表示できる状態かどうかです。
今回は、高齢者が入院したときの賃貸契約、家賃、管理会社への連絡、長期不在、老人ホームへの入所、家族による解約、退去費用まで詳しく解説します。
■高齢者が入院すると賃貸契約は自動的に終了する?
高齢者が病気やけがで入院しても、それだけで賃貸借契約が自動的に終了するわけではありません。
例えば、75歳の方が一人暮らしをしており、突然の骨折によって2か月間入院することになったとします。
本人が賃貸住宅を借り続けているのであれば、通常はその間も賃貸借契約が継続します。
ただし、契約の種類や個別の事情によって、取り扱いが異なる場合があります。
特に確認したいのは次の事項です。
契約者が誰になっているか
普通借家契約か定期借家契約か
契約期間の満了日
長期不在時の通知に関する取り決め
家賃の支払方法
緊急連絡先
入院後に自宅へ戻る予定があるか
家族が契約書を確認する場合は、まず実際の契約者を確認しましょう。
例えば、親が住んでいるアパートでも、契約者が親本人ではなく、子どもになっているケースがあります。
反対に、子どもが緊急連絡先として登録されているだけで、契約者は親本人というケースもあります。
この違いによって、手続きできる人が変わる可能性があります。
「誰が住んでいるか」と「誰が契約しているか」は、必ずしも同じではありません。
■入院中もアパートの家賃は払う必要がある?
原則として、賃貸借契約が続いている間は家賃の支払いが必要です。
例えば、次のような賃貸住宅を借りているとします。
月額家賃:70,000円
共益費:3,000円
入院期間:3か月
この場合、契約が継続していれば、次の金額が発生する計算になります。
項目 | 1か月 | 3か月 |
|---|---|---|
家賃 | 70,000円 | 210,000円 |
共益費 | 3,000円 | 9,000円 |
合計 | 73,000円 | 219,000円 |
※金額は説明用の仮定です。入院費用、光熱費、保証会社の費用などは含みません。
このケースでは、3か月間の入院中に219,000円の住居費が発生します。
当然ながら、入院費用も別に必要になる場合があります。
そのため、入院期間が長引くほど、本人や家族の経済的な負担が大きくなる可能性があります。
ただし、ここで注意したいのは、家賃の負担があるからといって、すぐに賃貸契約を解約すべきとは限らないことです。
退院後に元の自宅へ戻れる見込みがある場合、解約してしまうと、再び住まいを探さなければならなくなる可能性があります。
高齢者の場合、新たな入居審査や引っ越しの負担も考える必要があります。
そのため、入院期間だけでなく、退院後の生活も含めて判断しましょう。
■入院が長引く場合、管理会社へ連絡する必要はある?
賃貸借契約によっては、長期間住まいを空ける場合に、貸主や管理会社への通知が必要とされることがあります。
すべての賃貸住宅で同じ日数が決められているわけではありません。
そのため、入院が長引く可能性がある場合は、契約書を確認し、必要に応じて管理会社へ相談しましょう。
特に、一人暮らしの高齢者が入院した場合、次のような問題が起こる可能性があります。
郵便物がたまり続ける
設備点検の案内に対応できない
水漏れなどの異常に気づきにくい
管理会社から本人に連絡がつかない
更新書類が届いても確認できない
家賃の口座振替ができなくなる
例えば、入院中に給排水設備から水漏れが発生した場合、管理会社が本人と連絡を取れなければ、対応に時間がかかる可能性があります。
また、家賃を銀行口座から自動引き落とししている場合、残高不足によって引き落としができなくなることもあります。
入院が長引くと分かった段階で、本人の意向を確認しながら、連絡方法と支払方法を整理しておくとよいでしょう。
国土交通省の標準契約書は契約書のモデルであり、すべての賃貸住宅に同じ条件が適用されるわけではありません。実際の契約書を確認することが重要です。
■高齢者が入院した場合、家族が管理会社へ連絡してもいい?
家族が管理会社へ状況を伝え、必要な手続きについて相談することはできます。
ただし、家族であることだけを理由に、本人の契約に関するすべての手続きを代行できるとは限りません。
例えば、入院している親の子どもから、
「母が入院したので、しばらく自宅を空けます」
「家賃の支払方法を確認したいです」
「退去する場合の手続きを教えてください」
といった相談をすることは考えられます。
一方、管理会社が契約情報や支払状況などを家族に開示する際は、本人確認や本人の同意などが必要になる場合があります。
また、賃貸契約を解約する際には、本人の意思確認や代理権の確認が求められることがあります。
そのため、家族が相談する場合は、次の情報を整理しておくとよいでしょう。
① 契約者本人の氏名
契約書に記載されている名前を確認します。
② 物件名・部屋番号
本人がどの物件に入居しているかを確認します。
③ 入院の状況
長期不在の見込みや、本人と連絡が取れるかを説明します。
④ 家族との関係
子ども、配偶者、兄弟姉妹などの関係を伝えます。
⑤ 相談したい内容
家賃、長期不在、契約更新、退去など、必要な事項を整理します。
重要なのは、家族だから自由に契約を変更できると考えず、本人の意思と必要な手続きを確認することです。
■親が入院した場合、子どもが勝手に賃貸契約を解約していい?
原則として、本人が契約者である場合、子どもという理由だけで自由に契約を解約できるわけではありません。
例えば、80歳の母親が自分の名義でアパートを借りていたとします。
その母親が入院し、子どもが、
「もう一人暮らしは難しそうだから解約しよう」
と考えた場合です。
本人が契約内容を理解し、退去する意思を示せるのであれば、その意思を確認して手続きを進めることになります。
本人が子どもに代理を依頼する場合は、管理会社が委任状などの提出を求めることもあります。
しかし、本人が解約を希望していない場合や、意思確認ができない場合は、別の問題になります。
親族であることと、法律上の代理権を持つことは同じではありません。
本人の意思を確認できない場合は、安易に解約通知を提出せず、法律の専門家などへ相談することが重要です。
■認知症などで本人が契約の判断をできない場合は?
高齢者の入院では、認知症などによって、本人が契約内容を理解したり、手続きの意思を示したりすることが難しい場合があります。
その場合、家族がすべての契約行為を自由に代行できるわけではありません。
例えば、
「本人が解約の意味を理解できない」
「委任状を書ける状態ではない」
「家族の間で退去について意見が分かれている」
といった状況です。
こうした場合には、成年後見制度などの利用が問題になることがあります。
成年後見制度は、判断能力が不十分な方を法律面で支援する制度です。
ただし、成年後見人が選任されているからといって、すべての居住用不動産に関する手続きを無条件に行えるわけではありません。
例えば、成年被後見人が居住する建物の賃貸借を解除する場合には、民法859条の3に基づき、家庭裁判所の許可が必要となることがあります。
そのため、本人が判断できない場合は、
成年後見人などが選任されているか
現在の賃貸契約の内容
本人の居住状況
退院後に戻る見込み
家庭裁判所の許可が必要な手続きか
などを確認する必要があります。
本人の意思確認が難しい場合ほど、契約の解約を急がず、法律上の手続きを確認することが大切です。
■入院後に老人ホームや介護施設へ入所する場合、いつ賃貸を解約する?
入院後に一人暮らしを続けることが難しくなり、老人ホームや介護施設への入所を検討するケースがあります。
その場合、現在の賃貸住宅をいつ解約するかが問題になります。
例えば、
11月1日:入院
12月上旬:施設への入所を検討
12月20日:施設の入所契約
1月10日:施設への入所
という予定だったとします。
この場合、施設への入所日が決まる前にアパートを解約してしまうと、事情が変わった際に戻る住まいがなくなる可能性があります。
一方、施設への入所後も賃貸契約を長く続けていると、両方の費用が発生する場合があります。
そのため、次の内容を確認しましょう。
① 施設への入所が正式に決まっているか
申込みをしただけなのか、入所契約まで完了しているのかを確認します。
② 本人が退院後に自宅へ戻る可能性
医療・介護の関係者や本人の意向を踏まえて判断します。
③ 賃貸住宅の解約予告期間
何か月前に通知する必要があるか確認します。
④ 家具や荷物の整理に必要な期間
長年住んでいる場合、荷物の整理に時間がかかる可能性があります。
⑤ 家賃と施設費用の重複
どの時期に、いくら必要になるのかを整理します。
施設への入所が決まっても、賃貸住宅の契約が自動的に終了するわけではありません。
入所予定日・解約予告期間・荷物の搬出日をまとめて考えることが重要です。
■家賃と施設費用の二重払いはどのくらいになる?
具体的な金額で考えてみましょう。
次のようなケースを仮定します。
現在の賃貸住宅:月額73,000円(家賃・共益費合計)
施設の利用料:月額150,000円
施設入所後も2か月間、賃貸契約を継続する場合です。
費用 | 1か月 | 2か月 |
|---|---|---|
賃貸住宅 | 73,000円 | 146,000円 |
施設利用料 | 150,000円 | 300,000円 |
合計 | 223,000円 | 446,000円 |
※説明のための仮定です。実際には施設の入所時費用、医療費、介護保険サービス費、退去費用などが別途必要になる場合があります。
この例では、2か月間で446,000円の住居・施設費用が発生する計算です。
ただし、賃貸住宅を早く解約すれば必ず良いというわけではありません。
施設への入所が延期になる場合もあれば、退院後に元の住まいへ戻れる可能性が残っている場合もあります。
高齢者の住まいを変更する際は、費用だけでなく、本人の生活の継続性や安全性も考慮する必要があります。
■入院後に元の賃貸住宅へ戻れるか、何を確認する?
入院前に問題なく生活できていた住まいでも、退院後の身体状況によっては不便になることがあります。
例えば、入院前は階段を上り下りできていた方が、退院後には歩行器を使用するようになった場合です。
その場合、次のような確認が必要になることがあります。
玄関から部屋まで階段があるか
エレベーターがあるか
室内の段差が大きくないか
浴室やトイレを安全に使えるか
介護サービスを利用しやすいか
家族が訪問しやすいか
病院や薬局まで移動しやすいか
また、車椅子や歩行器を使用する場合は、廊下や出入口の幅も確認したいところです。
賃貸住宅では、手すりの設置などの改修について貸主の承諾が必要になる場合があります。
退院後も自宅で暮らせるかについては、本人、家族、医療・介護の関係者と相談しながら検討しましょう。
高齢者の賃貸住宅探しでは、入居審査だけでなく、長く暮らせる住環境を選ぶことが重要です。
スマイファミリーでは、高齢者・シニアの方のお部屋探しについて、審査・住環境・緊急連絡先などをまとめた総合ガイドを公開しています。
高齢者・シニアでも賃貸物件は借りられる?東京・埼玉・関東のお部屋探しと入居審査を解説
■病院から退院を勧められたら、すぐに住み替えを決めるべき?
入院後に退院の見通しが立っても、必ずしも以前と同じ生活へ戻れるとは限りません。
例えば、病院では問題なく歩行できていても、自宅の階段や浴室で同じように生活できるとは限らないためです。
退院後の住まいを判断するときには、本人の希望に加えて、実際に必要となる生活支援を確認しましょう。
相談先として考えられるのは、病院の退院支援担当者、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどです。
確認したいのは、次のような内容です。
一人で食事や入浴ができるか
薬の管理を続けられるか
通院手段を確保できるか
訪問介護などのサービスを利用できるか
家族がどの程度支援できるか
現在の住宅に戻ることが現実的か
例えば、現在の住まいがエレベーターのない3階のアパートであれば、退院後の階段の昇降が大きな負担になる場合があります。
このようなときは、現在の住まいを維持する方法だけでなく、1階の賃貸住宅やエレベーター付きの物件へ住み替える方法も検討できます。
ただし、高齢者の住み替えでは、物件探しや入居審査だけでなく、生活環境の変化による負担も考える必要があります。
退院日が決まったから急いで契約するのではなく、退院後の生活を具体的に想定して住まいを選ぶことが大切です。
■退院後に別の賃貸住宅を借りる場合、入居審査はどうなる?
高齢者が入院した後に住み替える場合、新しい賃貸住宅で入居審査が必要になることがあります。
ただし、入院歴があることだけを理由に、すべての賃貸住宅を借りられなくなるわけではありません。
実際には、貸主や管理会社、保証会社が物件ごとの条件に基づいて判断します。
例えば、次のような事項が確認されることがあります。
① 家賃の支払い方法
年金収入やその他の収入、預貯金など、求められた資料を確認します。
② 緊急連絡先
緊急時に連絡できる親族などがいるか確認される場合があります。
③ 入居後の生活状況
一人暮らしを予定しているのか、家族と同居するのかなどを確認する場合があります。
④ 見守りなどの支援
物件によっては、見守りサービスや緊急通報サービスを利用できる場合があります。
⑤ 必要な設備
エレベーター、段差、浴室、トイレ、エアコンなど、生活に必要な設備を確認します。
また、年金収入で賃貸審査を受ける場合には、年金額や家賃のバランスなども確認したいところです。
年金を中心としたお部屋探しについては、スマイファミリーの既存記事でも詳しく解説しています。
年金暮らしでも賃貸審査に通る?年金収入・保証会社・緊急連絡先を解説
■長期入院中の家具や荷物はどうすればいい?
入院が長引くと、部屋にある家具や荷物の管理も問題になります。
例えば、親が長年一人暮らしをしていた場合、室内には次のようなものが残っているかもしれません。
衣類や寝具
冷蔵庫や洗濯機
テレビや家具
通帳や契約書類
写真や思い出の品
貴重品
医療・介護に関する資料
入院中であっても、これらの荷物を家族が自由に処分できるとは限りません。
特に本人が退院後に戻るつもりでいる場合は、荷物の整理について本人の意思を尊重する必要があります。
また、賃貸住宅の解約が決まった場合でも、室内に荷物を残したまま鍵を返せば、必ず退去が完了するわけではありません。
契約上の明渡し義務を果たすため、必要な荷物の搬出や清掃などを行う必要があります。
家族で片付けることが難しい場合には、専門業者へ相談する方法もあります。
ただし、処分費用だけでなく、本人の同意や業者の契約内容を確認しましょう。
■高齢者が入院中でも、退去立会いは本人が行わないといけない?
退去立会いの方法は、賃貸借契約や管理会社の取り扱いによって異なります。
通常は、借主と貸主側の担当者が室内の状態を確認し、原状回復などについて整理します。
しかし、本人が入院中で立会いが難しい場合もあります。
例えば、
「歩行が難しく現地へ行けない」
「遠方の病院へ転院した」
「施設へ入所するためアパートへ戻れない」
といったケースです。
この場合、家族が立会いを代行できるか管理会社へ相談する方法があります。
ただし、家族が代理で立会いできるかは、本人からの委任や管理会社の手続きによって異なります。
また、立会いに参加した家族が、原状回復費用のすべてについて本人に代わって合意できるとは限りません。
費用や責任の範囲について疑問がある場合は、その場で無理に了承せず、契約書や写真、明細を確認しましょう。
■入院を理由に原状回復費用が高くなることはある?
高齢者が入院したという理由だけで、原状回復費用が自動的に高くなるわけではありません。
原状回復の負担は、実際の室内の状態や契約内容などに基づいて判断する必要があります。
例えば、長年住んでいた賃貸住宅では、
壁紙の日焼け
家具を置いていた跡
通常の生活による床の摩耗
経年劣化による設備の不具合
などが見られる場合があります。
一方、借主の故意・過失による損傷や、通常の使用方法を超える損傷がある場合には、別途費用負担が問題になることがあります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、通常損耗・経年変化と、借主の負担となる損傷などを区別する考え方が示されています。
ただし、個別の契約で定められた特約なども確認する必要があります。
高齢者が長年住んだ賃貸住宅を解約する場合でも、すべての修繕費を借主が負担するという意味ではありません。
退去手続き全体については、次の関連記事でも解説しています。
埼玉の賃貸を退去するときは?解約連絡の期限・立会い・費用を解説
■終身建物賃貸借の場合、入院や施設入所で解約できる?
高齢者向けの賃貸住宅には、通常の賃貸借契約とは異なる「終身建物賃貸借」という制度があります。
終身建物賃貸借は、高齢者が亡くなるまで居住できることを基本とする制度ですが、途中で一切解約できないわけではありません。
国土交通省の制度説明では、療養や老人ホームへの入所などを理由として借主が解約を申し入れる場合、一定の要件のもとで、申入れから1か月後に契約が終了する仕組みが示されています。
ただし、これは一般的なすべての賃貸住宅に適用されるルールではありません。
また、実際に終身建物賃貸借を利用しているかどうかは、契約内容を確認する必要があります。
例えば、単に「高齢者歓迎」と募集されている賃貸住宅が、必ず終身建物賃貸借に該当するわけではありません。
入院や施設入所を理由に解約する場合は、まず契約の種類と解約方法を確認しましょう。
■入院した高齢者が亡くなった場合、賃貸契約はどうなる?
入院中に契約者本人が亡くなるケースもあります。
この場合も、通常の賃貸借契約であれば、本人が亡くなっただけで契約が当然に終了するとは限りません。
一般的な賃貸借契約では、賃借人の地位や契約上の権利義務が相続の対象となる場合があります。
そのため、相続人や貸主との間で、契約の終了や室内の荷物、家賃、敷金などについて確認が必要になることがあります。
一方、終身建物賃貸借には、入居者の死亡によって契約が終了する特別な仕組みがあります。
ただし、同居者に関する取り扱いなどもあるため、制度や契約内容を確認する必要があります。
また、緊急連絡先として登録されている人が、契約者本人の死亡後に当然に解約や荷物の処分を行えるわけではありません。
相続人が複数いる場合や、相続放棄を検討している場合などは、法律上の問題が生じる可能性もあります。
本人の死亡、賃貸契約の終了、荷物の処分、敷金の精算は、それぞれ整理して考える必要があります。
必要に応じて弁護士や司法書士などの専門家へ相談しましょう。
■高齢者の入院後、賃貸を維持するか解約するかの判断表
高齢の親が入院した場合、家族が最も悩みやすいのが、賃貸住宅を残しておくかどうかです。
状況によって必要な対応は異なります。
状況 | まず検討すること |
|---|---|
短期間の入院で退院予定がある | 家賃の支払いと不在中の管理 |
長期入院だが自宅復帰を目指している | 退院後の生活環境と支援体制 |
退院後は住み替えが必要 | 新居探しと現在の契約の解約時期 |
施設入所が正式に決まった | 解約予告期間・荷物整理・費用 |
本人が解約を判断できない | 代理権や成年後見制度など |
契約者本人が亡くなった | 契約の種類、相続関係、退去手続き |
この表は、どの選択肢が正解かを決めるものではありません。
例えば、入院が長引いていても、自宅へ戻る可能性が十分にある場合は、簡単に解約できないでしょう。
一方、本人が施設での生活を希望し、入所が確定している場合には、早めに退去準備を進める必要があります。
高齢者の住まいは、家賃だけでなく、本人の希望と今後の暮らしを中心に判断することが重要です。
■入院した高齢者の賃貸契約について、家族が確認したい10項目
高齢の親が入院した場合、家族は次の項目を確認すると状況を整理しやすくなります。
① 契約者は誰か
本人名義か、子どもなどの親族名義か確認します。
② 賃貸借契約書はどこにあるか
契約期間や解約条件を確認します。
③ 家賃の支払い方法は何か
口座振替、振込などの方法を確認します。
④ 入院期間はどの程度になる見込みか
現時点で分かる範囲を整理します。
⑤ 退院後に自宅へ戻れる可能性はあるか
本人の希望と必要な生活支援を確認します。
⑥ 管理会社への長期不在連絡が必要か
契約上の通知義務を確認します。
⑦ 契約更新の時期は近くないか
更新料や必要な手続きを確認します。
⑧ 家族が解約手続きを行えるか
本人の同意や委任、代理権の有無を確認します。
⑨ 退去する場合、荷物をどうするか
搬出、保管、処分などの方法を考えます。
⑩ 今後の住まいをどうするか
元の住まいへ戻るのか、住み替えるのか、施設へ入所するのかを整理します。
すべてを一度に決める必要はありません。
まず、賃貸契約を維持するために必要なことと、将来解約する際に必要なことを分けて考えましょう。
■よくある質問
Q.高齢者が入院するとアパートは自動的に解約されますか?
いいえ。通常は入院しただけで賃貸借契約が自動的に終了するわけではありません。
Q.入院中も家賃を払う必要がありますか?
原則として、契約が継続している間は家賃の支払いが必要です。部屋を使用していないことだけで無料になるわけではありません。
Q.親が入院した場合、子どもが管理会社へ連絡してもいいですか?
相談することはできます。ただし、契約情報の開示や解約などについては、本人の同意や代理権の確認が必要になる場合があります。
Q.入院中の親に代わって賃貸契約を解約できますか?
本人の意思や代理権などによって異なります。子どもという理由だけで自由に解約できるわけではありません。
Q.認知症の親が入院した場合、家族が解約しても大丈夫ですか?
本人の判断能力や法律上の代理権を確認する必要があります。成年後見制度や家庭裁判所の許可が関係する場合もあります。
Q.老人ホームへの入所が決まったらすぐに解約できますか?
契約の種類や解約予告期間によります。入所日が決まっても、賃貸契約がその日に自動的に終了するわけではありません。
Q.家族が退去立会いを代行できますか?
管理会社の手続きや本人からの委任によって、相談できる場合があります。事前に確認しましょう。
Q.長く住んでいた高齢者は原状回復費用が高くなりますか?
居住年数だけで一律に決まるわけではありません。通常損耗、経年変化、借主の故意・過失、契約内容などを踏まえて判断します。
Q.親が亡くなった場合、緊急連絡先の子どもが解約できますか?
緊急連絡先に登録されているだけで、当然に解約権限が生じるわけではありません。相続関係や契約の種類などを確認する必要があります。
Q.入院後に別の賃貸住宅へ住み替えられますか?
住み替えを検討することは可能です。ただし、新しい物件の審査や契約条件、退院後に必要な設備・生活支援などを確認する必要があります。
■高齢者の入院後は、解約を急ぐより今後の暮らしを考えることが大切
高齢者が入院すると、家族はさまざまな手続きを考えなければならなくなります。
家賃の支払い、管理会社への連絡、郵便物、契約更新、家具の整理など、確認事項は少なくありません。
また、入院が長引いた場合には、今の賃貸住宅を維持するかどうかも判断する必要があります。
ただし、家賃の負担だけを理由に、すぐに解約することが適切とは限りません。
退院後に元の住まいへ戻る可能性がある場合や、本人が住み続けることを希望している場合には、慎重に検討する必要があります。
一方、施設への入所や住み替えが決まっている場合は、解約予告期間や荷物の整理に必要な時間を確認しておくことが重要です。
特に家族が手続きを進める場合は、本人の意思や代理権などを確認しながら進めましょう。
大切なのは、契約を早く終わらせることではなく、高齢者本人が安心して次の生活へ移れるように準備することです。
■東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬で高齢者の住まいをお探しの方へ
スマイファミリーでは、東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬などで、高齢者・シニアの方のお部屋探しについてご相談いただけます。
「入院した親が退院後に住める物件を探したい」
「エレベーター付きのアパートへ引っ越したい」
「一人暮らしの高齢者でも入居相談できる物件を探したい」
「年金収入での賃貸審査が不安」
「親の住み替えを家族で相談したい」
こうした場合は、本人の希望、生活環境、家賃、必要な設備、入居条件などを整理しながら、物件探しをお手伝いします。
また、入院や施設入所に伴う現在の賃貸契約の解約については、契約内容や本人の意思、必要な代理権などによって対応が異なります。
法的な判断が必要な場合は、適切な専門家への相談も検討しましょう。
高齢者の住まい探しでお悩みの方は、スマイファミリーへお気軽にご相談ください。

