
テナントの電気容量は足りる?動力・三相200V・ブレーカーを契約前に確認
飲食店、美容室、サロン、オフィス、クリニック、倉庫、作業場などのテナントを探すとき、
「電気は使えるから問題ない」
「前も店舗だったから設備をそのまま入れられる」
「200Vがあるから業務用機器も使える」
「ブレーカーを大きくすれば何とかなる」
と思って物件を決めてしまうことがあります。
しかし、テナントでは電気が通っていることと、予定している設備をすべて使用できることは別です。
例えば、
・業務用エアコン
・厨房機器
・大型冷蔵庫、冷凍庫
・製氷機
・美容機器
・コンプレッサー
・ポンプ
・工作機械
・複数台のパソコンやサーバー
などを使用する場合、設備に応じた電源や容量が必要になることがあります。
東京電力エナジーパートナーでも、商店や飲食店などで大型エアコンなどの動力機器を利用する事業者向けに、標準電圧200V・三相3線式の動力プランを案内しています。
今回は、東京・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬でテナント・事業用物件を探している方へ、契約前に確認したい電気容量、動力、三相200V、分電盤などについて解説します。
■テナントで「電気容量」を確認する理由
店舗や事務所では、住宅よりも多くの電気設備を同時に使用することがあります。
例えば飲食店なら、
・業務用エアコン
・冷蔵庫
・冷凍庫
・製氷機
・食器洗浄機
・電子レンジ
・炊飯器
・照明
・レジ
・換気設備
などを同時に使用する場合があります。
美容室なら、
・エアコン
・ドライヤー
・給湯設備
・美容機器
・照明
・洗濯機
などです。
室内にコンセントがたくさんあっても、建物から供給できる電力や契約容量が不足していれば、希望する設備をそのまま使用できない場合があります。
物件を見るときは、
「コンセントがあるか」だけではなく「必要な電力を確保できるか」
まで確認することが大切です。
■100Vと200Vは何が違う?
店舗で使用する電気設備には、100Vで動くものと200Vで動くものがあります。
一般的なコンセントで使用する機器には100Vのものが多くあります。
一方、
・業務用エアコン
・大型設備
・一部の厨房機器
・一部の業務用機械
などでは200V電源を使用する製品があります。
ただし、
「200Vならすべて同じ」ではありません。
200Vにも単相200Vと三相200Vなどがあり、使用する機器によって必要な電源方式が異なります。
設備を購入する前に、メーカー仕様書などで確認しましょう。
■単相200Vと三相200Vは違う
ここはテナント探しで特に間違えやすい部分です。
物件に「200Vあり」と書かれていても、
単相200Vなのか
三相200Vなのか
によって使用できる設備が異なります。
東京電力の低圧電力では、標準電圧200V・三相3線式で電気を供給する仕組みが案内されています。商店や工場などでモーター等の動力を使用する場合などを想定した契約です。
そのため、
「200Vが来ています」
という説明だけで判断せず、
「単相ですか?三相ですか?」
まで確認しましょう。
■「動力」とは?
テナント募集で、
「動力あり」
「動力引込済み」
「三相200Vあり」
などと記載されていることがあります。
一般的に事業用物件でいう「動力」は、モーターを使用する大型設備などに使われる三相200Vの電源を指して使われることがあります。
例えば、
・業務用エアコン
・コンプレッサー
・ポンプ
・一部の厨房機器
・一部の工作機械
などです。
ただし、実際に必要な電源は機器ごとに異なります。
「業務用だから全部動力」
というわけではありません。
導入予定の機器について、メーカーや電気工事業者へ確認しましょう。
■「動力あり」ならすぐ使える?
必ずしもそうではありません。
募集図面に「動力あり」と記載されていても、
・現在契約されているか
・以前は使われていたが現在停止しているか
・何kWまで利用できるか
・分電盤まで配線されているか
・希望する場所まで電源があるか
などを確認する必要があります。
さらに、以前の店舗では十分な容量でも、新しい店舗で設備を増やすと不足する可能性があります。
例えば、
前店舗:小規模カフェ
新店舗:大型厨房設備を使用する飲食店
では、同じ「飲食店」でも必要な電力が異なる可能性があります。
■前のテナントが使えていたから大丈夫?
これも自己判断しない方がよいポイントです。
以前の店舗が美容室だったからといって、新しく開業する美容室でも同じ設備構成になるとは限りません。
例えば、
前店舗
セット面2席
エアコン1台
ドライヤー2台
新店舗
セット面6席
大型エアコン2台
ドライヤー6台
美容機器複数台
では、使用する電力量が異なります。
同じ業種でも、
・店舗規模
・座席数
・機器の台数
・営業時間
・設備仕様
によって必要容量は変わります。
■電気容量はどこを見れば分かる?
内見時には分電盤を見ると、現在の設備について確認できる情報があります。
ただし、分電盤を見ただけで、
「この店舗なら必要な設備を全部使える」
と判断するのは難しい場合があります。
確認したい内容として、
・主幹ブレーカー
・分電盤
・回路数
・単相100V
・単相200V
・三相200V
・動力盤
・現在の契約内容
などがあります。
写真を撮れる場合は、貸主や管理会社の許可を得たうえで、電気工事業者へ見てもらう方法もあります。
■アンペアが大きければ何でも使える?
住宅では「30A」「40A」など、アンペア数を確認することがあります。
テナントでは、単純なアンペア数だけでは判断できない場合があります。
電気契約には、
・A(アンペア)
・kVA
・kW
などが出てくることがあります。
また、電灯と動力で契約が分かれる場合もあります。
大型設備を導入する店舗では、
「今何Aですか?」
だけではなく、
使用する機器を一覧にして、必要な容量を電気工事業者へ計算してもらう
方が確実です。
■ブレーカーを交換すれば容量を増やせる?
ブレーカーだけ大きくすれば電気容量を増やせるとは限りません。
電気容量を増やすには、
・建物への引込設備
・幹線
・電線
・分電盤
・メーター
・建物全体の供給容量
などが関係する可能性があります。
例えば、室内側で大きな容量が必要でも、建物全体として追加容量を確保できなければ増設が難しいことがあります。
そのため、
「契約してから容量を上げればいい」
と考えるのではなく、契約前に確認しましょう。
■建物全体の電気容量も関係する
ビルや複合テナントでは、建物全体で利用できる電力に限りがある場合があります。
例えば新しい店舗で大きな電力を使用したくても、
「建物側に余裕がない」
というケースがあります。
その場合、
・幹線工事
・受電設備工事
・建物側の設備変更
など、大きな工事が必要になる可能性があります。
また、貸主が工事を認めない場合もあります。
契約前に、
「必要容量まで増設できますか?」
と確認しましょう。
■電気容量を増やす工事は誰が払う?
テナントの営業に必要な容量を増設する場合、借主負担となるケースがあります。
ただし、契約や工事内容によって異なります。
確認したいのは、
・誰が工事費を負担するか
・貸主の承諾が必要か
・指定業者があるか
・退去時に元へ戻す必要があるか
・増設した設備を残せるか
です。
数万円程度の工事で済む場合もあれば、設備条件によっては大きな費用になる可能性があります。
内装予算に電気工事費も入れておきましょう。
■電気工事は勝手にしていい?
賃貸テナントでは、借主が自由に建物設備を変更できるとは限りません。
例えば、
・分電盤交換
・配線工事
・幹線工事
・外部からの電源引込
・壁や天井への配線
などを行う場合は、貸主や管理会社の承諾が必要になる可能性があります。
ビルによっては指定工事業者が決められていることもあります。
工事見積もりを取る前に、
「どの範囲を借主側で工事できるのか」
を確認しましょう。
■業務用エアコンは特に確認
テナントでは、業務用エアコンの電源確認が重要です。
東京電力も、商店・飲食店などで大型エアコン等の動力機器を使用する事業者向けに、三相200Vの動力プランを案内しています。
例えば、
・既存エアコンを使う
・新しいエアコンへ交換する
・エアコンを増設する
場合で必要条件が変わることがあります。
特にスケルトン物件では、空調設備そのものを新しく設置するケースがあります。
その場合は、
・機器の電源
・室外機設置場所
・電気容量
・配管経路
まで確認しましょう。
■飲食店は設備一覧を先に作る
飲食店の場合は、契約前に使用予定機器を一覧にすると確認しやすくなります。
例えば、
・冷蔵庫
・冷凍庫
・製氷機
・食器洗浄機
・電子レンジ
・オーブン
・IH機器
・換気設備
・エアコン
・照明
などです。
それぞれの機器について、
・電圧
・消費電力
・台数
を確認します。
ガス機器を中心にするのか、電気機器を中心にするのかによっても必要容量は変わります。
厨房業者・電気工事業者と相談しながら設備計画を作りましょう。
■美容室・サロンも電気を使う
美容室やサロンでは、飲食店ほど大型厨房設備はなくても、複数の電気機器を同時使用する場合があります。
例えば、
・ドライヤー
・ヘアアイロン
・エアコン
・給湯設備
・洗濯機、乾燥機
・美容機器
・照明
などです。
特にドライヤーなどを複数台同時使用する場合は、回路を分ける必要が出る可能性があります。
コンセントの数だけではなく、回路構成も電気工事業者へ確認すると安心です。
■クリニック・歯科・医療系も事前確認
クリニックや歯科などでは、一般的なオフィスとは異なる設備を導入する場合があります。
設備によっては専用電源が必要になることがあります。
例えば、
・医療機器
・滅菌設備
・コンプレッサー
・画像診断機器
・空調
などです。
医療機器メーカーから必要な電源条件を確認し、それを物件側で確保できるか調べましょう。
■ジム・フィットネス店舗の場合
フィットネス施設では、トレーニングマシンそのものは電源を必要としないものもありますが、
・ランニングマシン
・空調
・照明
・音響
・シャワー設備
・給湯設備
などで電気を多く使用する場合があります。
特に大型空調を長時間使用する店舗では、電気契約と設備容量を確認しておくことが重要です。
■倉庫・作業場では機械の仕様を確認
貸倉庫や作業場で、
・コンプレッサー
・工作機械
・電動設備
・ポンプ
・大型換気設備
などを使う場合もあります。
機械によって必要な電源が異なるため、
「倉庫だから動力があるだろう」
とは判断できません。
以前作成した貸倉庫・作業場の記事ともここを分けて、今回は電源そのものの確認が主題になります。
■一般事務所なら動力はいらない?
一般的な小規模オフィスでは、
・パソコン
・プリンター
・照明
・家庭用に近いエアコン
などが中心の場合もあります。
その場合、三相200Vの動力が必要ないケースもあります。
ただし、
・大型複合機
・サーバー
・多数のパソコン
・大型空調
などを使用する場合は確認した方がよいでしょう。
設備構成によって判断します。
■コンセントを増やせば解決するとは限らない
コンセントが少ない場合、増設工事を検討することがあります。
しかし、コンセントを増やしても電源容量そのものが増えるわけではありません。
同じ回路へ大量の機器を接続すると、ブレーカーが落ちる可能性があります。
重要なのは、
・コンセント数
・回路数
・電気容量
を分けて考えることです。
■延長コードで大型設備を使わない
店舗開業時にコンセントが足りないからといって、大容量機器を安易に延長コードやタコ足配線で使用することは避けましょう。
機器メーカーが指定する電源条件を守ることが重要です。
大型機器では専用回路を求められる場合があります。
内装工事の段階で必要なコンセントと回路を設計しましょう。
■分電盤の位置も重要
店舗レイアウトを考える際は、分電盤の位置も確認します。
例えば、
・厨房
・客席
・バックヤード
・受付
・機械設置場所
まで配線を延ばす必要がある場合があります。
電気配線工事では、天井・壁・床などの工事が必要になることがあります。
スケルトン物件なら比較的自由に設計できる場合がありますが、居抜きでは既存内装を壊さなければならない可能性があります。
■電気メーターが店舗ごとに分かれている?
ビルによっては、電気料金の請求方法も異なります。
例えば、
・電力会社と直接契約
・貸主や管理会社がまとめて契約
・子メーターで使用量を計測し管理会社から請求
などがあります。
そのため、
「電力会社を自由に選べるか」
も物件によって異なる可能性があります。
契約方法と料金請求方法を確認しましょう。
■電気代は設備容量だけで決まらない
容量を大きくすると、契約内容によって基本料金へ影響する場合があります。
東京電力の動力プランでも、基本料金は契約電力を基準に設定され、使用した電力量に応じた料金が加わる料金体系となっています。
つまり、
「大きな容量を確保しておけば安心」
だけではなく、
実際に必要な容量を計算して契約することも大切です。
具体的な契約内容については、利用する電力会社や電気工事業者へ確認しましょう。
■工事費だけでなく毎月の電気料金も確認する
開業時の電気工事費に目が行きがちですが、営業開始後は毎月電気料金が発生します。
特に、
・大型空調
・冷凍冷蔵設備
・長時間営業
・24時間営業
・大量の業務用機器
などがある店舗では、電気料金が事業コストに大きく影響する場合があります。
事業計画を作成するときは、
賃料
共益費
人件費
電気代
ガス代
水道代
などを含めて考えましょう。
■内装業者だけでなく設備業者にも相談する
テナント内見では、デザインや内装だけを見てもらうのではなく、必要に応じて電気工事業者などにも現地を確認してもらうと安心です。
確認してもらいたい内容として、
・現在の電気容量
・希望容量まで増設できるか
・動力の有無
・分電盤
・必要回路数
・配線工事
・工事費概算
などがあります。
物件によっては、貸主や管理会社の承諾を得てから専門業者を現地へ入れる必要があります。
■物件申込み前に確認した方がいい理由
気に入ったテナントを見つけると、
「まず申し込んでから設備を確認しよう」
と考えることがあります。
しかし、契約後に、
「必要な動力を引けない」
「容量を増やせない」
「設備工事に想定以上の費用がかかる」
と判明すると、開業計画そのものに影響する可能性があります。
特に設備依存度の高い業種では、申込みから契約までの段階で確認しましょう。
■契約前に整理したい設備一覧
不動産会社や電気工事業者へ相談する前に、使用予定設備を整理しておくと確認しやすくなります。
例えば、
・設備名
・メーカー
・型式
・電圧
・消費電力
・台数
・同時使用するか
・設置場所
です。
まだ機種を決めていない場合でも、
「業務用冷蔵庫2台」
「大型エアコン3台」
など、大まかな計画を伝えましょう。
■テナント内見時の電気チェック項目
テナントを内見するときは、次の内容を確認しましょう。
・現在の電気容量
・電灯契約
・動力契約
・単相200V
・三相200V
・分電盤
・動力盤
・ブレーカー
・回路数
・コンセント位置
・設備ごとの専用回路
・容量増設の可否
・幹線工事の可否
・貸主承諾
・指定工事業者
・工事費負担
・退去時の原状回復
専門知識が必要な部分については、現地で自己判断せず専門業者へ確認しましょう。
■電気だけでなくガス・給排水も一緒に確認する
店舗設備は電気だけで動くとは限りません。
特に飲食店、美容室、クリニックなどでは、
・ガス容量
・給水
・排水
・給湯
・換気
・ダクト
も重要です。
電気容量が十分でも、ガスや排水が不足すれば希望する営業ができない場合があります。
設備全体をセットで確認しましょう。
■東京・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬でテナントをお探しの方へ
スマイファミリー大宮店では、東京・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬で、店舗・テナント・事業用・事務所・オフィス・倉庫などの物件探しについてご相談を承っています。
「業務用エアコンを複数台設置したい」
「三相200Vが使えるテナントを探したい」
「厨房機器をたくさん使う予定」
「美容室開業で電気容量が足りるか確認したい」
「機械を使用できる作業場を探している」
「契約前に電気工事業者と現地確認したい」
このような場合も、事業内容、使用設備、必要な広さ、希望エリア、工事内容、開業時期などを確認しながら物件をお探しします。
テナントでは、
「電気が来ている」
「200Vがある」
「動力あり」
という情報だけでは、予定している設備をすべて使用できるか判断できません。
契約してから電気容量不足が分かることを防ぐためにも、使用予定の設備を整理し、必要に応じて電気工事業者と現地確認を行うことが大切です。
東京・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬で、電気設備まで確認しながらテナント・事業用物件をお探しの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
