
賃貸のエアコンが猛暑日に故障したら?連絡先・応急対応・修理費用を解説
気温や湿度が高い日に、賃貸住宅のエアコンが突然動かなくなることがあります。
「管理会社と修理業者のどちらへ連絡する?」
「修理費用は入居者が負担する?」
「修理が終わるまで、どのように過ごせばよい?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
特に猛暑日や熱中症警戒アラートが発表されるような日は、エアコンが使えないことが健康上の問題につながる可能性があります。
環境省や厚生労働省も、熱中症は屋外だけでなく室内でも発生する可能性があり、エアコンなどを適切に使って涼しい環境で過ごすこと、早めに水分を補給することなどを呼びかけています。
一方、賃貸物件のエアコンが故障した場合の修理費用や手続きは、エアコンが物件の設備なのか、入居者が設置したものなのか、故障原因は何かによって異なります。
今回は、賃貸住宅でエアコンが故障した場合に確認すること、管理会社への伝え方、修理費用、修理までの暑さ対策、賃料に関する注意点を解説します。
■最初にエアコンの状態を確認する
エアコンが動かない場合でも、本体が故障しているとは限りません。
安全に確認できる範囲で、次の内容を確認しましょう。
・リモコンの電池が切れていないか
・リモコンの表示が出ているか
・運転モードが冷房になっているか
・設定温度が室温より低くなっているか
・タイマーが設定されていないか
・ブレーカーが落ちていないか
・コンセントが抜けていないか
・エラーコードが表示されていないか
・フィルターが著しく汚れていないか
・室外機の周囲が物でふさがれていないか
機種によっては、運転開始から冷風が出るまで時間がかかる場合があります。
取扱説明書がある場合は、故障と思われる症状やエラーコードを確認しましょう。
■無理に分解しない
エアコンの内部や室外機を、自分で分解することは避けましょう。
電気部品や冷媒などが使用されているため、誤った作業によって感電、けが、故障の拡大につながる可能性があります。
次のような対応は、自己判断で行わないことが大切です。
・本体カバーを外して修理する
・配線を触る
・室外機を分解する
・市販部品を取り付ける
・冷媒ガスを補充しようとする
・設備のエアコンを勝手に交換する
焦げたにおい、煙、異常な音、水漏れなどがある場合は、安全を優先して運転を停止し、管理会社へ連絡しましょう。
火災の危険を感じる場合は、建物から安全な場所へ避難し、必要に応じて消防へ連絡してください。
■エアコンが物件の設備か確認する
修理を依頼する前に、エアコンが賃貸物件の設備として設置されているか確認します。
確認に使える書類は次のとおりです。
・賃貸借契約書
・重要事項説明書
・設備表
・入居時の室内確認書
・募集図面
・管理会社から受け取った書類
設備欄にエアコンと記載されている場合は、貸主側の設備として扱われる可能性があります。
一方、前の入居者が残したものを無償で使用する「残置物」として扱われている場合は、修理や交換の条件が通常の設備と異なることがあります。
名称だけで判断せず、契約書や設備表の記載を確認しましょう。
■入居者が設置したエアコンの場合
入居者が自分で購入し、設置したエアコンは、原則として入居者が修理や交換を手配することになります。
ただし、修理や交換に伴って壁、配管穴、電気設備などへ工事を行う場合は、貸主や管理会社の承諾が必要になる可能性があります。
確認したい内容は次のとおりです。
・エアコン交換の承諾が必要か
・設置できる機種や容量
・専用コンセントの有無
・電気容量
・配管穴を使用できるか
・室外機の設置場所
・工事可能な時間
・退去時に撤去する必要があるか
自己判断で工事を進めず、必要な手続きを確認してから業者へ依頼しましょう。
■最初に管理会社へ連絡する
物件の設備として設置されているエアコンが故障した場合は、原則として管理会社または貸主へ連絡します。
賃貸借契約書や入居時の案内に、設備故障の連絡先が記載されていることがあります。
連絡先として考えられるものは次のとおりです。
・管理会社
・貸主
・24時間サポート窓口
・建物の設備受付窓口
・指定された修理受付窓口
管理会社の営業時間外の場合は、緊急受付の有無を確認しましょう。
エアコン本体にメーカーの連絡先が記載されていても、物件設備の場合は、先に管理会社の確認を受けることが大切です。
■管理会社へ伝える内容
故障状況を具体的に伝えると、修理手配を進めやすくなります。
次の内容を整理して連絡しましょう。
・物件名
・部屋番号
・契約者名
・連絡先
・故障に気づいた日時
・エアコンがまったく動かないか
・風は出るが冷えないのか
・異音や異臭があるか
・水漏れがあるか
・エラーコード
・確認した操作
・エアコンのメーカー
・型番
・室内の温度
・高齢者、乳幼児、持病のある方などがいるか
猛暑時に冷房が使えず、健康への影響が心配な場合は、その状況も明確に伝えましょう。
電話だけでなく、メールや問い合わせフォームなどでも連絡し、記録を残しておくと安心です。
■写真や動画を残す
故障の状態は、写真や動画で記録しておきましょう。
記録したい内容は次のとおりです。
・エアコン本体
・リモコンの表示
・エラーコード
・水漏れしている場所
・室外機の状態
・温湿度計の表示
・焦げや変色がある部分
・床や壁に生じた被害
異音がある場合は、音が分かる動画も役立つ可能性があります。
ただし、危険を感じる状態で無理に運転を続けることは避けてください。
■自分で修理業者を呼んでもよい?
緊急の場合でも、管理会社や貸主の確認を受けずに修理業者を呼ぶと、費用を誰が負担するか問題になる可能性があります。
物件設備の修理では、貸主や管理会社が指定業者を手配することがあります。
自己判断で修理を依頼する前に、次の内容を確認しましょう。
・管理会社が業者を手配するか
・指定業者がいるか
・修理か交換か
・費用を誰が支払うか
・立替払いが必要か
・領収書や見積書を提出するか
・修理に立ち会う必要があるか
管理会社へ連絡がつかず、健康や建物に重大な危険がある場合は、まず安全な場所へ移動することを優先しましょう。
■修理費用は誰が負担する?
エアコンの修理費用は、設備の所有者、故障原因、契約内容などによって異なります。
物件の設備として設置されたエアコンが、通常の使用中に経年劣化や自然故障によって使えなくなった場合は、貸主側が修理や交換を手配する可能性があります。
一方、次のような原因がある場合は、入居者負担になる可能性があります。
・故意に壊した
・誤った使い方をした
・異常を放置して被害を拡大させた
・入居者が取り付けた部品によって故障した
・必要な清掃や管理を著しく怠った
・入居者所有のエアコンが故障した
実際の費用負担は、故障原因と賃貸借契約の内容を確認して判断されます。
修理業者から費用を請求された場合は、支払う前に管理会社へ確認しましょう。
■フィルター清掃は誰が行う?
日常的なフィルター清掃は、入居者が行う管理として求められることがあります。
フィルターにほこりがたまると、冷房効率が低下したり、水漏れや異常停止の原因になったりする可能性があります。
安全に清掃できる機種であれば、取扱説明書に従って対応しましょう。
ただし、次のような作業は専門業者への相談が必要です。
・エアコン内部の分解洗浄
・配線の修理
・冷媒ガスの補充
・室外機の修理
・高所に設置された機器の作業
・部品交換
清掃だけで改善しない場合は、運転を繰り返さず管理会社へ連絡しましょう。
■水漏れが発生した場合
エアコンから水が漏れている場合は、床や壁への被害が広がらないよう対応します。
安全にできる範囲で、次の対応を行いましょう。
・エアコンの運転を停止する
・水を受ける容器やタオルを置く
・家電製品や家具を移動する
・濡れた場所の写真を撮る
・管理会社へ連絡する
・階下への被害がないか確認する
コンセントや電気部品の近くが濡れている場合は、感電の危険があるため、むやみに触らないようにしてください。
自分で排水ホースへ器具を差し込むと、詰まりや破損を悪化させる可能性があります。
■修理までに時間がかかることもある
気温が高い時期は、エアコンの修理依頼が集中することがあります。
また、部品の取り寄せや本体交換が必要になると、すぐに復旧できない可能性があります。
管理会社へ次の内容を確認しましょう。
・修理業者からの連絡予定
・訪問予定日
・修理できる見込み
・部品の取り寄せが必要か
・交換になる可能性
・再訪問が必要か
・復旧までの目安
・修理中の対応について相談できるか
連絡を待っている間も室温が高くなる可能性があるため、暑さを我慢して室内にとどまらないことが大切です。
■修理までの暑さ対策
環境省は、熱中症を防ぐため、エアコンの効いた室内や風通しのよい日陰など、涼しい環境へ移動することを案内しています。
エアコンが使えない場合は、次のような対応を検討しましょう。
・エアコンが使える別の部屋へ移る
・家族や知人の住居へ一時的に移動する
・公共施設や商業施設など涼しい場所を利用する
・自治体が案内するクーリングシェルターなどを確認する
・直射日光をカーテンやすだれで遮る
・風通しを確保する
・扇風機やサーキュレーターを使用する
・こまめに水分を補給する
・必要に応じて塩分も補給する
・首、脇の下などを冷やす
外気温や湿度が高い場合は、扇風機だけで十分に室温を下げられないことがあります。
室温を確認しながら、危険を感じる前に涼しい場所へ移動しましょう。
■夜間も注意する
日中に上昇した室温は、日が沈んだあとも下がりにくい場合があります。
夜間や就寝中も熱中症になる可能性があるため、「夜になったから大丈夫」と判断しないことが大切です。
次の内容を確認しましょう。
・室温と湿度
・窓を開けても安全か
・寝室に風が通るか
・水分をすぐ取れるか
・家族の体調に変化がないか
・別の涼しい場所へ移動できるか
高齢者、乳幼児、持病のある方、体調が悪い方などがいる場合は、早めの移動を検討しましょう。
■熱中症が疑われる場合
暑い室内で過ごしているときに、次のような症状が現れた場合は、熱中症の可能性があります。
・めまい
・立ちくらみ
・大量の発汗
・筋肉のけいれん
・頭痛
・吐き気
・強いだるさ
・反応が鈍い
・まっすぐ歩けない
・意識がもうろうとしている
まずエアコンが効いた場所など涼しい環境へ移動し、衣服を緩めて体を冷やします。
自分で水分を飲めない、呼びかけへの反応がおかしい、意識がないなどの場合は、ためらわず救急車を呼びましょう。
症状が改善しない場合も、医療機関や救急相談窓口へ相談してください。
■扇風機だけで過ごせるとは限らない
扇風機は、風によって汗の蒸発を助けることがあります。
しかし、室温や湿度が非常に高い環境では、扇風機だけでは安全な室内環境を確保できない可能性があります。
次のような場合は、エアコンが使える場所への移動を優先しましょう。
・室温が下がらない
・夜になっても暑い
・汗が止まらない
・体調が悪い
・高齢者や乳幼児がいる
・十分に水分を取れない
・窓を安全に開けられない
「修理業者が来るまで我慢する」と考えず、自分や家族の安全を優先してください。
■ホテル代などは負担してもらえる?
エアコンが故障し、ホテルや一時滞在先を利用した場合でも、その費用を貸主や管理会社が必ず負担するとは限りません。
次のような内容によって取り扱いが異なる可能性があります。
・エアコンが契約上の設備か
・故障原因
・室内の状況
・修理までの期間
・管理会社へ連絡した日時
・代替手段の有無
・賃貸借契約の内容
・火災保険などの補償内容
一時滞在が必要と考える場合は、可能であれば利用前に管理会社へ相談しましょう。
宿泊費や交通費を支払った場合は、領収書を保管してください。
■家賃は減額される?
民法では、借りている物の一部が入居者の責任ではない理由で使用できなくなった場合に、使用できなくなった部分の割合に応じて賃料が減額されるという考え方があります。
ただし、エアコンが故障した場合に、必ず決まった金額が自動的に家賃から差し引かれるわけではありません。
確認が必要な内容は次のとおりです。
・エアコンが物件設備か
・故障原因
・使用できなかった期間
・部屋全体への影響
・修理に通常必要な期間
・契約書の記載
・管理会社へ連絡した時期
・代替設備や対応の有無
国土交通省の資料にも、設備の不具合に関する事例や、修理に通常必要な日数を考慮する考え方が示されています。
自己判断で家賃を減額して振り込むと、家賃滞納として扱われる可能性があります。
賃料について相談したい場合は、管理会社や貸主へ書面などで確認しましょう。
■連絡が遅れると対応に影響することがある
エアコンの異常に気づいたら、早めに管理会社へ連絡することが大切です。
故障したまま使い続けると、不具合が悪化したり、床や壁などへ被害が広がったりする可能性があります。
特に次のような状態は放置しないようにしましょう。
・水漏れしている
・焦げたにおいがする
・煙が出ている
・異常に大きな音がする
・ブレーカーが何度も落ちる
・室外機が動かない
・本体が異常に熱くなっている
連絡した日時、担当者名、回答内容を記録しておくと、その後の対応を確認しやすくなります。
■修理業者が訪問するときの準備
修理業者の訪問日が決まったら、作業しやすいよう準備しましょう。
・エアコン周辺の家具を移動する
・床に置いている物を片付ける
・室外機までの経路を確保する
・エラーコードの写真を準備する
・故障の経緯を整理する
・取扱説明書やリモコンを用意する
・管理会社からの案内を確認する
・立会者を決める
賃貸物件では、修理業者が勝手に室内へ入るわけではありません。
訪問日時や立会い方法について、管理会社と調整しましょう。
■修理か交換かは誰が決める?
設備として設置されたエアコンについて、修理するか交換するかは、故障内容、使用年数、部品の有無、修理費用などを確認して貸主側が判断することがあります。
入居者が新しい機種を希望しても、希望どおりの機種へ交換されるとは限りません。
確認したい内容は次のとおりです。
・修理可能か
・部品を取り寄せられるか
・交換になるか
・交換する機種
・工事予定日
・室外機の設置方法
・既存機器の撤去方法
・工事中に在宅が必要か
交換工事で壁や天井などに影響がある場合は、工事後の状態も確認しましょう。
■残置物のエアコンだった場合
前の入居者が残したエアコンが「残置物」として契約書などに記載されている場合は、貸主設備とは異なる取り扱いになる可能性があります。
確認したい内容は次のとおりです。
・修理費用を誰が負担するか
・撤去してよいか
・交換してよいか
・工事に承諾が必要か
・退去時に新しいエアコンを残せるか
・退去時に撤去する必要があるか
残置物だからといって自由に処分できるとは限りません。
管理会社や貸主へ確認してから対応しましょう。
■入居前にエアコンの状態を確認する
これから賃貸物件を契約する場合は、内見時や契約前にエアコンの状態を確認しておくと安心です。
確認したい内容は次のとおりです。
・エアコンが設備か残置物か
・設置されている台数
・製造年
・リモコンの有無
・冷房運転ができるか
・異音や異臭がないか
・フィルターの状態
・室外機の設置場所
・エアコンを追加できるか
・追加設置に必要な電気容量
内見時に動作確認ができない場合は、入居前の点検について不動産会社へ確認しましょう。
■エアコン故障時のチェック項目
賃貸住宅のエアコンが故障した場合は、次の内容を確認しましょう。
・リモコンやブレーカーを確認したか
・エアコンが設備か残置物か
・異音、異臭、水漏れがないか
・管理会社へ連絡したか
・連絡日時を記録したか
・故障状況の写真を撮ったか
・修理業者を誰が手配するか
・費用負担を確認したか
・訪問予定日を確認したか
・修理までの安全な滞在先があるか
・室温と体調を確認しているか
・領収書や書類を保管しているか
猛暑時は、修理手続きだけでなく、熱中症を防ぐための行動を同時に進めることが大切です。
■住まいの設備やお部屋探しにお悩みの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内のお部屋探しについてご相談を承っています。
「エアコンが設備として付いている物件を探したい」
「内見時に設備の状態を確認したい」
「残置物と設備の違いが分からない」
「入居後の設備故障について相談したい」
「管理体制を確認してから物件を選びたい」
「暑さや寒さに配慮した部屋を探したい」
このような場合も、室内設備、管理会社の対応、契約条件、周辺環境などを確認しながら、お部屋探しを進めます。
猛暑時にエアコンが故障した場合は、まず管理会社へ故障状況を伝え、修理の手配と同時に、安全に過ごせる涼しい場所を確保することが大切です。
埼玉県で賃貸物件の設備、管理体制、エアコン付きのお部屋探しについてお悩みの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
■参考情報
・環境省「熱中症警戒アラート」
・環境省「あなたの熱中症対策 本当に大丈夫ですか?」
・厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」
・国土交通省「賃貸住宅標準契約書について」
・国土交通省「改正民法施行に伴う民間賃貸住宅における対応事例集」