
賃貸審査の年収は手取り・額面どっち?申込書の書き方と源泉徴収票の見方を解説
「賃貸の申込書に書く年収は、手取りと額面のどっち?」
「源泉徴収票の支払金額と、給与所得控除後の金額はどちらを使う?」
「ボーナスや残業代も年収に含めていい?」
「転職したばかりで、今の年収がまだ分からない」
賃貸マンションやアパートの入居申込みでは、勤務先や勤続年数とあわせて、月収・年収の記入を求められることがあります。
しかし、給与明細や源泉徴収票には複数の金額が記載されているため、どの数字を書けばよいか迷う方もいると思います。
結論からいうと、賃貸申込書の「年収」は、一般的には税金や社会保険料が差し引かれる前の額面年収を指します。
ただし、申込書によっては「手取り月収」「税込年収」「前年年収」「見込年収」など、記入する金額を指定している場合があります。
そのため、どの申込書でも必ず同じ数字を記入すればよいわけではありません。
今回は、埼玉・東京・千葉・神奈川をはじめ、関東で賃貸住宅を探す方へ、年収欄の正しい考え方、源泉徴収票の見方、ボーナスや残業代の扱い、記入ミスへの対応まで具体的に解説します。
■賃貸審査の年収は手取りと額面のどっちを書く?
賃貸申込書に単に「年収」と記載されている場合、給与所得者については、税金や社会保険料などを差し引く前の給与収入、いわゆる額面年収を記入することが一般的です。
ただし、実際には申込先の指定を優先してください。
例えば、次の給与条件の会社員を考えてみましょう。
項目 | 金額 |
|---|---|
毎月の額面給与 | 300,000円 |
毎月の手取り給与 | 240,000円 |
年間賞与(額面) | 600,000円 |
額面年収 | 4,200,000円 |
額面年収は、
300,000円 × 12か月 + 600,000円 = 4,200,000円
です。
この方が前年も同じ条件で勤務し、実際に420万円の給与・賞与を受け取っていた場合、源泉徴収票の「支払金額」も通常は420万円となります。
一方、手取り月収24万円を単純に12倍すると288万円ですが、これを額面年収として記入するのは適切ではありません。
年収欄で混同しやすい3つの数字
種類 | 意味 |
|---|---|
額面年収 | 税金や社会保険料が差し引かれる前の年間給与収入 |
手取り収入 | 控除後、実際に受け取る金額 |
給与所得 | 給与収入から税法上の給与所得控除を差し引いた金額 |
これらは、それぞれ異なる数字です。
申込書に「税込年収」と書かれている場合と、「手取り月収」と書かれている場合では、記入すべき金額が異なります。
申込書の表記が不明な場合は、不動産会社へ確認しましょう。
■源泉徴収票のどこを見れば年収が分かる?
会社員などの給与所得者が、前年の年収を確認する際に使いやすい資料が、給与所得の源泉徴収票です。
源泉徴収票には、主に次のような項目があります。
支払金額
給与所得控除後の金額
所得控除の額の合計額
源泉徴収税額
このうち、一般的に前年の額面給与収入を確認するときに見るのが「支払金額」です。
源泉徴収票の記載例
項目 | 金額の例 | 意味 |
|---|---|---|
支払金額 | 4,200,000円 | 年間の給与・賞与などの課税対象となる給与収入 |
給与所得控除後の金額 | 税法に基づく計算額 | 支払金額から給与所得控除を差し引いた額 |
所得控除の額の合計額 | 個人の状況による | 社会保険料控除・基礎控除など |
源泉徴収税額 | 個人の状況による | 源泉徴収された所得税等 |
※支払金額420万円は説明用の例です。ほかの欄の金額は年分や本人の状況によって異なります。
「給与所得控除後の金額」を年収欄に書いてしまったら?
給与所得控除後の金額は、一般にいう額面年収とは異なります。
例えば、源泉徴収票の支払金額が420万円なのに、給与所得控除後の金額を申込書の税込年収欄に記載すると、確認資料と申告した数字の意味が一致しなくなります。
この場合は、申込先へ連絡し、どの金額を記載したか説明して訂正方法を確認しましょう。
国税庁でも、給与所得の金額について、給与収入から給与所得控除額を差し引いて算出すると説明しています。
参考:国税庁|給与所得控除
■給与明細しかない場合、月収や年収はどう計算する?
源泉徴収票が手元にない場合は、給与明細を基に現在の給与水準を確認する方法があります。
ただし、給与明細から計算する「見込年収」と、前年に実際に受け取った「前年年収」は区別しなければなりません。
給与明細のどこを見る?
給与明細には、一般的に以下のような項目があります。
項目 | 確認する内容 |
|---|---|
基本給 | 毎月の基本となる給与 |
各種手当 | 住宅手当・役職手当・通勤手当など |
残業代 | 時間外労働などに対する給与 |
総支給額 | 控除前の給与合計 |
控除額 | 税金・社会保険料など |
差引支給額 | 実際の振込額など |
額面月収を確認する場合は総支給額が参考になりますが、通勤手当などの非課税項目を含んでいることもあります。
源泉徴収票の支払金額と、給与明細の総支給額を単純に12倍した金額が必ず一致するわけではありません。
具体例:総支給額32万円の場合
仮に、給与明細が次の内容だったとします。
基本給:250,000円
役職手当:30,000円
残業代:20,000円
非課税通勤手当:20,000円
総支給額:320,000円
この場合、総支給額は32万円ですが、非課税通勤手当を除いた課税対象の給与は30万円です。
賃貸申込書が何を年収として求めているかによって、説明する金額が異なる可能性があります。
自己判断で総支給額だけを12倍するのではなく、必要に応じて申込先に確認しましょう。
■ボーナスは賃貸審査の年収に含めていい?
実際に支給された賞与は、通常、額面年収に含まれます。
例えば、次の条件です。
月額給与:280,000円
年間賞与:700,000円
この場合、
280,000円 × 12か月 + 700,000円 = 4,060,000円
となります。
実際に前年の給与と賞与をこの金額で受け取っていたなら、前年の額面年収は406万円です。
今年から賞与が支給される予定の場合は?
前年には賞与がなく、今年から支給予定という場合もあります。
例えば、
前年年収:350万円
今年の見込年収:420万円
というケースです。
この場合、「前年年収」を求められているのか、「見込年収」を求められているのかによって記載する金額が変わります。
また、業績によって賞与が変動する会社では、予定金額が必ず支給されるとは限りません。
「昨年実際に受け取った年収」と「今年受け取る見込みの年収」は、必ず区別して説明しましょう。
■残業代・歩合給・インセンティブは年収に含められる?
残業代や歩合給、インセンティブも、実際に支払われた給与であれば、通常は給与収入に含まれます。
ただし、今後の収入としてどの程度見込めるかは、別の問題です。
例えば、次のような営業職の場合です。
基本給:230,000円
毎月のインセンティブ:20,000円〜150,000円
月収は25万円の月もあれば、38万円の月もあります。
このような場合、最も収入が多かった月を12倍して年収を申告すると、実際の年間収入と大きく異なる可能性があります。
収入が変動する場合に準備したい資料
前年の源泉徴収票
直近数か月の給与明細
雇用契約書や労働条件通知書
賞与の支給実績
給与体系を確認できる資料
なお、これらをすべて提出する必要があるわけではありません。
管理会社や保証会社が求める資料を確認してから準備しましょう。
■転職したばかりの場合、前職と新しい会社のどちらの年収を書く?
ここは、申込書の項目によって対応が変わる重要なポイントです。
例えば、2026年10月に転職した方を考えてみましょう。
前職の前年年収:500万円
新勤務先の見込年収:380万円
この場合、前年年収を求められていれば、前職を含む前年の給与収入を確認します。
一方、現在の給与や今後の見込年収を求められている場合は、新しい会社の労働条件に基づいて説明することになります。
転職時の収入資料の整理
状況 | 主に確認する資料 |
|---|---|
前年の年収 | 前年の源泉徴収票など |
現在の月給 | 新勤務先の給与明細 |
入社前の予定給与 | 労働条件通知書・雇用契約書 |
入社直後で明細なし | 雇用条件を確認できる資料 |
歩合給がある | 固定給と変動給の実績・条件 |
前職の年収500万円をそのまま書いてもいい?
申込書が現在の収入や今後の見込年収を求めている場合、以前の年収だけを記入することは適切ではありません。
例えば、転職によって年収が500万円から380万円へ下がっている場合です。
前職の収入を現在も受け取っているかのように記入すると、申込内容と提出書類が一致しなくなる可能性があります。
転職直後・内定後の必要書類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職直後・内定後でも賃貸審査に通る?内定通知書・給与見込み・勤続年数を解説
■副業がある場合、年収は本業と合計して書く?
会社員として働きながら、副業をしている方もいると思います。
例えば、
本業の給与年収:360万円
副業の年間売上:120万円
というケースです。
このとき、単純に合計して「年収480万円」と記入してよいとは限りません。
特に、副業が業務委託や個人事業の場合には、売上と所得の区別が必要になります。
また、賃貸審査では副業収入をどのように扱うか、保証会社や管理会社によって異なります。
本業と副業の記入例
収入の種類 | 金額の例 |
|---|---|
本業の給与年収 | 360万円 |
副業の売上 | 120万円 |
副業の必要経費 | 40万円 |
副業の所得(単純計算) | 80万円 |
この場合、副業所得は単純計算で80万円です。
ただし、賃貸申込書の年収欄へ360万円と80万円を必ず合算して記入するという共通ルールはありません。
副業収入を確認してもらいたい場合は、本業の給与収入と副業の売上・所得を分けて伝え、記載方法を確認することが重要です。
副業収入の証明については、既存の記事で詳しく解説しています。
会社員の副業収入は賃貸審査で合算できる?給与+副業・収入証明・確定申告を解説
■年収が高ければ、賃貸審査には必ず通る?
年収が高いからといって、すべての物件で入居審査に通るわけではありません。
賃貸審査では、申込者の収入だけでなく、希望家賃、勤務状況、保証会社の条件、申込書と提出資料の整合性などが確認される場合があります。
また、実際に生活するうえでは、額面年収だけでなく手取り収入が重要になります。
例えば、額面年収420万円の会社員でも、毎月の手取り額や賞与の割合によって生活費の状況は異なります。
家賃の比較例
手取り月収24万円の方を想定します。
項目 | 物件A | 物件B |
|---|---|---|
家賃 | 70,000円 | 90,000円 |
共益費 | 5,000円 | 5,000円 |
月額住居費 | 75,000円 | 95,000円 |
手取り月収 | 240,000円 | 240,000円 |
住居費の割合 | 約31.3% | 約39.6% |
住居費支払い後 | 165,000円 | 145,000円 |
物件Bの方が、毎月の住居費は20,000円高くなります。
年間では240,000円の差です。
ただし、表の割合は家計を比較するための計算であり、保証会社の審査基準ではありません。
さらに、駐車場代や月額保証料などがある場合は、それらも考慮する必要があります。
賃貸審査で申告する額面年収と、実際に無理なく家賃を支払うための手取り収入は、分けて考えることが重要です。
■賃貸申込書の年収を間違えて書いたら審査に落ちる?
年収欄を間違えて記入してしまった場合でも、それだけで必ず入居審査が不承認になるわけではありません。
ただし、収入は審査に関係する重要な情報なので、誤りに気付いた時点で訂正することが大切です。
間違いやすいケース
記入内容 | 問題点 |
|---|---|
手取り年収を額面年収欄に記載 | 求められた金額の意味と異なる |
給与所得控除後の金額を記載 | 給与収入と所得を混同している |
前職の年収を現在の年収として記載 | 現在の収入状況と異なる |
最高月収を12倍して記載 | 実際の年間収入と異なる可能性 |
副業売上を給与年収に加算 | 収入の種類を混同している |
予定賞与を確定した金額として記載 | 実際に支給される額と異なる可能性 |
例えば、額面年収420万円の方が、誤って手取り年収を記入していた場合です。
この場合は、次の内容を不動産会社へ伝えましょう。
「賃貸申込書の年収欄に、誤って手取りの金額を記入してしまいました。源泉徴収票の支払金額は420万円です。訂正方法を教えていただけますでしょうか。」
すでに保証会社へ申込情報を送信している場合は、訂正や再確認が必要になることがあります。
ただし、訂正の方法や再審査の必要性は申込先によって異なります。
年収を多く書いてしまった場合は?
実際より多い年収を記入した場合も、正しい数字へ訂正することが重要です。
特に、提出した源泉徴収票や給与明細と大きく異なる場合は、追加の説明を求められる可能性があります。
審査に通りたいからといって、年収を実際より高く申告することは避けてください。
■賃貸申込書に年収を書く前のチェックリスト
申込書を提出する前に、次の項目を確認しましょう。
年収欄は「額面」「手取り」「前年」「見込み」のどれを求めているか
源泉徴収票の「支払金額」を確認したか
現在の勤務先と給与条件が一致しているか
ボーナスや残業代を実際の支給額と区別できているか
転職・副業などによる収入の変化を整理したか
申込書と提出書類の金額に違いがないか
分からない項目がある場合は、申込書を送信する前に不動産会社へ相談しましょう。
特にオンライン申込みでは、一度送信した後に自分で修正できない場合もあります。
正しい金額を記入することに加えて、現在の収入を説明できる資料を用意しておくことが重要です。
■よくある質問(FAQ)
Q1.賃貸申込書の年収欄は手取り・額面のどちらを書きますか?
一般的には、税金や社会保険料を差し引く前の額面年収を記入します。
ただし、申込書が手取り収入や見込年収を指定している場合は、その指定に従ってください。
Q2.源泉徴収票のどこが額面年収ですか?
給与所得者の場合、前年の額面給与収入を確認するときは、一般的に源泉徴収票の「支払金額」を見ます。
「給与所得控除後の金額」は、額面年収とは異なります。
Q3.ボーナスは賃貸審査の年収に含めてもいいですか?
実際に支給された賞与は、通常、額面年収に含まれます。
ただし、今年の支給予定額については、確定した前年年収と区別して説明することが重要です。
Q4.転職したばかりで年収が分からない場合はどうしますか?
新しい勤務先の労働条件通知書や雇用契約書などを基に、予定給与を確認する方法があります。
前年年収と今後の見込年収のどちらを記入すべきか、申込先へ確認しましょう。
Q5.年収を間違えて書いたら賃貸審査に落ちますか?
必ず審査に落ちるわけではありません。
ただし、提出資料と記載内容が異なる場合は確認が必要になることがあります。誤りに気付いた段階で不動産会社へ連絡し、正しい金額へ訂正しましょう。
■まとめ|賃貸審査の年収は、求められた金額を正確に記入することが重要
賃貸の入居申込書では、年収欄に何を記入するか迷うことがあります。
基本的には、単に「年収」と記載されている場合、給与所得者では額面年収を求められることが一般的です。
ただし、実際の申込書では、前年の収入や今後の見込年収、手取り収入などを指定している場合もあります。
今回の重要なポイントは次の5つです。
額面年収と手取り収入を混同しない
前年の給与年収は源泉徴収票の支払金額を確認する
賞与・残業代・インセンティブは実績と見込みを区別する
転職・副業がある場合は収入の種類を分けて説明する
記入ミスに気付いた場合は早めに訂正する
年収を正しく記入することは、審査への不安を減らすための準備の一つです。
しかし、年収が高ければ必ず審査に通るというわけではありません。
現在の勤務状況や家賃、利用する保証会社、申込書と必要書類の内容などを確認することも大切です。
賃貸審査の仕組みや、収入・勤務先・保証会社に不安がある方は、スマイファミリーの総合ガイドも参考にしてください。
埼玉・東京など関東で賃貸審査が不安な方へ|無職・転職・派遣・夜職・外国籍など
■関東で賃貸審査や収入証明に不安がある方へ
「申込書に年収をいくら書けばいいか分からない」
「転職したばかりで給与明細がない」
「ボーナスやインセンティブの金額が毎年変わる」
「副業収入も審査で確認してもらいたい」
「以前、保証会社の審査に通らなかった」
このような場合は、現在の収入状況と必要書類を整理してから物件を探すことが重要です。
スマイファミリーでは、さいたま市大宮区をはじめ、埼玉・東京・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬など、関東でのお部屋探しについてご相談を承っています。
勤務先、収入、雇用形態、希望家賃、入居時期などを整理しながら、条件に合う賃貸物件探しをお手伝いします。
また、他社で見つけた物件についても、当社でご紹介できるか確認できる場合があります。
収入証明の提出方法や保証会社の条件など、不安がある場合は申込み前にご相談ください。
賃貸審査に不安がある方は、現在の収入で無理なく暮らせるお部屋探しについて、スマイファミリーへご相談ください。

