
賃貸のエアコンは設備?残置物?故障・修理・交換費用を契約前に確認
賃貸物件を内見すると、室内にエアコンが設置されていることがあります。
そのため、
「エアコン付きだから壊れたら大家さんが直してくれる?」
「残置物って書いてあるけど普通のエアコンと何が違う?」
「古いエアコンを新しいものへ交換してもらえる?」
「自分で好きなエアコンを取り付けてもいい?」
「入居後すぐ故障したら誰が払う?」
「退去するときは置いていってもいい?」
と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
重要なのは、部屋にエアコンが付いていることと、そのエアコンが賃貸借契約上の「設備」であることは必ずしも同じではないという点です。
前の入居者が設置したエアコンが、そのまま室内に残されている場合もあります。
このようなものが「残置物」として扱われ、貸主による修理・交換の対象外とする条件になっているケースがあります。
一方、賃貸借契約上の設備としてエアコンが設置されている場合は、故障の原因や契約内容によって貸主側で修理する場合があります。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書でも、貸主には賃貸住宅の使用に必要な修繕を行う義務があるという基本的な考え方が示されています。民法606条でも、借主の責任で修繕が必要になった場合を除き、賃貸人は賃貸物の使用・収益に必要な修繕を行う義務を負うとされています。
今回は、埼玉県内で賃貸物件を探している方へ、エアコンの「設備」と「残置物」の違い、故障時の修理、交換、退去時の取り扱いについて解説します。
■まず「設備」と「残置物」を確認する
賃貸住宅に最初から設置されているものでも、契約上の扱いは同じとは限りません。
例えば室内に、
・エアコン
・照明器具
・ガスコンロ
・温水洗浄便座
・カーテン
・冷蔵庫
などが残っていることがあります。
その中には貸主が賃貸住宅の設備として設置しているものもあれば、以前の入居者が退去時に残したものもあります。
実際にスマイファミリーの既存記事でも、エアコンなどについて「貸主の設備か残置物か」を契約書・重要事項説明書・設備表などで確認することを案内しています。
見た目だけでは判断できません。
内見時に付いていたからという理由だけで、
「当然、設備扱いだろう」
と考えないようにしましょう。
■「設備」として付いているエアコンとは?
契約書や重要事項説明書、設備表などで、貸主側の設備としてエアコンが記載されている場合があります。
例えば、
「エアコン1基」
「冷暖房設備あり」
などです。
この場合、通常の使用で故障したときには、契約内容や故障原因を確認したうえで、貸主・管理会社側で修理や交換を行うケースがあります。
民法では、賃貸人は原則として使用・収益に必要な修繕義務を負うとされています。
ただし、借主が故意・過失によって故障させた場合まで、貸主が必ず費用を負担するという意味ではありません。
例えば、
・物をぶつけて破損した
・自分で分解して故障させた
・不適切な使用によって壊した
などの場合は、借主側の費用負担が問題になる可能性があります。
故障した場合は、自分で修理業者を呼ぶ前に管理会社へ連絡しましょう。
■「残置物」のエアコンとは?
実務上、前の入居者などが設置したまま退去し、そのまま室内へ残されているものが残置物として扱われることがあります。
例えば、
前の入居者が自分で購入したエアコン
↓
退去時に撤去しなかった
↓
貸主が室内へ残すことを認めた
↓
次の入居者が希望すれば利用できる
というようなケースです。
この場合、契約条件によっては、
「使用してもよいが、貸主は修理・交換を行わない」
という取り扱いになることがあります。
しかし、残置物なら必ず借主が修理する、という全国一律のルールがあるわけではありません。
物件ごとの契約内容を確認することが重要です。
■残置物なら無料でもらえる?
「残置物=借主の所有物になる」
とも限りません。
自由に使用できても、
・勝手に処分できない
・交換前に貸主の承諾が必要
・退去時の扱いが決められている
場合があります。
例えば故障した残置エアコンを、
「壊れたから捨てよう」
と借主だけで判断して撤去すると、契約条件と異なる可能性があります。
不要な場合や故障した場合は、管理会社へ確認しましょう。
■設備か残置物かはどこで確認する?
まず確認したいのは、
・賃貸借契約書
・重要事項説明書
・設備表
・募集図面
・特約
などです。
特に設備表では、
「設備」
「残置物」
「性能保証なし」
などの記載がないか確認します。
分からなければ契約前に、
「このエアコンは設備ですか?残置物ですか?」
と不動産会社へ聞いて問題ありません。
むしろ、入居してから初めて知るより契約前に確認した方が安心です。
■内見時にエアコンがあっても入居前に撤去されることがある
内見したときに設置されていたエアコンが、入居時にも残るとは限りません。
例えば、
・前入居者の所有物
・貸主が入居前に撤去予定
・故障しているため撤去予定
などの場合があります。
スマイファミリーのオーナー向け既存記事でも、内見時にあったエアコンなどが入居時に撤去されると、申込者との認識違いにつながる可能性があることを扱っています。
エアコンを物件選びの重要条件にしている方は、
「入居時にも残りますか?」
まで確認しましょう。
■エアコン付き物件なら何台付いている?
「エアコン付き」と書かれていても、すべての居室に設置されているとは限りません。
例えば2LDKで、
リビング:エアコンあり
洋室1:なし
洋室2:なし
という場合もあります。
ファミリー向け物件では特に、
・何台設備として付いているか
・どの部屋に付いているか
・追加設置できるか
を確認しましょう。
入居後に2台追加すると、機器代と工事費が必要になります。
■古いエアコンなら交換してもらえる?
「製造から年数が経っている」
という理由だけで、新しいエアコンへの交換が必ず行われるとは限りません。
現在正常に動作しており、契約上利用できる状態であれば、そのまま使用する物件もあります。
一方、
・正常に冷えない
・正常に暖まらない
・異音がする
・故障している
などの不具合がある場合は、管理会社へ相談しましょう。
交換するか修理するかは、故障状況、設備の年数、部品供給などを確認して貸主側が判断する場合があります。
■「古いから電気代が心配」という場合
エアコンの省エネ性能を重視する方もいます。
古い機種だからという理由だけで交換を要求できるとは限りませんが、内見時に、
・メーカー
・型式
・製造年
などを確認できる場合があります。
型式が分かれば、メーカーの情報などから仕様を調べられることもあります。
ただし、型式ラベルを無断で剥がしたり、機器を分解したりしてはいけません。
■入居初日にエアコンが動かなかったら?
入居後、設備として設置されているエアコンが動かない場合は、できるだけ早く管理会社へ連絡しましょう。
まず確認できる内容として、
・リモコンの電池
・ブレーカー
・設定温度
・運転モード
などがあります。
それでも動かない場合は、
「いつから動かないか」
「どのような症状か」
「エラー表示があるか」
を伝えると状況を説明しやすくなります。
入居直後から故障している場合は、写真や動画などで記録しておく方法もあります。
■夏にエアコンが壊れたらすぐ交換してもらえる?
故障が確認されたとしても、その日のうちに新品へ交換できるとは限りません。
例えば、
・修理業者の手配
・部品の在庫
・メーカー確認
・貸主の承認
・交換機種の手配
・工事日程
などが必要になる場合があります。
特に夏の繁忙期には、修理・交換業者の予約が混み合うことも考えられます。
異常を感じたら完全に動かなくなるまで放置せず、早めに管理会社へ連絡しましょう。
■自分で勝手に修理業者を呼んでもいい?
原則として、貸主の設備については自己判断で工事や交換を行わない方が安心です。
法務省が説明する民法改正のルールでは、賃借人が貸主へ修繕の必要を通知し、貸主が相当期間内に必要な修繕をしない場合や、急迫の事情がある場合には、賃借人が修繕できる仕組みがあります。
しかし、
「エアコンが壊れたから好きな業者へ依頼し、後から大家さんへ請求すればよい」
と単純に考えることは避けた方がよいでしょう。
まずは管理会社へ連絡し、
・修理方法
・業者
・費用負担
を確認しましょう。
■自分で新しいエアコンへ交換したい場合
設備として付いているエアコンを、
「もっと省エネ性能の高い機種にしたい」
「スマートフォン対応機種にしたい」
という理由で借主が自由に撤去・交換できるとは限りません。
設備は貸主の所有物である可能性があります。
交換したい場合は、
・既存エアコンを撤去してよいか
・誰が保管するか
・新しいエアコンの所有者
・退去時に元へ戻すか
・設置工事の条件
などを確認しましょう。
■エアコンがない部屋へ自分で取り付けられる?
これも物件によって異なります。
エアコンを新しく取り付けるには、
・エアコン用コンセント
・配管用の穴
・室外機置場
・電気容量
などが必要です。
既存の配管穴がない場合に、借主が勝手に外壁へ穴を開けることは避けましょう。
外壁は建物そのものです。
必ず貸主・管理会社へ確認します。
■エアコン用コンセントがあれば必ず設置できる?
コンセントがあるだけでは判断できない場合があります。
例えば、
・室外機を置く場所がない
・配管ルートを確保できない
・建物外観上の制限がある
・管理規約で工事方法が決まっている
ことがあります。
特に分譲マンションの賃貸では、貸主だけでなくマンション管理規約が関係する場合があります。
設置前に確認しましょう。
■室外機はどこに置く?
内見時には室内機だけでなく、室外機の位置も確認してみましょう。
一般的には、
・バルコニー
・共用廊下側
・専用スペース
・屋上など指定場所
に設置されている場合があります。
追加エアコンを設置する場合、室外機を置くスペースがなければ工事が難しいことがあります。
ファミリー物件で複数台の設置を予定している方は特に確認しましょう。
■穴があるから勝手に使っていい?
既存のエアコン配管穴があっても、工事前には管理会社へ確認する方が安心です。
工事中に、
・壁
・配管
・電気設備
・外壁
などを傷つける可能性があります。
また、工事業者が共用廊下やバルコニーを使用する場合、管理上のルールがあることもあります。
■エアコンクリーニングは誰がする?
日常的な清掃として、
・フィルター掃除
・外側の清掃
などは入居者が行うことがあります。
一方、内部を分解する専門的なクリーニングについては、勝手に依頼する前に契約内容や管理会社への確認が必要になる場合があります。
特に設備として付いているエアコンを業者が分解する場合、万が一故障した際の責任問題につながる可能性があります。
専門業者へ依頼する場合は管理会社へ確認しておくと安心です。
■フィルターを掃除しないと故障の原因になる?
フィルターへ大量のほこりがたまると、効率が低下することがあります。
メーカーが案内する通常のお手入れは定期的に行いましょう。
ただし、
・内部の分解
・洗浄液の使用
・電装部分への作業
などは、自分で無理に行わない方がよい場合があります。
設備を壊してしまうと、修理費負担が問題になる可能性があります。
■水が漏れてきた場合
エアコンから水が漏れている場合は、放置しないようにしましょう。
水漏れによって、
・壁紙
・床
・家具
・家電
などへ被害が広がる可能性があります。
運転を止め、管理会社へ連絡します。
水が大量に漏れている場合は、可能な範囲で受け皿やタオルなどを使い、周囲への被害を広げないようにします。
自分で本体を分解することは避けましょう。
■変な音やにおいがする場合
エアコンから、
・普段と違う大きな音
・焦げたようなにおい
・異常な振動
などを感じた場合は、使用を続けず管理会社へ相談しましょう。
特に電気的な異常が疑われる場合は、安全を優先します。
単なるフィルター汚れなのか設備故障なのかを、入居者だけで判断することは難しい場合があります。
■リモコンが壊れた場合も確認する
エアコン本体だけでなく、リモコンも設備の一部として貸与されている場合があります。
紛失したり壊したりした場合は、
「市販のリモコンを買えばいい」
と自己判断せず管理会社へ確認しましょう。
純正品が必要な場合や、退去時に元のリモコン返却を求められる場合があります。
■自分の不注意で壊した場合
民法606条では、借主の責任によって修繕が必要となった場合については、貸主の修繕義務の例外とされています。
例えば、
・室内機へ物をぶつけた
・リモコンを破損した
・無断で分解した
・不適切な工事で故障させた
などの場合です。
故障原因によって費用負担が異なる可能性があるため、正確に状況を伝えましょう。
■「壊れたので家賃を払わない」は避ける
設備が故障して生活に支障が出ると、
「エアコンが使えないなら家賃を払わなくていいのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、自分だけの判断で家賃を支払わないことは避けましょう。
設備の故障によって賃料の取り扱いが問題になる場合もありますが、故障状況、使用できない範囲、契約内容などによって判断が必要になります。
まず管理会社へ連絡して対応を相談しましょう。
■家具付き・家電付き物件ではさらに確認
家具家電付き物件では、
・エアコン
・冷蔵庫
・洗濯機
・テレビ
・電子レンジ
などが置かれている場合があります。
すべてが同じ扱いとは限りません。
「設備として修理対象」なのか「使用できる残置物」なのかを、それぞれ確認することが重要です。
家電付きという表示だけでは、故障時の対応まで分からないことがあります。
■退去時に自分で取り付けたエアコンはどうする?
入居後に自費でエアコンを取り付けた場合、退去時に撤去を求められる可能性があります。
国土交通省の賃貸住宅関連資料でも、一般型の契約では借主が造作した設備について、退去時に撤去する考え方が示されています。
ただし、実際の取り扱いは契約内容や貸主との合意によって異なります。
例えば、
・借主が撤去する
・貸主が引き取る
・残置物として残すことを認める
などがあります。
「新しいエアコンだから置いていけば喜ばれるだろう」
と自己判断しないようにしましょう。
■エアコンを外した穴はどうする?
自分で取り付けたエアコンを撤去する場合、配管穴や設置跡の処理について確認が必要になる場合があります。
室内機を固定したビス穴や配管穴などについて、退去時の原状回復方法を管理会社へ確認しましょう。
工事業者へ撤去を依頼する場合も、建物を傷つけないように作業してもらうことが大切です。
■前の部屋からエアコンを持っていく場合
現在住んでいる部屋で自分が購入したエアコンを、新居へ移設したい方もいます。
その場合は、新居側で、
・取り付け可能か
・電圧が合うか
・エアコン用コンセントがあるか
・室外機を置けるか
・配管穴があるか
を確認しましょう。
取り外し+運搬+再設置費用を考えると、新品購入と大きく変わらない場合もあります。
移設業者へ見積もりを取って比較しましょう。
■エアコンが物件選びで重要なら申込み前に確認する
特に夏や冬に入居する場合、エアコンは生活に直結する設備です。
申込み前に、
・エアコンは何台あるか
・設備か残置物か
・正常に動作するか
・製造年や状態
・故障時の修理負担
・追加設置できるか
・室外機置場
・配管穴
・エアコン用コンセント
などを確認しておくと安心です。
単に募集図面の、
「エアコンあり」
という一言だけで判断しないことがポイントです。
■内見時に確認したいエアコンのポイント
内見するときは、エアコンについて次の点を確認してみましょう。
・設置台数
・設置されている部屋
・設備か残置物か
・本体の外観
・リモコンの有無
・室外機
・追加設置できそうな場所
・専用コンセント
・配管穴
・契約書や設備表の記載
実際に運転確認できるかどうかは物件によって異なります。
無断で設備を操作せず、担当者へ確認しましょう。
■埼玉県で設備条件まで確認して賃貸物件を探したい方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内のお部屋探しについてご相談を承っています。
「エアコン付きの物件を探したい」
「全部屋にエアコンを設置したい」
「内見した部屋のエアコンが残置物か知りたい」
「古いエアコンが付いていて少し不安」
「自分のエアコンを持ち込みたい」
「設備の故障時に誰が修理するのか確認したい」
このような場合も、家賃や間取りだけでなく、設備表や契約条件を確認しながら物件をお探しします。
室内にエアコンが付いていても、
貸主設備なのか、残置物なのかによって故障時の取り扱いが異なる場合があります。
大切なのは、
「付いているから大丈夫」と判断せず、契約する前に設備としての扱いを確認することです。
特にエアコンを生活上欠かせない設備として考えている方は、設置台数、追加設置の可否、修理負担まで確認しておきましょう。
埼玉県でエアコンなどの設備条件まで確認しながら賃貸物件をお探しの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
