
賃貸の申し込み後はキャンセルできる?契約前・契約後の違いと注意点
賃貸物件を探していると、気に入った部屋を確保するために入居申込書を提出することがあります。
しかし、申し込み後に転勤がなくなった、家族の事情が変わった、ほかの物件を契約することになったなどの理由で、キャンセルを検討する場合もあるでしょう。
その際、「審査中なら取り消せる?」「審査に通った後はキャンセル料がかかる?」「初期費用を支払った後でも返金される?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
賃貸物件のキャンセルは、申し込み前、入居審査中、審査承認後、契約成立後のどの段階にあるかによって取り扱いが異なります。
今回は、埼玉県で賃貸物件を探している方へ、申し込み後にキャンセルする場合の考え方、契約成立前後の違い、支払った費用の取り扱い、トラブルを防ぐための注意点を解説します。
■入居申し込みと賃貸借契約は同じ?
入居申し込みと賃貸借契約は、一般的に別の手続きです。
入居申し込みは、その物件を借りたいという意思を伝え、貸主や管理会社、保証会社などの審査を受けるための手続きです。
申し込み時には、主に次のような情報を提出します。
・氏名
・生年月日
・現住所
・勤務先
・雇用形態
・勤続年数
・年収や月収
・同居人
・緊急連絡先
・連帯保証人
・入居希望日
・利用する保証会社
入居申込書を提出しただけで、必ず賃貸借契約が成立するとは限りません。
審査承認後に重要事項説明を受け、契約条件を確認し、賃貸借契約書などの手続きを進めるのが一般的です。
ただし、契約がいつ成立するかは、書類への署名や押印の有無だけで一律に判断できるものではありません。
貸主と借主がどの時点で契約条件に合意したか、どのような説明や書類のやり取りがあったかなどによって判断が分かれる可能性があります。
キャンセルを検討するときは、現在どの段階にあるのか不動産会社へ確認しましょう。
■申し込み直後はキャンセルできる?
賃貸借契約が成立する前であれば、入居申し込みを撤回できる可能性があります。
例えば、申込書を提出した直後で、まだ審査を開始していない場合や、審査中で契約手続きを行っていない場合などです。
ただし、申し込み後に何も連絡せず放置することは避けましょう。
申し込みを受けた後は、貸主、管理会社、不動産会社、保証会社などが審査や契約準備を進めています。
キャンセルを決めたら、できるだけ早く担当の不動産会社へ連絡することが大切です。
連絡するときは、次の内容を伝えましょう。
・申込者の氏名
・申し込んだ物件名と部屋番号
・申し込みを取り消したいこと
・キャンセルを決めた理由
・支払済みの費用があるか
・返却が必要な書類があるか
・今後必要な手続き
電話だけでなく、メールやメッセージでも連絡を残しておくと、申し出た日時や内容を確認しやすくなります。
■入居審査中でもキャンセルできる?
入居審査中でも、賃貸借契約がまだ成立していなければ、申し込みを撤回できる可能性があります。
審査中のキャンセルを決めた場合は、審査結果を待たずに連絡しましょう。
保証会社や貸主の審査が進んでいるからといって、連絡を先延ばしにすると、契約書の作成や室内準備などがさらに進む可能性があります。
また、複数の物件へ同時に申し込む場合は注意が必要です。
物件を確保する目的で複数の申し込みを行い、審査承認後に一つ以外をすべてキャンセルすると、貸主や管理会社へ負担をかけることになります。
保証会社によっては、ほかの物件への申し込み状況を確認される可能性もあります。
原則として、実際に契約する意思のある物件へ申し込みましょう。
■審査に通った後でもキャンセルできる?
入居審査に通ったことと、賃貸借契約が成立したことは必ずしも同じではありません。
審査承認後でも契約成立前であれば、申し込みを撤回できる可能性があります。
ただし、審査承認後は、貸主がほかの入居希望者の募集を停止し、契約開始日に向けた準備を進めていることがあります。
次のような手配が始まっている場合もあります。
・賃貸借契約書の作成
・鍵交換
・室内清掃
・設備の点検
・保証会社との契約準備
・火災保険の加入準備
・入居者名簿の作成
・募集広告の停止
キャンセルできる段階であっても、決断したら早急に連絡しましょう。
「審査に通ったものの、まだ迷っている」という場合は、契約手続きを進める前に、不安に感じている条件を担当者へ確認することが大切です。
■重要事項説明を受けた後はキャンセルできる?
重要事項説明は、宅地建物取引士が物件や契約に関する重要な条件を説明する手続きです。
一般的には、賃貸借契約を締結する前に行われます。
重要事項説明を受けたという事実だけで、必ず契約が成立したと一律に判断できるわけではありません。
一方で、重要事項説明後に契約条件へ同意し、契約書への署名などを行っている場合は、契約が成立している可能性があります。
確認する内容は次のとおりです。
・重要事項説明を受けた日
・契約条件へ同意したか
・賃貸借契約書へ署名や押印をしたか
・貸主側の契約手続きが完了しているか
・初期費用を支払ったか
・契約開始日が決まっているか
・鍵を受け取っているか
自分がどの段階にいるか分からない場合は、自己判断せず、不動産会社へ契約の成立状況を確認しましょう。
■契約書に署名する前なら必ずキャンセルできる?
契約書に署名していなければ、必ず無条件でキャンセルできるとは限りません。
契約は、当事者同士の合意によって成立することがあり、署名や押印だけが成立の条件とは限らないためです。
例えば、物件、家賃、契約期間、入居日などの主要な条件について貸主と借主が合意し、双方が契約する意思を明確に示している場合は、個別の経緯を確認する必要があります。
反対に、申込書を提出しただけで、貸主の承諾を受けておらず、重要事項説明や契約条件の確認も行っていない場合は、契約成立前と考えられる可能性があります。
判断に迷う場合は、次の書類や履歴を確認しましょう。
・入居申込書
・重要事項説明書
・賃貸借契約書
・初期費用の明細書
・申込金や預り金の受領証
・不動産会社とのメール
・管理会社とのメッセージ
・電話で説明を受けた内容の記録
キャンセル料や違約金を請求された場合は、契約が成立している根拠と請求内容の内訳を確認しましょう。
■契約成立後はキャンセルではなく解約になる
賃貸借契約が成立した後に入居を取りやめる場合は、単なる申し込みのキャンセルではなく、契約の解約として扱われる可能性があります。
まだ鍵を受け取っていない場合や、一度も部屋へ入っていない場合でも、契約が成立していれば契約上の手続きが必要です。
契約書では、借主から解約する場合の予告期間が定められていることがあります。
例えば、解約日の1か月前までに申し出る条件であれば、すぐに入居を取りやめても、予告期間に相当する家賃が発生する可能性があります。
物件によっては、次のような負担が生じる場合があります。
・解約予告期間分の家賃
・契約開始日から解約日までの家賃
・短期解約違約金
・契約事務に関する費用
・実施済みの鍵交換費用
・加入済みの火災保険料
・保証会社へ支払った費用
・そのほか契約で定められた費用
実際の負担は契約内容によって異なります。
契約後に入居しないことが決まった場合は、賃貸借契約書を確認し、速やかに解約手続きを行いましょう。
■契約開始日前なら費用はかからない?
契約開始日前であっても、すでに賃貸借契約が成立している場合は、無条件で取り消せるとは限りません。
契約開始日は、家賃が発生し、部屋を使用できる期間が始まる日です。
契約が成立した日と契約開始日が異なることもあります。
例えば、9月1日に契約手続きを行い、9月15日を契約開始日としている場合、9月10日に入居を取りやめても、契約そのものはすでに成立している可能性があります。
その場合は、契約開始日前であっても、契約書に定められた解約方法や費用を確認する必要があります。
「まだ住んでいないから費用は発生しない」と判断せず、契約の成立日と解約条件を確認しましょう。
■申込金や預り金は返金される?
賃貸物件の申し込み時に、申込金、予約金、預り金などの名目で支払いを求められる場合があります。
賃貸借契約の成立前に申し込みを撤回した場合、宅地建物取引業者が受け取った申込金などは返還の対象になります。
支払いを行う場合は、必ず受領証や預り証を受け取りましょう。
確認する項目は次のとおりです。
・支払った金額
・支払った日
・支払いの名目
・受け取った会社名
・契約成立前の預り金であること
・キャンセル時の返金方法
・返金予定日
・振込手数料の取り扱い
「キャンセルした場合は返金しない」と説明されたときは、その理由と契約上の根拠を書面で確認しましょう。
契約前の申込金が返金されないなどのトラブルが解決しない場合は、消費生活センターなどへ相談する方法があります。
■初期費用を支払った後でも返金される?
初期費用を支払った後の取り扱いは、契約が成立しているか、各費用がすでに発生しているかによって異なります。
初期費用には、次のような項目が含まれることがあります。
・敷金
・礼金
・前家賃
・日割り家賃
・仲介手数料
・保証会社の初回保証料
・火災保険料
・鍵交換費用
・消毒や室内施工費用
・24時間サポート費用
すべての費用が同じ条件で返金されるとは限りません。
契約成立前であれば返金対象になる可能性がある一方、すでにサービスや施工が実施されている場合は、その費用の取り扱いについて確認が必要です。
契約成立後は、契約条件や各サービスの解約規定に基づいて精算される可能性があります。
不動産会社へ次の内容を確認しましょう。
・返金される項目
・返金されない項目
・各項目が返金されない理由
・差し引かれる費用
・返金される金額
・返金予定日
・返金方法
口頭で金額を確認するだけでなく、精算の内訳を書面やメールで受け取ると安心です。
■敷金や礼金の取り扱い
契約成立前に支払った敷金や礼金については、契約が成立しなかった場合の取り扱いを確認します。
契約成立後に解約する場合は、契約書に基づいて精算されます。
敷金は、家賃の滞納や原状回復費用などに備えて貸主へ預けるお金です。
一度も入居しておらず、家賃滞納や室内の損傷がない場合でも、解約までに発生した家賃や契約上の債務があれば、敷金から差し引かれる可能性があります。
礼金は、契約成立後には返金されない取り扱いとなっている場合があります。
名称だけで判断せず、契約書や精算書を確認しましょう。
■仲介手数料は返金される?
仲介手数料は、不動産会社が賃貸借契約の仲介を行ったことに対する報酬です。
契約が成立する前に申し込みを撤回した場合と、契約成立後に借主の都合で解約する場合では、取り扱いが異なる可能性があります。
契約成立後は、実際に入居しなかったという理由だけで、仲介手数料が必ず返金されるとは限りません。
一方、契約が成立していない場合は、仲介手数料として受け取る根拠について確認が必要です。
返金の有無だけでなく、契約が成立した時点と仲介業務が完了した時点を確認しましょう。
■保証会社の費用は返金される?
保証会社の初回保証料については、保証契約の成立状況や保証会社の規定によって取り扱いが異なります。
賃貸借契約を取りやめた場合でも、保証会社の審査や契約が完了していると、返金されない可能性があります。
確認する内容は次のとおりです。
・保証契約が成立しているか
・保証開始日はいつか
・保証料を誰へ支払ったか
・キャンセル時の返金規定
・返金手続きの窓口
・返金予定日
・事務手数料が差し引かれるか
不動産会社から返金されるのか、保証会社へ直接申請するのかも確認しましょう。
■火災保険料は返金される?
火災保険へ加入済みの場合は、保険契約の開始前か開始後かによって手続きが異なる可能性があります。
保険開始前であれば、契約の取消しや保険料の返金を受けられる場合があります。
保険開始後は、途中解約として未経過期間に応じた解約返戻金が支払われる商品もあります。
ただし、返金の有無や計算方法は保険会社や商品によって異なります。
次の内容を確認しましょう。
・保険会社名
・証券番号
・保険開始日
・保険期間
・解約方法
・返金の有無
・返金予定額
・返金先口座
賃貸物件をキャンセルしただけで、火災保険が自動的に解約されるとは限りません。
不動産会社だけでなく、保険会社や保険代理店へも確認しましょう。
■短期解約違約金を確認する
賃貸借契約には、契約開始後の一定期間内に解約した場合、短期解約違約金が発生する特約が設けられていることがあります。
例えば、1年未満の解約で家賃の一定額を支払うなどの条件です。
契約直後に入居を取りやめる場合も、契約が成立していれば短期解約に該当する可能性があります。
確認する項目は次のとおりです。
・短期解約違約金の有無
・対象となる契約期間
・違約金の金額
・家賃だけで計算するか
・共益費などを含めるか
・免除される条件があるか
・解約予告期間分の家賃も必要か
契約前に、解約予告と短期解約違約金の両方を確認しておくことが大切です。
■クーリング・オフできる?
賃貸借契約は、一般的な店舗やオンラインで手続きを行ったという理由だけで、一定期間内なら無条件で取り消せるとは限りません。
「契約した後でも数日以内ならクーリング・オフできる」と自己判断するのは避けましょう。
契約後に入居を取りやめる場合は、原則として賃貸借契約書に定められた解約手続きを確認します。
ただし、契約時の説明と実際の条件が異なる、事実と異なる説明を受けた、強引な勧誘があったなど、契約経緯に問題がある場合は別の検討が必要になる可能性があります。
契約書、重要事項説明書、募集資料、メールなどを保管し、消費生活センターや法律の専門家へ相談しましょう。
■キャンセル理由はどこまで説明する?
申し込みを取り消すときは、理由を簡潔に伝えましょう。
例えば、次のような理由が考えられます。
・転勤や就職の予定が変わった
・家族との同居が決まった
・収入状況が変わった
・入居時期が合わなくなった
・契約条件に同意できなかった
・希望していた設備や条件と異なった
・ほかの住居へ入ることになった
詳しい家庭事情や病歴など、キャンセル手続きに必要のない個人情報まで説明する必要があるとは限りません。
ただし、連絡を避けたり、事実と異なる理由を伝えたりすると、確認に時間がかかる可能性があります。
契約する意思がなくなったことと、手続きを確認したいことを明確に伝えましょう。
■キャンセルの連絡は電話だけでよい?
急いで連絡する必要がある場合は、まず電話で担当者へ伝えましょう。
その後、メールや問い合わせフォームなど、内容が残る方法でも連絡することをおすすめします。
記載する内容は次のとおりです。
・連絡した日
・申込者の氏名
・物件名と部屋番号
・申し込みを撤回する意思
・契約手続きの進行状況を確認したいこと
・支払済み費用の有無
・返金方法を確認したいこと
・書類の返却や破棄を確認したいこと
不動産会社から届いた返信も保存しておきましょう。
電話で話した場合は、担当者名、日時、説明された内容をメモしておくと安心です。
■キャンセルすると今後の審査へ影響する?
一度申し込みをキャンセルしたことだけで、今後すべての賃貸物件へ申し込めなくなるとは限りません。
ただし、同じ貸主、管理会社、不動産会社へ短期間に何度も申し込みとキャンセルを繰り返すと、契約意思を慎重に確認される可能性があります。
また、事実と異なる内容で申し込んだ場合や、連絡をせず契約手続きを放置した場合は、今後の申し込みへ影響することも考えられます。
事情が変わったときは、早めに誠実な連絡を行いましょう。
別の物件を探す場合は、前回キャンセルした理由を整理し、同じ問題が起きない条件を確認することが大切です。
■申し込む前に確認したいこと
申し込み後のキャンセルを防ぐため、入居申込書を提出する前に次の内容を確認しましょう。
・家賃と共益費
・毎月の総支払額
・初期費用
・契約開始日
・鍵を受け取れる日
・入居できる日
・契約期間
・更新料
・短期解約違約金
・解約予告期間
・保証会社の費用
・火災保険料
・付帯サービス
・設備の有無
・入居条件
・勤務先や家族との調整
不明な項目がある場合は、申し込み前に不動産会社へ確認しましょう。
「とりあえず物件を確保してから考える」という進め方は、貸主や管理会社とのトラブルにつながる可能性があります。
条件に納得し、実際に契約する意思を固めてから申し込むことが大切です。
■キャンセル時に確認するチェック項目
申し込み後にキャンセルする場合は、次の内容を確認しましょう。
・現在は審査前、審査中、審査承認後のどの段階か
・賃貸借契約は成立しているか
・重要事項説明を受けているか
・契約書へ署名や押印をしているか
・貸主側の承諾を受けているか
・契約開始日はいつか
・支払済みの費用はいくらか
・返金される項目は何か
・返金されない項目と理由
・解約予告期間
・短期解約違約金
・火災保険や保証契約の解約手続き
・鍵を受け取っている場合の返却方法
キャンセルを伝えただけで、すべての関連契約やサービスが自動的に終了するとは限りません。
必要な手続きが完了したことを確認しましょう。
■埼玉県で賃貸物件の申し込みにお悩みの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内のお部屋探しについてご相談を承っています。
「申し込む前に契約条件を整理したい」
「初期費用の内訳を確認してから決めたい」
「短期解約違約金のない物件を探したい」
「入居日や契約開始日を相談したい」
「審査や契約手続きの流れを知りたい」
「希望条件に合う物件をまとめて探してほしい」
このような場合も、家賃、初期費用、入居時期、解約条件、保証会社などを確認しながら、契約までの流れを整理します。
賃貸物件の申し込み後に事情が変わった場合は、契約の進行状況を確認し、できるだけ早く不動産会社へ連絡することが大切です。
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