
退去前の賃貸物件は内見できない?先行申込・先行契約の違いと注意点
賃貸物件を探していると、物件情報に「退去予定」「入居中」「内見不可」などと記載されていることがあります。
気になる物件を見つけても、現在の入居者が退去するまでは室内を確認できない場合があります。
一方で、内見できるようになるまで待っていると、ほかの方から申し込みが入り、募集が終了する可能性もあります。
そのため、退去前の物件では「先行申込」や「先行契約」という方法を案内されることがあります。
ただし、先行申込と先行契約は同じものではありません。
「申し込み後に内見してから判断できるのか」「室内を見ないまま契約するのか」「キャンセルした場合に費用がかかるのか」などを確認せずに進めると、トラブルにつながる可能性があります。
今回は、埼玉県で退去前の賃貸物件を検討している方へ、内見できない理由、先行申込と先行契約の違い、申し込み前に確認したい注意点を解説します。
■退去前の賃貸物件とは?
退去前の賃貸物件とは、現在の入居者から解約の申し出があり、今後空室になる予定の物件です。
賃貸借契約では、退去日の1か月前など、契約で定められた期限までに解約を申し出ることがあります。
管理会社は退去予定を把握すると、現在の入居者が生活している段階から、次の入居者を募集することがあります。
物件情報には、次のように表示される場合があります。
・退去予定
・入居中
・内見不可
・入居可能日相談
・先行申込受付中
・先行契約のみ受付
・退去日未確定
表示方法は、不動産会社や物件情報サイトによって異なります。
気になる物件が退去前の場合は、現在の募集状況や手続き方法を不動産会社へ確認しましょう。
■退去前から募集される理由
退去後に室内を確認してから募集を開始すると、次の入居者が決まるまでの空室期間が長くなる可能性があります。
そのため、貸主や管理会社は、退去予定が分かった段階から募集を始めることがあります。
退去前から募集することで、現在の入居者が退去したあと、室内の清掃や修繕を行い、早い時期に次の入居者を迎えられる可能性があります。
特に次のような物件では、退去前に申し込みが入ることがあります。
・駅から近い物件
・築年数が浅い物件
・家賃と設備のバランスがよい物件
・ペットを飼育できる物件
・初期費用を抑えられる物件
・募集の少ない間取り
・人気の学区や地域にある物件
内見できるまで待つか、先に申し込むかは、物件の募集条件と申込者の希望によって判断します。
■退去前の物件を内見できない理由
現在の入居者が生活している部屋へ、次の入居希望者が自由に入ることはできません。
入居中の室内には、家具、家電、衣類、書類などの私物があります。
防犯やプライバシーの問題もあるため、原則として現在の入居者が退去し、管理会社が鍵を管理する状態になってから内見を行います。
現在の入居者が退去した直後でも、すぐに内見できるとは限りません。
退去後には、次のような作業が行われる可能性があります。
・室内の状況確認
・原状回復工事の見積もり
・壁紙や床の補修
・室内清掃
・設備の修理や交換
・鍵交換
・電気や水道設備の確認
退去後の室内状況によっては、内見開始日や入居可能日が当初の予定より遅れることもあります。
■先行申込とは?
先行申込とは、室内を内見できるようになる前に、入居申込書を提出する方法です。
一般的には、入居審査を先に進め、退去後に室内を確認してから契約するかどうかを判断します。
ただし、「先行申込」という言葉の意味や手続きは、不動産会社や管理会社によって異なります。
物件によっては、室内を確認したあとに最終判断できる場合があります。
一方で、審査承認後は短期間で契約手続きを求められ、内見できるまで契約を待ってもらえない場合もあります。
先行申込を行う前に、次の内容を確認しましょう。
・退去後に内見できるか
・内見後に契約するか判断できるか
・申し込みを取り下げられる期限
・審査承認後の契約期限
・申込金や預り金の有無
・キャンセル時の取り扱い
・申し込みの順位
・入居可能日の見込み
「先行申込だから、必ず内見後に自由に判断できる」と決めつけず、物件ごとの条件を確認することが大切です。
■先行契約とは?
先行契約とは、室内を内見できない状態のまま、賃貸借契約を締結する方法です。
間取り図、写真、設備資料、建物の外観、共用部分などを確認し、実際の室内を見ないまま契約を進めることがあります。
契約が成立したあとに室内を確認し、イメージと違うという理由だけで自由に契約を取り消せるとは限りません。
解約として扱われた場合は、契約書の内容に基づき、次のような費用が発生する可能性があります。
・支払い済みの礼金
・仲介手数料
・保証会社の費用
・火災保険料
・短期解約違約金
・解約予告期間分の家賃
・そのほか契約で定められた費用
実際の取り扱いは、契約内容や手続きの進行状況によって異なります。
先行契約を検討する場合は、契約前に重要事項説明を受け、契約条件や解約時の負担を十分に確認しましょう。
■先行申込と先行契約の違い
先行申込は、内見前に申し込みや審査を進める方法です。
先行契約は、内見前に賃貸借契約まで締結する方法です。
大きな違いは、室内を確認する前に契約が成立するかどうかです。
先行申込では、退去後の内見を経てから契約を判断できる場合があります。
先行契約では、室内を確認するときには契約が成立している可能性があります。
ただし、名称だけでは手続きの内容を判断できません。
「先行申込」と案内されていても、審査承認後すぐに契約を求められることがあります。
反対に、一定期間は契約を待ってもらえる場合もあります。
呼び方ではなく、どの時点で契約が成立し、いつまで申し込みを取り下げられるのか確認しましょう。
■先行申込をすれば物件を確保できる?
先行申込をしても、必ずその物件を契約できるとは限りません。
入居審査では、申込者の収入、勤務状況、入居理由、保証会社の審査、緊急連絡先などが確認されることがあります。
また、先に申し込んだ方が必ず優先されるとは限りません。
物件によっては、申し込みの受付順を重視する場合があります。
一方で、申込書類がすべて揃った順、審査が承認された順、契約開始日などの条件が合う方を優先する場合もあります。
主な確認項目は次のとおりです。
・現在の申込件数
・自分が何番目の申し込みか
・順位が確定する条件
・同時審査を行うか
・必要書類が揃っているか
・契約開始日の希望が条件に合うか
・貸主の承諾が必要か
申し込みを提出した段階では、募集が完全に終了していない場合もあります。
物件を確保できたと判断せず、不動産会社から審査や募集状況の連絡を受けましょう。
■退去後に内見してキャンセルできる?
先行申込の場合は、退去後に内見し、室内を確認したうえで申し込みを取り下げられる場合があります。
ただし、すべての物件で同じ対応になるわけではありません。
内見後の判断を認めている物件でも、回答期限が設けられることがあります。
人気物件では、内見後すぐに契約するか回答を求められる可能性もあります。
また、すでに賃貸借契約を締結している場合は、単なる申し込みの取り下げではなく、契約後の解約として扱われる可能性があります。
内見前に次の内容を確認しましょう。
・現在は申込段階か契約段階か
・内見後に取り下げられるか
・回答期限はいつか
・費用を支払う時期
・キャンセル時に返金される費用
・キャンセル時に返金されない費用
・契約成立の時期
口頭の説明だけで判断せず、申込書、預り証、重要事項説明書、賃貸借契約書などの記載も確認することが大切です。
■先行契約を検討するときの注意点
先行契約には、ほかの申込者より早く契約を進められる可能性がある一方、室内を見ないまま契約するリスクがあります。
写真や間取り図だけでは、次のような内容を正確に把握できない場合があります。
・室内の日当たり
・窓からの景色
・道路や線路からの音
・隣室や上階からの音
・室内のにおい
・壁や床の色合い
・柱や梁の出っ張り
・家具を置ける幅
・コンセントの位置
・携帯電話の電波状況
・共用廊下から室内への音
・周辺建物との距離
室内を見なければ判断できない条件を重視する方は、先行契約が適しているか慎重に検討しましょう。
■掲載写真が現在の室内とは限らない
退去前の物件では、現在の室内を撮影できないため、過去の募集時に撮影した写真が掲載されていることがあります。
同じ建物にある別の部屋の写真を、参考写真として使用している場合もあります。
同じ間取りに見えても、部屋によって次のような違いが生じる可能性があります。
・床や壁紙の色
・キッチンの仕様
・浴室や洗面台の形状
・窓の位置
・左右反転した間取り
・設備の新旧
・眺望や日当たり
・柱や梁の位置
写真に「同タイプ」「参考写真」「別号室」などと記載されていないか確認しましょう。
不動産会社へ、掲載写真が検討中の部屋を撮影したものか尋ねることも大切です。
■間取り図だけでは分からないこと
間取り図には、部屋の配置やおおよその広さが記載されています。
ただし、家具や家電を置くために必要な寸法が、すべて記載されているとは限りません。
特に確認したい箇所は次のとおりです。
・冷蔵庫置き場
・洗濯機置き場
・カーテンレール
・玄関の幅
・廊下の幅
・収納の内寸
・ベッドを置く場所
・エアコン設置位置
・コンセントの位置
・インターネット設備
退去前は室内を採寸できないことがあります。
大型の冷蔵庫、洗濯機、ベッド、ソファなどを所有している場合は、搬入できるか確認できないまま契約するリスクがあります。
管理会社に過去の採寸資料があるか、不動産会社を通して確認しましょう。
■室内設備は契約前に確認する
物件情報に掲載されている設備が、すべて賃貸借契約上の設備として修理や交換の対象になるとは限りません。
前の入居者が残したエアコン、照明器具、ガスコンロなどが、残置物として扱われる場合があります。
残置物は、故障しても貸主による修理や交換の対象にならない可能性があります。
契約前に次の内容を確認しましょう。
・エアコンの設置台数
・ガスコンロの有無
・照明器具の取り扱い
・温水洗浄便座の有無
・インターネット設備
・オートロックの有無
・宅配ボックスの利用方法
・設備と残置物の区分
広告の記載と重要事項説明書、賃貸借契約書の内容に違いがないか確認することも大切です。
■退去後の修繕内容を確認する
退去前の段階では、現在の入居者が退去したあとの室内状況が確定していません。
そのため、どこまで修繕や交換が行われるか、すぐには決められない場合があります。
退去後に汚れや破損が確認されても、すべてが新品になるとは限りません。
経年による変色や通常使用に支障のない傷などが残る可能性もあります。
先行契約をする場合は、次の内容を確認しましょう。
・室内清掃を行うか
・壁紙を全面交換するか
・床を交換または補修するか
・設備の故障があった場合の対応
・修繕後の室内を確認できるか
・入居前に傷や汚れを記録できるか
「退去後にきれいになる」という説明だけでは、具体的な仕上がりを判断できません。
修繕予定の範囲を確認し、必要に応じて書面やメールで記録を残しましょう。
■入居可能日が変わることもある
退去予定日が決まっていても、次の入居者がすぐに入居できるとは限りません。
退去後の室内確認で修理が必要になった場合は、原状回復工事に時間がかかることがあります。
部品や設備の取り寄せ、工事業者の予定などによって、入居可能日が変更される可能性もあります。
退去前の物件を申し込む場合は、次の日付を確認しましょう。
・現在の入居者の退去予定日
・内見開始予定日
・原状回復工事の予定期間
・入居可能予定日
・賃貸借契約の開始日
・家賃が発生する日
・鍵を受け取れる日
現在の住居の退去日、引っ越し業者の予約日、ライフラインの開始日などは、新居の入居日が確定してから調整することが大切です。
■現在の住居を早く解約しない
退去前の物件へ申し込んだだけで、現在の住居を先に解約することは避けましょう。
入居審査が承認されない場合や、修繕工事によって新居の入居日が遅れる場合があります。
先に現在の住居の退去日を確定すると、新居へ入居できるまで住む場所がなくなる可能性があります。
次の順番を意識しましょう。
1.新しい物件の募集条件を確認する
2.先行申込または先行契約の条件を確認する
3.入居審査を受ける
4.室内や契約条件を確認する
5.契約開始日と鍵渡し日を確認する
6.現在の住居の解約日を調整する
7.引っ越し日を決める
現在の契約に定められた解約予告期間も確認し、家賃が重複する期間を把握しましょう。
■オンライン内見で確認できる場合
物件によっては、過去に撮影した動画や360度画像を確認できる場合があります。
同じ建物の別の部屋を、参考としてオンラインで案内してもらえることもあります。
オンライン内見では、間取り図だけよりも室内のイメージを把握しやすくなります。
ただし、実際に募集されている部屋と設備や内装が同じとは限りません。
また、音、におい、日当たり、周辺環境など、画面では判断しにくい内容もあります。
オンライン内見を利用するときは、次の内容を確認しましょう。
・映像が検討中の部屋か
・映像を撮影した時期
・現在の設備との違い
・左右反転した間取りではないか
・映像に映っていない場所
・退去後に変更される設備や内装
オンライン内見だけで判断する場合も、不明点は契約前に質問しましょう。
■建物の外観や周辺環境を確認する
室内へ入れなくても、建物の外観や周辺環境を確認できる場合があります。
現地では、次のような内容を確認できます。
・駅やバス停までの道
・周辺道路の交通量
・夜間の明るさ
・近隣の店舗や施設
・ごみ置き場
・駐輪場
・駐車場
・共用廊下
・郵便受け
・建物周辺の音
ただし、無断で敷地や共用部分へ入ることは避けましょう。
オートロック内や入居者専用の場所を確認したい場合は、不動産会社へ相談してください。
可能であれば、昼間だけでなく、通勤時間帯や夜間の周辺状況も確認すると生活のイメージを持ちやすくなります。
■初期費用と契約条件も確認する
退去前の物件でも、通常の賃貸契約と同様に初期費用がかかります。
主な費用は次のとおりです。
・敷金
・礼金
・前家賃
・日割り家賃
・仲介手数料
・保証会社の費用
・火災保険料
・鍵交換費用
・室内消毒などの費用
・24時間サポート費用
室内を見られない状況では、物件を確保したいという気持ちが先行し、費用や特約の確認が不十分になることがあります。
契約前に初期費用の見積書を受け取り、不要だと思う項目や内容が分からない項目は不動産会社へ確認しましょう。
短期解約違約金、退去時のクリーニング費用、解約予告期間なども確認が必要です。
■退去前物件を申し込む前のチェック項目
退去前の賃貸物件を申し込む前に、次の内容を確認しましょう。
・先行申込か先行契約か
・現在の申込件数と申込順位
・退去後に内見できるか
・内見後に契約を判断できるか
・申し込みを取り下げられる期限
・契約が成立する時期
・キャンセル時の費用
・掲載写真が対象の部屋か
・設備と残置物の区分
・原状回復工事の予定
・入居可能日の見込み
・契約開始日と家賃発生日
・初期費用の総額
・解約時の特約
・大型家具や家電を搬入できるか
分からないまま申し込まず、不動産会社から説明を受けたうえで判断しましょう。
■埼玉県で退去前の賃貸物件をお探しの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内の賃貸物件についてご相談を承っています。
「気になる物件が退去前で内見できない」
「先行申込と先行契約の違いが分からない」
「室内を見ないまま契約してよいか悩んでいる」
「現在の申込状況を確認してほしい」
「入居日までに間に合う物件を探したい」
「条件に合う未公開物件も紹介してほしい」
このような場合も、募集状況、入居時期、申込方法、初期費用、契約条件などを確認しながら、物件探しをお手伝いします。
退去前の物件は、内見を待つ間に募集が終了する可能性がある一方、室内を確認できないまま手続きを進める注意点もあります。
先行申込か先行契約かを確認し、契約の成立時期やキャンセル時の取り扱いを理解したうえで判断することが大切です。
埼玉県で退去前の賃貸物件、先行申込、先行契約、入居時期についてお悩みの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
