
2026年にLICCの家賃情報データベースが終了|賃貸審査や保証会社の審査はどう変わる?
賃貸のお部屋を借りるとき、
「以前、家賃を滞納したことがある」
「前の保証会社で代位弁済されたことがある」
「クレジットカードを延滞したことがある」
「携帯電話料金を払い忘れたことがある」
といった事情から、入居審査を心配している方も少なくありません。
そんな中、2026年に賃貸保証業界で大きな変更がありました。
一般社団法人全国賃貸保証業協会、通称LICCが運用してきた、
「代位弁済情報(家賃情報)データベース」
が、2026年3月31日をもって運用終了となりました。
LICCによると、このデータベースは2010年から賃貸保証会社の適正審査を目的として運用されていましたが、2026年3月末で終了。2026年4月からは個人情報の開示手続も終了し、保有していた個人情報も削除されています。全国賃貸保証業協会
では、
「昔の家賃滞納はもう賃貸審査で分からない?」
「保証会社の審査が簡単になった?」
というと、そう単純ではありません。
結論からいうと、
LICCの家賃情報データベースが終了しても、保証会社による審査そのものがなくなったわけではありません。
審査方法は保証会社ごとに異なり、申込内容、収入、家賃、勤務状況、自社で保有する取引情報などをもとに総合的に判断されます。
また、クレジットカードやローンなどの信用情報は、LICCとは別の仕組みです。
今回は、2026年の変更を踏まえて、賃貸審査と保証会社について整理します。
賃貸審査が不安な方へ|保証会社・収入・職業など入居審査のポイントを解説
■そもそもLICCとは?
LICCは、
一般社団法人 全国賃貸保証業協会
の通称です。
家賃債務保証制度の適正な運営や普及などを目的として活動している団体です。
家賃債務保証とは、入居者が家賃を支払えなくなった場合などに、契約内容に応じて保証会社が貸主側へ支払いを行う仕組みです。
現在では、
「連帯保証人を立てる」
代わりに、
保証会社への加入を入居条件としている賃貸物件
も多くなっています。
国土交通省でも家賃債務保証業者の登録制度を設けており、2026年9月30日時点で125社が登録されています。なお、この登録制度は任意であり、未登録でも家賃債務保証業を営むことは可能です。国土交通省
■LICCの「家賃情報データベース」とは?
LICCでは2010年から、
代位弁済情報(家賃情報)データベース
を運用していました。
代位弁済とは、入居者が家賃等を支払わなかった際に、保証契約に基づいて保証会社が貸主や管理会社へ支払いを行うことです。
LICC加盟会社間で、このような情報を審査等に利用する仕組みがありました。
しかしこのデータベースは、
2026年3月31日で運用終了
しています。全国賃貸保証業協会
■2026年4月から何が変わった?
最も大きいのは、
LICCが運営する共通の家賃情報データベースがなくなった
ことです。
さらにLICCは、
個人情報開示手続も終了
しています。
LICCの公式案内では、データベース終了に伴い保有していた個人情報は削除されたと説明しています。全国賃貸保証業協会
ここだけを見ると、
「過去の家賃滞納履歴は全部なくなった」
と思うかもしれません。
しかし、ここには注意が必要です。
■保証会社が持っている自社情報まで消えたわけではない
LICCのデータベース終了と、
各保証会社が自社で持つ契約・取引情報
は別です。
例えば過去にA保証会社を利用して、
家賃滞納
代位弁済
未払い
契約上のトラブル
などがあった場合、
その保証会社自身が自社の契約履歴等を適法な範囲で管理している可能性があります。
したがって、
「LICCが終了したから、以前利用した同じ保証会社でも過去のことは一切分からない」
とは言えません。
ここは非常に重要です。
■賃貸保証会社は何を見て審査する?
保証会社によって審査基準は異なります。
一般的には、
氏名
生年月日
住所
勤務先
雇用形態
収入
家賃
勤続期間
緊急連絡先
申込内容
本人確認
などをもとに判断されます。
さらに保証会社によっては、
自社の過去の利用状況
なども判断材料になる可能性があります。
つまり、
家賃滞納歴だけで機械的に決まるわけではありません。
■「保証会社が違えば審査結果も違う」はあり得る
賃貸のお部屋探しでは、
「A社では否決だったのに、B社では承認された」
ということがあります。
これは不思議なことではありません。
保証会社ごとに、
審査基準
必要書類
確認方法
保証範囲
リスク判断
などが異なるからです。
さらに賃貸契約では、
保証会社だけではなく、
管理会社
貸主
などの判断が入る場合もあります。
そのため、
一つの物件で審査に通らなかった=すべての賃貸物件を借りられない
ではありません。
■保証会社を自由に選べるとは限らない
ここもよく誤解されます。
「じゃあ審査が通りやすそうな保証会社を自分で選べばいい」
と思うかもしれません。
しかし通常は、
その物件・管理会社が指定する保証会社
を利用します。
物件によっては複数の保証会社を利用できる場合がありますが、入居希望者が好きな会社を自由に指定できるとは限りません。
そのため、審査に不安がある場合には、
申込み前に不動産会社へ事情を伝える
ことが重要です。
■LICC終了=「賃貸審査がなくなる」ではない
今回の変更を、
「家賃滞納していても審査に影響しなくなった」
と解釈するのは危険です。
LICCの共通データベースは終了しました。
しかし、
保証会社による入居審査
管理会社による確認
貸主による判断
は今後もあります。
むしろ今後は、
「どの保証会社を使う物件なのか」
が、より重要になるケースも考えられます。
■CIC・JICCとは別物
LICCと混同されやすいのが、
CIC
や、
JICC
です。
これらはクレジット・ローンなどに関する信用情報機関です。
例えばCICでは、クレジットやローンなどの契約内容・支払状況などの信用情報を管理しています。指定信用情報機関のCIC
JICCでも、
契約内容
返済状況
延滞
債務整理
保証履行
など一定の信用情報が登録されています。日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
つまり、
LICCの家賃情報データベースが終了したことと、CIC・JICCの信用情報がなくなったことは全く別の話です。
■クレジットカードの延滞はどうなる?
クレジットカードの支払いを延滞した場合には、その支払状況が信用情報に登録されることがあります。
CICも、
「ブラックリスト」という名前のリストが存在するわけではなく、
支払いが遅れたという客観的な取引事実が信用情報として登録される
と説明しています。指定信用情報機関のCIC
そのため、
「ブラックだから絶対に賃貸審査に通らない」
という表現も正確ではありません。
どの情報を利用してどのように審査するかは、会社ごとに異なります。
■携帯電話料金の延滞は賃貸審査に影響する?
これは非常によくある質問です。
結論として、
携帯料金なら何でも信用情報に登録されるわけではありません。
JICCによると、
通話料金などだけの未払いであれば、割賦商品ではないため信用情報機関には登録されません。
一方、
携帯電話端末を分割払いで購入している場合
には割賦契約となり、一定の延滞基準に該当すると延滞情報が登録される場合があります。日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
例えば、
スマートフォン本体10万円を24回払い
などで購入しているケースです。
単なる電話料金と、
端末の分割払い
は分けて考える必要があります。
■公共料金や税金の滞納は?
これも誤解されやすいところです。
JICCでは、
公共料金や税金を口座振替などで直接支払っている場合、その支払情報はJICCには登録されないと説明しています。日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
CICも同様に、公共料金を銀行口座等から直接支払っている場合はクレジット契約ではないためCICには登録されないとしています。指定信用情報機関のCIC
ただし、
公共料金をクレジットカード払いにしていて、そのクレジットカード代金自体を延滞
した場合には、クレジット契約の延滞として扱われる可能性があります。
■「信用情報に問題がある=必ず賃貸審査NG」ではない
ここも重要です。
信用情報機関は、
審査そのものを行う機関ではありません。
例えばCICも、各クレジット会社が独自の審査基準で総合的に判断するため、CIC自身には否決理由は分からないと説明しています。指定信用情報機関のCIC
賃貸保証についても、
「この情報があれば100%否決」
という単純な仕組みではありません。
保証会社や物件によって結果が異なる可能性があります。
■審査に不安がある人ほど「申込前」が重要
審査に不安があると、
「とりあえず申し込んでみよう」
と考える方もいます。
しかしスマイファミリーでは、
申込前に事情を整理すること
をおすすめします。
例えば、
過去に家賃滞納がある
クレジット延滞がある
自己破産歴がある
現在無職
転職直後
フリーランス
夜職・水商売
生活保護受給中
外国籍
高齢
収入に対して家賃が高い
などです。
事情が分かれば、
最初から条件に合わない物件へ申込みを繰り返すのではなく、
相談しやすい物件や保証会社を確認しながら探す
ことができます。
■審査に落ちたらすぐ別物件へ何件も申し込むべき?
おすすめはしません。
まず、
何が原因だった可能性があるのか
を整理します。
もちろん保証会社から、
「この理由で落としました」
と詳細な理由が開示されるとは限りません。
それでも、
家賃が高すぎなかったか
申込内容に矛盾がなかったか
勤務確認で問題がなかったか
必要書類が不足していなかったか
緊急連絡先に問題がなかったか
など、確認できる部分があります。
何も整理せず、
A物件
B物件
C物件
と申込みを繰り返すより、
次の申込みの精度を上げる方が重要です。
■申込内容を「よく見せる」のは逆効果
審査が不安だからといって、
年収を多く書く
勤続年数を長く書く
勤務先を変える
事実と違う内容を書く
ことは避けましょう。
審査では、
本人確認
勤務先確認
収入証明
などを求められる場合があります。
申込内容に矛盾があると、
それ自体が審査上の不安材料
になる可能性があります。
事情がある場合は、隠すより、
不動産会社へ事前に伝える
方が現実的です。
■家賃設定も審査では重要
審査に不安がある方ほど、
家賃設定を見直すことも重要です。
例えば、
月収20万円で家賃9万円
と、
月収20万円で家賃6万円
では、毎月の負担が大きく異なります。
審査では収入だけではなく、
その収入に対して家賃を継続して支払えるか
という視点もあります。
「審査に通るギリギリの家賃」
ではなく、
入居後の生活も考えて物件を選びましょう。
■収入が低い・不安定でも相談できるケースはある
正社員でなければ借りられない、
というわけではありません。
例えば、
契約社員
派遣社員
アルバイト
個人事業主
フリーランス
転職直後
でも、相談できる物件があります。
ただし、
収入証明
預貯金
内定通知書
雇用契約書
など、状況によって確認書類を求められる場合があります。
重要なのは、
自分の状況で申込みやすい物件を選ぶこと
です。
■緊急連絡先と連帯保証人は違う
賃貸申込みでは、
「緊急連絡先をお願いします」
と言われることがあります。
緊急連絡先は一般的に、
本人と連絡が取れない場合などに連絡するための連絡先です。
一方、
連帯保証人
は、契約内容に基づいて家賃等の債務について責任を負う立場です。
緊急連絡先=連帯保証人
ではありません。
保証会社を利用する場合でも、緊急連絡先を求められることがあります。
■2026年以降の賃貸審査で大切なのは「保証会社を知ること」
今回のLICCデータベース終了によって、
賃貸審査が簡単になった
と考えるより、
保証会社ごとの違いをより意識すること
が大切だと考えます。
同じ申込者でも、
物件
管理会社
保証会社
の組み合わせによって審査結果が異なることがあります。
お部屋探しでは、
間取り
駅距離
築年数
家賃
だけを見るのではなく、
どの保証会社を利用する物件なのか
という点も重要です。
■よくある質問
Q. LICCの家賃情報データベースは本当に終了したのですか?
はい。全国賃貸保証業協会は、2026年3月末で代位弁済情報(家賃情報)データベースの運用を終了したと公表しています。全国賃貸保証業協会
Q. 過去に家賃滞納があっても、もう審査には影響しませんか?
そうとは言えません。LICCの共通データベースは終了しましたが、各保証会社による審査や自社の取引情報等は別です。
Q. LICCが終了したら保証会社の審査もなくなりますか?
なくなりません。家賃債務保証会社による審査自体は続いています。
Q. クレジットカードの延滞も消えますか?
LICCとは別です。CICやJICCなどの信用情報機関では、クレジットやローンなどの契約・支払状況が一定期間登録されます。日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
Q. 携帯料金を延滞すると信用情報に載りますか?
通話料金だけの場合と、端末の分割払いでは扱いが異なります。端末を分割購入している場合、一定の延滞により信用情報へ登録される可能性があります。日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
Q. 一度保証会社の審査に落ちたら、もう部屋は借りられませんか?
必ずしもそうではありません。保証会社や物件によって審査基準は異なります。条件を整理し、別の物件や保証会社を利用できる物件を検討する方法があります。
Q. 審査に不安がありますが、申込み前に相談できますか?
できます。むしろ事情がある場合には、申込み前に相談した方が物件選びを進めやすくなることがあります。
■東京・埼玉など関東で賃貸審査に不安がある方へ
2026年3月末で、LICCの代位弁済情報(家賃情報)データベースは終了しました。
これは賃貸保証業界にとって大きな変更です。
しかし、
「過去の家賃滞納は一切関係なくなった」
「誰でも保証会社の審査に通るようになった」
という意味ではありません。
今後も、
保証会社
管理会社
貸主
家賃
収入
勤務状況
申込内容
などを踏まえて審査が行われます。
大切なのは、
自分の状況に合わない物件へ闇雲に申し込むことではありません。
過去に家賃滞納がある。
クレジットに不安がある。
仕事を始めたばかり。
収入が安定していない。
一度審査に落ちた。
こうした事情がある場合には、最初から不動産会社へ相談したうえで物件を探す方法があります。
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