
自営業・フリーランスは賃貸審査に通りにくい?必要な収入証明と申込時の対策
会社員として勤務している方とは異なり、自営業やフリーランスの方は、毎月の収入が一定ではないことがあります。
そのため、賃貸物件を申し込む際に、「自営業だと審査に通りにくい?」「給与明細がない場合は何を提出する?」「開業したばかりでも部屋を借りられる?」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
自営業やフリーランスという理由だけで、賃貸物件を借りられないとは限りません。
一方で、会社員とは確認される書類や審査の進め方が異なる場合があります。
収入、事業年数、仕事内容、預貯金、家賃とのバランスなどを確認できる資料を準備することで、現在の状況を説明しやすくなります。
今回は、埼玉県で賃貸物件を探している自営業者、個人事業主、フリーランスの方へ、入居審査で確認される項目、必要になる可能性がある収入証明、開業直後の対策、申込時の注意点を解説します。
■自営業・フリーランスでも賃貸契約はできる?
自営業やフリーランスの方でも、賃貸物件を契約できる可能性はあります。
ただし、入居審査では、家賃を継続して支払えるか、申込内容に不明な点がないかなどが確認されます。
会社員の場合は、勤務先、勤続年数、月収、雇用形態などから収入状況を確認することがあります。
一方、自営業やフリーランスの場合は、毎月の売上や所得が変動する可能性があるため、次のような内容を確認されることがあります。
・事業内容
・開業年月
・事業を続けている期間
・前年や直近の所得
・現在の売上状況
・主な取引先
・仕事を受注する方法
・確定申告の状況
・預貯金の金額
・希望する物件の家賃
・保証会社の審査基準
審査基準は、貸主、管理会社、保証会社、物件によって異なります。
自営業だから必ず審査に通らない、または書類を出せば必ず通るというものではありません。
■売上と所得の違いに注意する
自営業者の収入を確認する際には、「売上」と「所得」の違いに注意が必要です。
売上は、事業によって受け取った金額です。
所得は、売上から事業に必要な経費などを差し引いた後の金額です。
例えば、年間の売上が高くても、経費を差し引いた所得が低い場合があります。
賃貸審査では、売上だけではなく、確定申告書などに記載された所得を確認される可能性があります。
申込書へ年収を記入するときは、次のどの金額を記載するのか、不動産会社へ確認しましょう。
・年間売上
・事業所得
・経費を差し引く前の収入
・経費を差し引いた後の所得
・直近の平均月収
・副業を含めた収入
申込書の金額と提出書類の内容が大きく異なると、追加の説明を求められる可能性があります。
分からない場合は自己判断で記入せず、提出前に担当者へ確認しましょう。
■審査で確認される主な項目
自営業・フリーランスの賃貸審査では、収入額だけでなく、複数の項目を総合的に確認されることがあります。
主な確認項目は次のとおりです。
・家賃と収入のバランス
・所得の金額
・収入の継続性
・事業年数
・確定申告の有無
・事業内容
・申込者の年齢
・同居する人数
・緊急連絡先
・連帯保証人の有無
・保証会社の利用条件
・過去の家賃支払い状況
・申込内容に不一致がないか
貸主と保証会社では、確認する項目が異なる場合があります。
一つの項目だけで審査結果が決まるとは限りません。
■家賃と収入のバランスが重要
自営業やフリーランスに限らず、賃貸審査では、希望する家賃と収入のバランスが確認されます。
家賃には、毎月の賃料だけでなく、次のような費用が含まれることがあります。
・共益費
・管理費
・駐車場代
・月額保証料
・口座振替手数料
・24時間サポート費用
・定額水道料
・その他の月額費用
賃料だけを見て物件を選ぶと、毎月の総支払額が想定より高くなる可能性があります。
売上が多い月を基準にするのではなく、収入が少ない月でも支払える金額か検討しましょう。
審査だけを目的に無理な家賃を選ぶと、入居後の事業収入が減少したときに生活を圧迫する可能性があります。
■必要になる可能性がある収入証明
自営業やフリーランスの方は、給与明細や会社発行の源泉徴収票を提出できないことがあります。
その場合は、次のような書類を収入証明として求められる可能性があります。
・確定申告書の控え
・所得税の納税証明書
・住民税の課税証明書
・住民税の所得証明書
・青色申告決算書
・収支内訳書
・事業用口座の入出金記録
・報酬の支払調書
・業務委託契約書
・請求書や入金記録
・売上台帳
・取引先からの発注書
・預貯金通帳の写し
すべての書類が必要になるわけではありません。
反対に、確定申告書だけでは確認が足りず、追加書類を求められる場合もあります。
提出できる書類は、申し込み前に整理しておきましょう。
■確定申告書を提出するときの注意点
確定申告書を提出する場合は、申告した内容を確認できる状態にしておく必要があります。
電子申告を利用している場合は、申告書のデータだけでなく、受付結果や受信通知などを求められる可能性があります。
確認したい項目は次のとおりです。
・申告した年分
・申告者の氏名
・住所
・事業内容
・収入金額
・所得金額
・申告を受け付けたことが分かる資料
・青色申告決算書または収支内訳書の有無
個人番号など、審査に必要のない情報が含まれている場合は、提出方法を不動産会社へ確認しましょう。
必要な部分まで自己判断で隠すと、書類の再提出を求められる可能性があります。
■複数年分の書類を求められる場合
事業収入は年によって変動する可能性があるため、直近1年分だけでなく、複数年分の確定申告書などを求められることがあります。
複数年分を確認することで、次のような点を判断しやすくなります。
・事業を継続しているか
・所得が大きく減少していないか
・収入にどの程度の変動があるか
・今後も家賃を支払える見込みがあるか
前年の所得が一時的に低かった場合は、その理由を説明できる資料も準備しましょう。
例えば、設備購入などで経費が増えた、病気やけがで一時的に仕事を減らした、開業初年度で稼働期間が短かったなどの事情が考えられます。
ただし、説明をすれば必ず審査結果が変わるとは限りません。
事実に沿って簡潔に伝えることが大切です。
■開業したばかりで確定申告書がない場合
開業直後は、まだ最初の確定申告を迎えておらず、確定申告書を提出できないことがあります。
確定申告書がないからといって、すべての物件へ申し込めないとは限りません。
ただし、現在の収入と今後の見込みを確認できる資料が必要になる可能性があります。
準備を検討したい書類は次のとおりです。
・開業届の控え
・業務委託契約書
・継続案件の契約書
・取引先からの発注書
・直近の請求書
・報酬が入金された通帳
・売上台帳
・事業計画書
・以前の勤務先の源泉徴収票
・退職前の給与明細
・預貯金を確認できる資料
開業予定で、まだ売上が発生していない場合は、申し込める物件が限られる可能性があります。
申込前に現在の状況を不動産会社へ伝え、どの資料が必要か確認しましょう。
■独立前の職歴も整理する
会社員から独立したばかりの場合は、開業後の期間だけでなく、独立前の職歴や経験が参考になる可能性があります。
例えば、勤務していた会社と同じ業種で独立した場合は、これまでの経験を説明しやすくなります。
整理しておきたい内容は次のとおりです。
・前職の会社名
・勤務期間
・担当していた業務
・現在の事業との関係
・退職した時期
・独立した理由
・継続している取引先の有無
・今後の仕事の見込み
職歴を実際より長く見せたり、取引先や収入を事実と異なる内容で申告したりしてはいけません。
申込内容と提出書類の整合性が重要です。
■預貯金を確認される場合
収入証明だけでは判断が難しい場合、預貯金を確認できる書類の提出を相談されることがあります。
預貯金があることは、収入が少ない月にも家賃を支払える可能性を説明する材料の一つになります。
ただし、預貯金があれば必ず審査に通るわけではありません。
また、物件や保証会社によっては、預貯金を審査材料として扱わない場合もあります。
通帳などを提出するときは、次の内容を確認しましょう。
・必要なページ
・口座名義
・残高を確認する基準日
・取引履歴が必要か
・事業用口座と個人口座のどちらを提出するか
・提出方法
・不要な個人情報の取り扱い
画像が不鮮明な場合や、口座名義が確認できない場合は、再提出になる可能性があります。
■自宅兼事務所として使えるか確認する
自営業やフリーランスの方は、借りた部屋を仕事場として利用したい場合があります。
しかし、一般的な居住用賃貸物件では、事務所利用や不特定多数の来客を伴う営業が禁止されていることがあります。
申込前に、次の内容を正確に伝えましょう。
・自宅で仕事をするか
・法人登記や屋号の登録をするか
・取引先の来訪があるか
・従業員が出入りするか
・荷物の搬入や発送があるか
・在庫を保管するか
・看板を設置するか
・電話やオンライン作業だけか
・音やにおいが発生するか
「自宅でパソコン作業をする場合」と「来客型の店舗や事務所として使用する場合」では、貸主や管理会社の判断が異なる可能性があります。
居住用として申し込み、入居後に無断で事業利用を始めると、契約上の問題になることがあります。
■法人名義と個人名義の違い
法人を設立している場合は、法人名義で契約する方法と、代表者個人の名義で契約する方法があります。
どちらを選べるかは、物件や契約条件によって異なります。
法人名義で申し込む場合は、次のような書類を求められる可能性があります。
・履歴事項全部証明書
・法人の印鑑証明書
・決算書
・法人の納税証明書
・会社概要
・代表者の本人確認書類
・代表者個人の収入証明
・入居者の本人確認書類
設立直後の法人で決算書がない場合は、代表者個人の収入、預貯金、事業計画などを確認されることがあります。
法人契約を希望する場合は、申込名義を決める前に不動産会社へ相談しましょう。
■副業収入がある場合
会社員として勤務しながら、副業で事業収入を得ている方もいらっしゃいます。
この場合、本業の給与と副業収入の両方を申告できる可能性があります。
準備する書類の例は次のとおりです。
・本業の源泉徴収票
・直近の給与明細
・勤務先情報
・副業分の確定申告書
・副業の入金記録
・業務委託契約書
副業収入を含めないと希望家賃とのバランスが合わない場合は、審査資料として扱えるか事前に確認しましょう。
副業が一時的な収入である場合や、実績が短い場合は、すべてが継続収入として評価されるとは限りません。
■申込書は事実どおりに記入する
賃貸審査に不安があっても、収入、職業、事業年数などを実際と異なる内容で記入してはいけません。
確認の電話や提出書類によって内容が一致しないことが分かると、審査へ影響する可能性があります。
特に注意したい項目は次のとおりです。
・職業
・勤務先または屋号
・開業年月
・年収や所得
・現在の住所
・居住年数
・転居理由
・同居人
・緊急連絡先
・連帯保証人
・事業内容
屋号がない場合は、無理に会社名を作る必要はありません。
申込書へどのように記載するか、不動産会社へ確認しましょう。
■確認電話へ対応できるようにする
入居審査中には、保証会社や管理会社から本人確認の電話が入ることがあります。
電話に出られない状態が続くと、審査が進まない可能性があります。
申込後は次の点に注意しましょう。
・知らない番号からの着信を確認する
・留守番電話を確認する
・折り返し可能な時間を把握する
・申込内容を説明できるようにする
・緊急連絡先へ連絡の可能性を伝える
・不動産会社からのメールを確認する
・追加書類の提出期限を守る
仕事中に電話へ出られない場合は、対応できる時間帯を申込時に伝えておくとよいでしょう。
■必要書類を早めに準備する
自営業やフリーランスの審査では、会社員より提出書類が多くなる場合があります。
希望する物件が見つかってから書類を探し始めると、提出に時間がかかる可能性があります。
事前に準備しておきたいものは次のとおりです。
・本人確認書類
・健康保険証など指定された補助書類
・確定申告書
・課税証明書や所得証明書
・納税証明書
・青色申告決算書または収支内訳書
・直近の売上を確認できる資料
・業務委託契約書
・事業用口座の入金記録
・預貯金を確認できる資料
・開業届
・緊急連絡先の情報
発行に時間がかかる書類もあります。
申込前に、不動産会社へ必要書類の候補を確認しておきましょう。
■家賃を抑えて探す方法
所得に対して家賃が高い場合は、希望条件を調整することで申し込める物件の選択肢が増える可能性があります。
見直しを検討できる条件は次のとおりです。
・駅からの距離
・築年数
・部屋の広さ
・階数
・設備
・沿線
・市区町村
・駐車場の有無
・入居時期
・毎月の付帯費用
家賃だけでなく、共益費や月額保証料などを含めた総支払額で比較しましょう。
事業で移動が多い場合は、交通費や移動時間とのバランスも考える必要があります。
■保証会社によって確認内容が異なる
現在の賃貸契約では、家賃保証会社の利用を条件とする物件があります。
保証会社ごとに審査方法や必要書類が異なるため、同じ申込内容でも審査結果が同じになるとは限りません。
自営業・フリーランスの場合は、次のような違いが生じることがあります。
・必要な収入証明
・確認する所得の年数
・開業直後の取り扱い
・預貯金資料の取り扱い
・連帯保証人の必要性
・緊急連絡先の条件
・本人確認の方法
・追加書類の有無
物件を選ぶ際は、部屋の条件だけでなく、利用する保証会社と必要書類も確認しましょう。
ただし、申込者が自由に保証会社を選べない物件もあります。
■審査に落ちた理由は開示されないことがある
賃貸審査に通らなかった場合でも、具体的な理由が開示されるとは限りません。
審査結果は、収入、家賃、書類、保証会社の基準、貸主の判断など、複数の要素が関係している可能性があります。
審査に通らなかったときは、推測だけで次の物件へ申し込むのではなく、変更できる条件を不動産会社と整理しましょう。
例えば、次のような見直しが考えられます。
・家賃帯を下げる
・提出できる収入証明を増やす
・預貯金資料を準備する
・申込名義を確認する
・連帯保証人を相談する
・別の条件の物件を探す
・自宅兼事務所の利用条件を見直す
短期間に複数の物件へ無計画に申し込むのではなく、自分の状況に合う申込方法を検討しましょう。
■申込前のチェック項目
自営業やフリーランスの方が賃貸物件へ申し込む前に、次の内容を確認しましょう。
・前年の所得はいくらか
・直近の売上を証明できるか
・確定申告書を準備できるか
・開業年月を正確に説明できるか
・希望家賃に無理がないか
・預貯金資料を提出できるか
・緊急連絡先を依頼できるか
・連帯保証人が必要か
・仕事で部屋を使用するか
・来客や荷物の搬入があるか
・法人名義と個人名義のどちらで申し込むか
・審査中の電話に対応できるか
・追加書類をすぐに提出できるか
最初に状況を整理しておくと、物件ごとの条件を確認しやすくなります。
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「自営業でも申し込める物件を探したい」
「確定申告書以外に何を提出すればよいか分からない」
「開業したばかりで収入証明が少ない」
「毎月の収入にばらつきがあり、審査が不安」
「自宅で仕事ができる賃貸物件を探したい」
「法人名義と個人名義のどちらで申し込むか相談したい」
このような場合も、事業年数、所得、直近の売上、預貯金、希望家賃、部屋の使用方法などを確認しながら、申込条件を整理します。
自営業やフリーランスという理由だけで、賃貸契約を諦める必要はありません。
一方で、必要書類や審査方法は物件、管理会社、保証会社によって異なるため、希望条件と現在の状況を早めに伝えることが大切です。
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