
賃貸物件の空室が埋まらない原因は?家賃を下げる前に確認したい募集改善策
賃貸物件を募集しているものの、なかなか問い合わせや申し込みが入らず、空室期間が長引くことがあります。
空室が続くと、「家賃が高いのではないか」「すぐに値下げした方がよいのではないか」と考えるオーナー様もいらっしゃると思います。
しかし、空室の原因は家賃だけとは限りません。
物件写真、募集条件、初期費用、設備、内見方法、情報の公開状況など、さまざまな要素が影響します。
原因を整理しないまま家賃を下げると、収益を減らしても反響が改善しない可能性があります。
今回は、埼玉県で賃貸物件を所有するオーナー様へ、空室が埋まらない主な原因と、家賃を下げる前に確認したい募集改善策について解説します。
■空室が埋まらない原因は一つではない
空室が長引いている場合、最初に確認したいのは「どの段階で止まっているか」です。
入居者募集は、大きく次の段階に分けられます。
1.物件情報が公開される
2.入居希望者が物件情報を見る
3.問い合わせる
4.内見する
5.申し込む
6.入居審査を受ける
7.契約する
物件情報を見られていない場合と、内見はあるのに申し込みが入らない場合では、必要な対策が異なります。
例えば、物件ページの閲覧自体が少ない場合は、募集条件や写真、情報公開の範囲などに原因があるかもしれません。
問い合わせはあるものの内見につながらない場合は、入居可能日や初期費用、案内方法を確認する必要があります。
内見数は多いのに申し込みが入らない場合は、室内の状態や競合物件との違いが影響している可能性があります。
まずは感覚だけで判断せず、反響数、内見数、申し込み数を確認しましょう。
■周辺相場と家賃が合っているか
家賃は、入居希望者が物件を比較するときの重要な条件です。
ただし、同じ市区町村、同じ沿線、同じ間取りというだけで、適正家賃を判断できるとは限りません。
家賃を比較するときは、次のような条件を確認します。
・最寄り駅
・駅からの距離
・築年数
・構造
・階数
・専有面積
・間取り
・日当たり
・設備
・室内の状態
・周辺環境
・募集時期
・初期費用
・更新時の費用
家賃が相場より高くても、設備や立地などに明確な強みがあれば選ばれる可能性があります。
一方、家賃が相場内でも、初期費用や月額費用を含めた総負担が大きいと、比較の段階で候補から外れることがあります。
家賃単体ではなく、入居者が実際に負担する総額で比較することが大切です。
■共益費や月額費用も確認する
物件検索では、家賃だけでなく、共益費や管理費を含めた毎月の支払額が確認されます。
さらに、物件によっては次のような月額費用があります。
・駐車場代
・月額保証料
・24時間サポート費用
・定額水道料
・インターネット利用料
・町会費
・その他の付帯サービス費用
家賃を抑えていても、月額費用を合計すると競合物件より高くなる場合があります。
それぞれの費用が必要な理由と、見直せる項目がないか確認しましょう。
■初期費用が高くなっていないか
入居希望者は、毎月の家賃だけでなく、契約時に必要となる初期費用も比較しています。
一般的な初期費用には、次のような項目があります。
・敷金
・礼金
・前家賃
・日割り家賃
・仲介手数料
・保証会社の初回保証料
・火災保険料
・鍵交換費用
・退去時クリーニング費用
・24時間サポート費用
・消毒費用
・その他の契約時費用
同程度の物件が並んだとき、初期費用の差が申し込みの判断に影響することがあります。
ただし、敷金や礼金をなくせば必ず決まるわけではありません。
契約条件や退去時のリスクも考慮しながら、どの費用を調整できるか検討する必要があります。
■物件写真で魅力が伝わっているか
入居希望者が最初に確認するのは、物件情報に掲載された写真です。
実際の部屋に魅力があっても、写真が暗い、枚数が少ない、同じ場所ばかり掲載されていると、問い合わせにつながらない可能性があります。
確認したい写真は次のとおりです。
・建物の外観
・居室全体
・キッチン
・浴室
・トイレ
・洗面所
・収納
・玄関
・バルコニー
・眺望
・エントランス
・共用部分
・駐車場や駐輪場
・周辺環境
写真を撮影するときは、室内を明るくし、床や設備が分かる角度から撮影します。
前の入居者の荷物や工事道具などが写っている写真よりも、清掃や工事が完了した状態の写真を使用した方が、入居後の生活を想像しやすくなります。
■間取り図と募集情報は正確か
物件写真だけでなく、間取り図や登録情報の正確さも重要です。
設備があるのに登録されていない場合、検索条件に該当せず、物件が表示されない可能性があります。
次のような情報を確認しましょう。
・間取り
・専有面積
・築年月
・構造
・階数
・方角
・バス・トイレの仕様
・独立洗面台
・室内洗濯機置場
・エアコン
・インターネット環境
・オートロック
・宅配ボックス
・駐車場や駐輪場
・ペットや楽器の条件
・入居可能日
誤った情報を掲載すると、内見後や契約前のトラブルにつながる可能性もあります。
設備や条件を変更した場合は、募集情報も更新しましょう。
■募集情報が十分に公開されているか
物件情報を一部の不動産会社や媒体だけに掲載していると、入居希望者の目に触れる機会が少なくなる可能性があります。
どの媒体に掲載されているかだけでなく、他の不動産会社が入居希望者へ紹介できる状態になっているかも確認が必要です。
確認したい内容は次のとおりです。
・募集情報を掲載している媒体
・物件情報の公開範囲
・他社からの問い合わせへの対応
・内見方法
・鍵の手配方法
・最新の空室状況
・募集条件変更後の反映状況
募集条件を変更しても、各媒体の情報が古いままでは効果を確認できません。
変更内容が正しく反映されているか確認しましょう。
■問い合わせへの対応が遅れていないか
入居希望者は、一つの物件だけに問い合わせているとは限りません。
複数の物件を比較しながら、内見先を決めていることがあります。
問い合わせへの回答に時間がかかると、他の物件へ進んでしまう可能性があります。
特に次の内容をすぐ回答できる状態にしておくことが大切です。
・現在も募集しているか
・内見できるか
・入居可能日はいつか
・初期費用はいくらか
・契約条件に変更がないか
・ペットや外国籍などの相談が可能か
・保証会社や必要書類
・駐車場の空き状況
貸主への確認が必要な項目についても、連絡方法や判断基準を整理しておくと対応しやすくなります。
■内見しにくい状態になっていないか
入居希望者が物件に興味を持っても、内見日程が限られている、鍵の手配に時間がかかるなどの事情があると、他の物件を先に見て決めてしまうことがあります。
次の点を確認しましょう。
・当日や翌日の内見に対応できるか
・鍵をどこで受け取るか
・管理会社の営業時間外に案内できるか
・内見前の連絡が必要か
・室内の電気が使用できるか
・清掃や工事が完了しているか
・室内に残置物がないか
内見しやすい環境を整えることは、申し込みの機会を増やすために重要です。
■室内に入ったときの印象を確認する
写真を見て内見につながっても、室内の印象が悪いと申し込みにはつながりません。
空室期間が長い部屋では、定期的な換気や清掃が必要になることがあります。
主な確認項目は次のとおりです。
・室内に臭いがないか
・排水口から臭いが上がっていないか
・ほこりや虫の死骸がないか
・照明が点灯するか
・水回りが汚れていないか
・エアコンなどの設備が古く見えないか
・カーテンレールや建具に不具合がないか
・共用部分が清掃されているか
・郵便受けにチラシがたまっていないか
室内だけでなく、建物の入口、廊下、階段、ゴミ置場なども入居希望者に見られています。
管理状況が伝わる部分も確認しましょう。
■競合物件と比べた強みがあるか
入居希望者は、家賃や間取りが近い複数の物件を比較します。
そのため、「この物件を選ぶ理由」が伝わることが重要です。
例えば、次のような特徴が強みになる可能性があります。
・駅から近い
・インターネットを利用できる
・宅配ボックスがある
・独立洗面台がある
・収納が広い
・角部屋
・日当たりがよい
・ペットを相談できる
・外国籍や高齢者などの相談が可能
・初期費用を抑えられる
・早期入居に対応できる
設備を新しく追加するだけでなく、現在ある特徴を正しく伝えることも空室対策になります。
物件の強みが募集図面や掲載文章に反映されているか確認しましょう。
■設備投資は需要を確認してから行う
空室対策として、設備の交換やリフォームを検討することがあります。
しかし、高額な設備を追加しても、周辺の入居者層に求められていなければ、費用に見合う効果が得られない可能性があります。
設備投資を行う前に、次の内容を確認しましょう。
・想定する入居者層
・周辺物件の設備
・内見者からの意見
・工事費用
・家賃へ反映できる金額
・投資額を回収するまでの期間
・工事中に募集を継続できるか
・交換後の維持費
設備の追加だけでなく、古く見える水栓や照明、建具などを整えることで、印象が改善する場合もあります。
大規模な工事を決める前に、優先順位を整理しましょう。
■家賃を下げる前にできる対策
家賃の値下げは空室対策の一つですが、最初から唯一の方法として考える必要はありません。
家賃を変更する前に、次のような対策を検討できます。
・物件写真を撮り直す
・募集文章を見直す
・設備情報を正しく登録する
・初期費用を調整する
・一定期間の家賃を無料にする
・入居可能な条件を見直す
・内見方法を改善する
・室内や共用部分を清掃する
・古い設備の一部を交換する
・募集情報の公開範囲を確認する
例えば、恒久的に家賃を下げる代わりに、一定期間のフリーレントを設定する方法もあります。
ただし、フリーレントや条件変更には、短期解約時の取り扱いなどを含めた契約条件の整理が必要です。
■家賃を下げた場合の影響も考える
家賃を下げる場合は、問い合わせ数だけでなく、賃貸経営全体への影響を考える必要があります。
例えば、月額家賃を5,000円下げると、1年間では6万円の収入差になります。
長期間入居した場合、その差はさらに大きくなります。
一方、空室を長く続ければ、その期間の家賃収入は得られません。
そのため、値下げをするかどうかは、次の内容を比較して判断します。
・現在の空室期間
・値下げ前後の想定家賃
・周辺の募集状況
・値下げによって見込める反響
・空室が続いた場合の損失
・入居後の想定契約期間
・修繕や設備投資に必要な費用
「家賃を下げないこと」と「収益を守ること」が、必ずしも同じとは限りません。
空室期間と将来の収入を含めて判断することが大切です。
■募集条件を変更した後は効果を確認する
空室対策を行った後は、一定期間ごとに反響を確認します。
確認したい内容は次のとおりです。
・物件ページの閲覧数
・問い合わせ数
・内見数
・内見後の反応
・申し込み数
・申し込みに至らなかった理由
・競合物件の募集条件
・成約した周辺物件の条件
複数の条件を一度に大きく変更すると、どの対策が効果につながったのか分かりにくくなります。
反響を確認しながら、次の改善策を考えましょう。
■管理会社から定期的な報告があるか
空室期間が長引いているにもかかわらず、募集状況の報告がない場合は、現在の活動内容を確認する必要があります。
管理会社や募集を依頼している不動産会社へ、次の内容を確認しましょう。
・どの媒体へ掲載しているか
・問い合わせは何件あったか
・内見は何件あったか
・入居希望者からどのような意見があったか
・申し込みに至らなかった理由
・周辺の競合物件はどのような条件か
・今後どのような改善を行うか
「反響がありません」という報告だけでは、次の対策を判断できません。
数字や実際の意見を確認し、改善内容を共有することが大切です。
■埼玉県で空室対策や賃貸管理にお悩みのオーナー様へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に、埼玉県内の賃貸管理や入居者募集についてご相談を承っています。
「募集を始めてから空室が長引いている」
「家賃を下げるべきか判断できない」
「問い合わせや内見の状況が分からない」
「現在の募集条件を見直したい」
「物件の写真や掲載内容を改善したい」
「管理会社の変更を検討している」
このような場合も、現在の募集条件、周辺相場、初期費用、掲載状況、室内の状態などを確認しながら、空室の原因を整理します。
空室対策は、家賃を下げることだけではありません。
入居希望者が物件を知り、問い合わせ、内見し、申し込むまでの各段階を確認することで、優先して改善すべき内容が見えてきます。
埼玉県で賃貸物件の空室対策、入居者募集、賃貸管理、管理会社の見直しについてお悩みのオーナー様は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。