
賃貸で無断転貸・又貸しが発覚したら?オーナーが確認したい契約違反・同居人・解除対応
アパートやマンションを所有していると、
「契約者ではない人がいつも出入りしている」
「契約者本人を最近まったく見かけない」
「知らない人がずっと部屋に住んでいるようだ」
「契約者が友人へ部屋を貸しているらしい」
「家賃とは別に第三者からお金を取っている?」
「恋人が住み始めたら無断転貸になる?」
「会社員の契約だったのに別の人が使っている」
「又貸しならすぐ契約解除できる?」
「合鍵で室内を確認してもいい?」
「契約者へ注意しても改善されない場合はどうする?」
と悩むことがあります。
結論からいうと、
契約者以外の人が室内にいることだけで、すぐ「無断転貸」と決めつけないことが重要です。
最初に確認したいのは、
契約者本人が現在も住んでいるか
+ 第三者は誰なのか
+ 一時的な宿泊か継続居住か
+ 同居人追加なのか
+ 部屋の使用を第三者へ任せているのか
+ 金銭のやり取りがあるのか
+ 現在の契約書で何が禁止されているか
です。
民法上、賃借人は原則として貸主の承諾を得ずに賃借権を譲渡したり、賃借物を転貸したりすることはできず、違反した場合には貸主が契約解除を検討できる規定があります。
一方、国土交通省の賃貸住宅に関するQ&Aでも、無断転貸があれば常に機械的に解除できるというわけではなく、貸主との信頼関係を破壊するほどの行為だったかという考え方が示されています。 国土交通省
そのため、
「知らない人を見た」
↓
「無断転貸だ」
↓
「今日中に退去してください」
と進めるのではなく、
契約確認 → 事実確認 → 入居者への確認 → 書面化 → 改善状況の確認
という順番が重要です。
今回は、埼玉県を中心に賃貸物件を所有するオーナー様へ、無断転貸・又貸し、名義貸し、無断同居の違い、発覚したときの確認方法、契約解除を検討する前に確認したいことまで詳しく解説します。
■そもそも「無断転貸・又貸し」とは?
簡単にいうと、
借主が貸主の承諾なく、借りている部屋の全部または一部を第三者へ使わせること
です。
例えば、
Aさんがオーナー様から部屋を借りる
↓
AさんがBさんへその部屋を貸す
↓
Bさんが実際に生活する
というケースです。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書でも、
借主は貸主の書面による承諾を得ず、賃借権を譲渡または転貸してはならない
という内容が示されています。 国土交通省
■「賃借権の譲渡」と「転貸」は何が違う?
似ていますが、考え方が違います。
賃借権の譲渡
借主としての地位そのものを、
Aさん
↓
Bさん
へ移すようなケースです。
転貸
オーナー様との契約者はAさんのまま、
Aさん
↓
Bさんへ部屋を貸す
という関係です。
一般的には、
又貸し
と呼ばれることもあります。
どちらも貸主の承諾が問題になります。
■契約者ではない人が住んでいたら全部「又貸し」?
いいえ。
ここを混同しないことが重要です。
例えば、
契約者本人も住んでいる
+ 恋人が一緒に住み始めた
という場合は、
第三者へ部屋そのものを貸している
というより、
同居人が増えた
という問題になる可能性があります。
一方、
契約者本人はすでに別の場所へ転居
+ 知人だけが部屋を使用
+ 知人から毎月お金を受け取っている
という状況なら、転貸が疑われます。
まず実際の居住状況を確認しましょう。
■恋人が週末に泊まりに来るだけでも違反?
通常、
一度泊まった
数日遊びに来た
というだけで直ちに無断転貸とは判断できません。
問題になりやすいのは、
ほぼ毎日生活している
郵便物が届いている
荷物が大量にある
継続的に寝泊まりしている
など、
実質的に同居している状態
です。
この場合でも、
無断転貸なのか
無断同居なのか
を分けて考えます。
■無断同居なら問題ない?
契約内容によります。
賃貸借契約では、
入居者
同居人
入居人数
を特定していることがあります。
国土交通省の標準契約書でも、契約時に記載していない同居人を新たに追加する場合について、貸主の承諾を必要とする契約例が示されています。 国土交通省
そのため、
転貸には当たらない
↓
何も問題ない
とは限りません。
契約書の同居人に関する条項も確認しましょう。
■契約者と同居人の違いを整理する
契約者は、
貸主と賃貸借契約を結んでいる人
です。
一般的に、
家賃支払い
契約上の義務
解約手続き
などについて責任を負います。
同居人は、
契約者と一緒に住むことを承認された人
です。
同居人だからといって、
契約者と同じ立場になるわけではありません。
スマイファミリーHPでは、契約者変更・同居人追加について借主側の手続きも詳しく解説しています。
埼玉の賃貸で契約者や同居人が変わるときは?名義変更・同居人追加の手続きを解説
■家族が増えた場合も承諾が必要?
状況によります。
例えば、
結婚して配偶者が同居する
親を呼び寄せる
成人した子どもが戻ってくる
などの場合があります。
契約上、
同居人追加に承諾が必要
とされているなら、管理会社などへの届出・確認が必要になる可能性があります。
ただし、
子どもの出生
などについては契約上別の取扱いになっている場合があります。
実際の賃貸借契約書を確認しましょう。
■単身限定物件で2人暮らしを始めた場合は?
単身者限定として貸している物件では、
同居人を増やせない
可能性があります。
例えば、
1K
単身者限定
入居者1名
として契約した後、
交際相手と実質的な二人暮らし
になっている場合です。
この場合は、
又貸し
というより、
契約上認められていない同居
が問題になる可能性があります。
■契約者が完全に住んでいない場合は?
転貸を疑う重要なポイントです。
例えば、
契約者へ連絡
↓
「私はもうそこには住んでいません。友人が使っています」
という状態です。
さらに、
家賃相当額を友人から受け取っている
という場合には、転貸の可能性がより高くなります。
ただし、
契約者が長期出張中
家族だけが住んでいる
など、別の事情がある場合もあります。
事実を確認しましょう。
■「友達に無料で貸している」なら転貸ではない?
お金を受け取っているかどうかだけで、問題が決まるとは限りません。
契約者本人が部屋の使用を実質的に第三者へ任せている場合、
賃借権譲渡・転貸に該当するか
を確認する必要があります。
「お金を取っていないから何をしてもいい」
とは考えない方がよいでしょう。
■名義貸しとは?
例えば、
実際に住む人はBさん
↓
しかし審査を通すためAさん名義で契約
↓
最初からAさんは住まない
というケースです。
これは、
契約時から申込内容と実態が異なる
可能性があります。
審査では、
誰が住むのか
誰が家賃を払うのか
が重要です。
申込者と実際の入居者が違う場合は、契約内容を確認する必要があります。
■法人契約でも実際の入居者が変わることはある
社宅として法人契約している物件では、
入居社員Aさん
↓
入居社員Bさん
へ変更したい場合があります。
法人が契約者だから、
どの社員を自由に入居させてもよい
とは限りません。
法人契約でも、
入居者変更について貸主・管理会社への届出や承認
が必要な場合があります。
契約内容を確認しましょう。
■民泊・短期宿泊に使われている場合は?
例えば、
契約者が部屋をほとんど使わず、
短期間ごとに第三者が出入りしている
という場合があります。
この場合、
転貸
使用目的違反
宿泊利用
など複数の問題を確認する必要があります。
さらに民泊などの宿泊事業には、賃貸借契約とは別の法令や管理規約等が関係する場合があります。
「短期だから転貸ではない」
と自己判断せず、状況を整理しましょう。
■SNSやインターネットで部屋が募集されていたら?
入居者が、
SNS
掲示板
宿泊サイト
などへ物件を掲載している場合があります。
掲載ページが確認できた場合は、
URL
掲載日
掲載内容
スクリーンショット
などを記録しておく方法があります。
ただし、
掲載されている
=
実際に転貸している
と即断するのではなく、本人へ確認する材料として使います。
■近隣入居者から「知らない人が住んでいる」と連絡が来たら?
まず、
誰が
いつ
どのくらいの頻度で
どのような状況を確認したのか
を聞きます。
例えば、
「毎晩違う人が来る」
のか、
「同じ人を毎朝見る」
のかでも状況は違います。
苦情を受けた段階で、
「あの部屋は又貸しです」
と決めつけないようにしましょう。
■郵便受けの名前が違っていた場合
契約者とは違う名前が、
郵便受け
宅配便
表札
などに出ている場合があります。
これも確認材料の一つにはなります。
しかし、
家族
婚姻による名字変更
仕事用名義
などの可能性もあります。
複数の情報を合わせて確認します。
■電気・水道の名義が違うことは証拠になる?
一つの確認材料になる場合はありますが、それだけで転貸と断定できるとは限りません。
例えば家族名義で公共料金を契約している場合もあります。
オーナー様が取得できる情報にも制限があります。
無理に個人情報を集めるのではなく、まず契約者本人へ確認しましょう。
■本人へ直接確認する
転貸が疑われる場合は、
契約者本人へ連絡
します。
例えば、
「現在の入居状況について確認したいことがあります」
「契約書に登録されていない方の居住が確認されています」
など、確認できている事実をもとに話します。
最初から、
「違法な又貸しをしていますね」
と決めつけないようにしましょう。
■本人が「友達が泊まっているだけ」と答えたら?
さらに、
どのくらいの期間か
本人も居住しているか
友人の住所は別にあるか
荷物はどの程度あるか
などを確認する場合があります。
ただし、
私生活を必要以上に調べる
のではなく、賃貸借契約上必要な範囲で確認することが重要です。
■本人が「もう住んでいない」と認めた場合
この場合は、
現在誰が住んでいるのか
いつから住んでいるのか
なぜ変更したのか
金銭のやり取りはあるのか
を確認します。
そして現在の契約書にある、
賃借権譲渡
転貸
同居人
使用目的
などの条項と照らし合わせます。
■無断転貸ならすぐ契約解除できる?
ここは慎重な判断が必要です。
民法上、貸主の承諾なく賃借権の譲渡・転貸を行った場合には、貸主が契約解除を検討できる規定があります。
しかし裁判例では、
無断転貸があればどんな事情でも必ず解除できるわけではなく、貸主への背信行為と認めるに足りない特別な事情がある場合には解除できない
という考え方が示されています。
国土交通省の賃貸住宅トラブルQ&Aでも、この考え方が説明されています。 国土交通省
そのため、
「第三者が住んでいる」
↓
「即日解除」
ではなく、実際の事情を整理する必要があります。
■信頼関係が壊れているかが重要になる
例えば、
契約者本人が完全に退去
長期間第三者だけが使用
貸主へ何も連絡していない
注意後も転貸を継続
など、契約関係を続けることが難しい事情が重なれば、対応は厳しくなる可能性があります。
一方、
家族事情による一時的な利用
本人も居住を継続
すぐに是正された
など、事情はさまざまです。
実際に解除・明渡しを進める場合は、必要に応じて弁護士など専門家へ相談しましょう。
■まず契約書の「禁止・制限事項」を見る
賃貸借契約書で確認したいのは、
・賃借権譲渡
・転貸
・同居人追加
・入居者変更
・使用目的
・事業利用
・民泊等の禁止
・長期不在時の届出
・契約解除条項
などです。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書でも、禁止・制限行為を具体的に定める形式が採用されています。 国土交通省
■契約書に「転貸禁止」がなければ自由?
そうとは限りません。
賃貸借契約には民法上のルールも関係します。
一方で、
具体的にどの行為が契約違反となるのか
を明確にするためにも、契約書に、
転貸
入居者変更
同居人追加
などの扱いを分かりやすく記載しておくことがトラブル予防につながります。
■無断転貸を電話注意だけで終わらせない
事実確認の結果、
契約違反の可能性が高い
となった場合は、
いつ確認したか
本人が何と説明したか
何を改善するよう求めたか
回答期限
改善期限
などを記録します。
必要に応じて、
メール
書面
管理システム
などでも残します。
後から、
「そんな話は聞いていない」
となることを防ぎやすくなります。
■改善を求めるときは何を求める?
状況によりますが、
無断同居なら、
正式な同居人追加手続き
を案内できる場合があります。
無断転貸なら、
第三者利用の停止
契約者本人の居住状況確認
などを求める場合があります。
すべてのケースで、
即退去
とするのではなく、契約内容と違反内容に応じて判断します。
■同居人として正式に追加すれば解決できることもある?
あります。
例えば、
契約者本人は現在も住んでいる
交際相手が同居を開始
物件は二人入居可能
というケースです。
貸主として問題がなければ、
本人確認
入居審査
同居人追加届
などを行い、正式に承認する方法があります。
ただし、
単身限定
人数制限
などがある物件では認められない可能性があります。
■第三者を新しい契約者へ変更する方法は?
オーナー様が承諾する場合でも、
「名前を書き換えて終わり」
とは限りません。
新しい契約者について、
本人確認
収入
勤務先
保証会社
などの審査が必要になる可能性があります。
さらに、
現在の契約を解約
↓
新しい契約を締結
という方法になる場合もあります。
契約上の取扱いを管理会社へ確認しましょう。
■保証会社へも連絡が必要?
契約者・入居者が変わる場合は、
保証会社との契約
にも影響する可能性があります。
例えば、
Aさんの家賃を保証する契約
があるからといって、
Aさんが退去した後にBさんの家賃まで自動的に保証される
とは限りません。
契約変更前に保証会社の取扱いを確認しましょう。
■火災保険も確認する
実際に住んでいる人が契約内容と違う場合、
火災保険などの契約情報
も確認が必要になる可能性があります。
名義変更・入居者変更を正式に行う場合は、
保証会社
火災保険
緊急連絡先
など関連契約も一緒に整理しましょう。
■無断転貸中でも家賃が払われていれば放置していい?
おすすめできません。
毎月家賃が振り込まれているからといって、
実際に誰が住んでいるか分からない
状態を放置すると、
設備故障
火災
近隣トラブル
緊急時
退去
などで連絡関係が複雑になります。
例えば第三者が設備修理を依頼してきても、
その人が正式な入居者か分からない
という問題が起こります。
■近隣トラブルにもつながる
転貸によって実際の居住者が変わると、
契約時に説明した、
ごみ出し
駐輪場
騒音
共用部分
などのルールが伝わっていない可能性があります。
その結果、
「知らない人が頻繁に出入りして怖い」
「ごみ出しルールを守らない」
といったクレームにつながる場合があります。
■外国籍の第三者が住んでいたら、それだけで転貸?
もちろん違います。
国籍によって転貸かどうかを判断するものではありません。
確認するのは、
契約者本人との関係
承諾された入居者か
実際の使用状況
です。
外国籍だから無断転貸と決めつけるのではなく、契約関係を確認します。
■親族だから無断転貸ではない?
親族でも自動的に問題がなくなるわけではありません。
例えば、
契約者は別宅へ転居
↓
兄弟だけが賃貸住宅に居住
という場合があります。
親族であっても、
実際に誰が借りて使用している状態なのか
を確認する必要があります。
■合鍵を使って室内確認していい?
自己判断で入室することは避けましょう。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、貸主が物件の保存に必要な行為をする場合でも、原則として借主へ通知し、承諾を得て立ち入る考え方が示されています。緊急時などは例外があります。 国土交通省
「又貸しの証拠を探したい」
という理由だけで合鍵を使って入るのは避けます。
■鍵を勝手に交換して締め出していい?
避けるべき対応です。
契約違反が疑われても、
鍵を交換する
荷物を外へ出す
電気・水道を止める
など、自力で明渡しを実現しようとする対応は大きなトラブルにつながります。
契約解除や明渡しが必要なら、適切な手続きを取ります。
■契約者ではない人から家賃を受け取っていたら?
例えば毎月、
契約者Aさんではなく
居住者Bさん名義
で家賃が入っている場合があります。
振込名義が違うことだけで転貸と断定はできません。
家族が代理で支払っている場合もあるためです。
ただし、
契約者本人と連絡が取れない
+ 第三者のみ居住
+ 第三者から家賃が継続入金
などが重なれば、詳しい確認が必要です。
■オーナーが黙認し続けるとどうなる?
問題を把握しながら長期間何も対応しないと、
後から、
「ずっと知っていたはず」
「認めてもらったと思っていた」
という主張が出る可能性があります。
そのため、
問題を確認したら放置せず、
現在の状況
オーナーの認識
必要な手続き
を明確にすることが重要です。
■承諾する場合は口頭だけで終わらせない
例えば、
同居人追加を承諾
親族への入居者変更を承諾
などをする場合は、
誰を承諾したのか
いつからか
どの条件か
を書面で整理しておくと安心です。
国土交通省の標準契約書でも、転貸などについて書面による承諾を前提とする形が示されています。 国土交通省
■解除を検討する前に整理する資料
無断転貸が疑われる場合は、
・賃貸借契約書
・入居申込書
・登録されている同居人
・本人確認履歴
・本人との連絡記録
・近隣からの相談記録
・管理会社の巡回記録
・本人の説明
・注意書面
・改善期限
・改善後の状況
を整理します。
感情的に、
「契約違反だから出ていってほしい」
と進めるより、事実関係を整理することが重要です。
■管理会社へ任せるメリット
自主管理物件では、
事実確認
契約者への電話
近隣対応
書面作成
改善確認
をオーナー様自身が行うことになります。
契約違反の指摘は感情的なトラブルになりやすいため、
管理会社を通して対応
することで直接対立を避けやすくなる場合があります。
スマイファミリーHPでは、入居者対応・契約更新・退去対応など管理会社へ委託できる業務について詳しく解説しています。
埼玉で賃貸管理会社を探すオーナー様へ|管理業務の内容と選び方を解説
■管理会社にも「誰が住んでいるか」を共有する
入居時の情報が古いままでは、
管理会社も現在の居住者を把握できません。
特に長期入居では、
結婚
離婚
独立
同居開始
などで家族構成が変わる可能性があります。
更新時だけでなく、変更が分かった段階で情報を更新する管理体制が重要です。
■定期巡回だけで無断転貸を防げる?
完全には防げません。
ただし、
郵便受け
共用部分
ごみ出し
駐輪場
などから、
入居状況の変化
へ気付くことがあります。
重要なのは、
巡回で見つけた情報だけを理由に処分する
のではなく、本人へ確認することです。
■契約更新は入居状況を確認する機会
賃貸契約の更新時には、
電話番号
勤務先
緊急連絡先
同居人
などを確認できる場合があります。
例えば、
契約書上は一人暮らし
↓
更新書類では配偶者がいる
と分かる場合があります。
情報変更があれば、必要な手続きを行います。
■新規契約で無断転貸を防ぐには?
契約時から、
借主
同居人
入居人数
を明確にします。
さらに、
転貸禁止
賃借権譲渡禁止
同居人追加時の届出
長期不在時の届出
用途制限
などを契約書で明確にしておくことが重要です。
国土交通省の標準契約書は、こうした禁止・制限事項を具体的に整理する参考になります。 国土交通省
■入居者全員の氏名を確認する
ファミリー・カップルなど複数人で入居する場合は、
契約者だけ
ではなく、
誰が同居するのか
を確認します。
国土交通省の賃貸住宅トラブルQ&Aでも、複数人が居住する契約では、誰が借主で誰が同居人かを特定することが重要だと説明されています。 国土交通省
■「友人と住みます」を曖昧にしない
二人入居の場合でも、
契約者
同居人
を明確にします。
また、
ルームシェア可なのか
家族・カップルのみなのか
物件条件によって異なります。
募集条件と契約条件を一致させることが重要です。
■又貸しを認めるなら正式な転貸契約が必要?
オーナー様が転貸を承諾するケースもあります。
ただし、
一般的な居住用賃貸借
と、
転貸を前提とする契約
では管理方法が異なります。
誰が、
貸主
借主
実際の居住者
なのかを明確にし、必要に応じて専門家へ契約内容を確認してもらいましょう。
■サブリースと無断転貸は同じではない
サブリースは、
所有者
↓
サブリース会社
↓
入居者
という転貸の仕組みを、所有者との契約・承諾のもとで行うものです。
そのため、
借主が勝手に友人へ部屋を貸す無断転貸
とは異なります。
「転貸」という言葉だけで同じものと考えないようにしましょう。
■退去・明渡しへ進む場合
契約解除が適切に成立し、退去することになった場合は、
退去日
鍵返却
残置物
家賃精算
原状回復
敷金精算
なども整理します。
契約者本人がすでに住んでいない場合、
誰が荷物を所有しているのか
が問題になる可能性もあります。
第三者の荷物をオーナー様判断で処分することは避けましょう。
■退去後の原状回復も契約者との関係で整理する
第三者が実際に傷を付けたとしても、
貸主との賃貸借契約は誰との契約なのか
を確認します。
契約者へ請求できる範囲や保証会社の取扱いなども含めて整理する必要があります。
一般的な解約・退去・原状回復の流れについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
埼玉の賃貸を退去するときは?解約連絡の期限・立会い・費用を解説
■無断転貸が疑われたときの確認順序
オーナー様は、次の順序で整理すると対応しやすくなります。
1.現在の賃貸借契約書を確認する
2.契約者・登録同居人を確認する
3.第三者居住について確認できた事実を整理する
4.契約者本人へ現在の居住状況を確認する
5.無断同居なのか転貸なのかを整理する
6.必要な手続き・改善内容を伝える
7.電話だけでなく記録を残す
8.期限を決めて改善状況を確認する
9.保証会社・管理会社への連絡要否を確認する
10.解除・明渡しを検討する場合は専門家へ相談する
ポイントは、
「知らない人がいる」から「即退去」へ飛ばないこと
です。
■よくある質問
Q. 契約者以外が住んでいたら無断転貸ですか?
必ずではありません。同居人の追加、一時的な宿泊、家族の居住などの場合もあります。契約者本人の居住状況や第三者との関係を確認してください。
Q. 無断転貸は禁止されていますか?
民法では、借主は原則として貸主の承諾なく賃借権を譲渡・転貸できないとされています。国土交通省の標準契約書でも、書面承諾のない譲渡・転貸を禁止する例が示されています。 国土交通省
Q. 無断転貸が分かったらすぐ解除できますか?
常に機械的に解除できるとは限りません。裁判例では、貸主との信頼関係を破壊するほどの行為だったかなども判断要素とされます。実際に契約解除を進める場合は専門家への相談も検討してください。 国土交通省
Q. 恋人が一緒に住み始めたら又貸しですか?
契約者本人も居住している場合は、転貸ではなく同居人追加の問題になる可能性があります。ただし単身限定物件などでは契約違反になることがあります。
Q. 家族なら勝手に住まわせてもいいですか?
契約内容によります。同居人追加について貸主承諾や届出を求める契約もあるため、管理会社へ確認してください。
Q. 契約者が住まず、友人だけが住んでいる場合は?
無断転貸・賃借権譲渡などが疑われる状況です。本人へ事実確認し、契約内容と照らし合わせて対応してください。
Q. 家賃が毎月払われていれば放置していいですか?
おすすめできません。誰が実際に住んでいるか分からない状態は、設備故障・緊急時・近隣トラブル・退去などで問題になる可能性があります。
Q. 又貸しを調べるため合鍵で部屋へ入っていいですか?
自己判断での入室は避けましょう。貸主の立入りにも制限があります。緊急時などを除き、適切な手続きを取ってください。 国土交通省
Q. 無断転貸なら鍵を交換できますか?
入居者を締め出す目的で一方的に鍵を交換するなどの自力救済は避け、解除・明渡しが必要なら適切な手続きを進めます。
Q. 同居人として正式に登録すれば住み続けられますか?
物件条件とオーナー様の判断によります。本人確認や入居審査、保証会社手続きなどが必要になる場合があります。
Q. オーナーが転貸を認めることもできますか?
契約内容を整えたうえで承諾するケースはあります。ただし、誰が契約者・実際の居住者なのかを明確にし、管理・保証・保険なども確認する必要があります。
■無断転貸は「見つけたら退去」ではなく、契約と事実を分けて確認する
無断転貸が疑われると、
「知らない人が住んでいる」
「契約違反だからすぐ出てもらいたい」
と考えるオーナー様もいらっしゃると思います。
しかし実際には、
同居人追加
家族の一時的な居住
契約者変更
無断転貸
名義貸し
など、状況は異なります。
だからこそ、
契約書を確認する
→ 現在の入居者を確認する
→ 契約者本人へ事実確認する
→ 違反内容を整理する
→ 改善を求める
→ 記録を残す
→ 改善されなければ次の対応を検討する
という順番が重要です。
そして、無断転貸を防ぐには、
問題が起きた後の対応だけではなく、
契約時に「誰が借主で、誰が住むのか」を明確にしておくこと
が大切です。
入居者情報の更新、同居人追加の手続き、定期的な管理を行い、
契約書上の入居者と実際に暮らしている人が一致している状態を維持すること
が、家賃滞納・近隣トラブル・緊急時対応などのリスクを抑えることにつながります。
埼玉・東京・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬で、無断転貸・又貸し・無断同居などの入居者対応や賃貸管理にお悩みのオーナー様は、スマイファミリーへお気軽にご相談ください。
