
さいたま市で罹災証明書を申請するには?賃貸住宅の被害写真・必要書類を解説
台風、大雨、地震などによって賃貸住宅が被害を受けた場合、行政の支援や保険の手続きなどで「罹災証明書」の提出を求められることがあります。
一方で、「賃貸住宅でも自分で申請できる?」「大家さんが申請するもの?」「片付けや修理を始めてもよい?」「被害写真は何を撮ればよい?」と迷う方もいらっしゃるでしょう。
災害後は、安全の確保、管理会社への連絡、被害状況の記録、行政手続きなど、短い期間にさまざまな対応が必要になります。
しかし、写真を撮らずに片付けや修理を進めると、後から被害状況を確認できなくなる可能性があります。
今回は、さいたま市内の賃貸住宅が台風、大雨、地震などで被害を受けた方へ、罹災証明書の役割、被災届出受理証との違い、申請方法、必要書類、管理会社や保険会社へ連絡する際の注意点を解説します。
■罹災証明書とは?
罹災証明書は、災害によって住家などが受けた被害の程度について、市区町村が調査を行い、その結果を証明する書類です。
さいたま市では、強風、大雨、大雪、洪水、地震などの自然災害による被害について、申請に基づいて被害認定調査を行い、その結果を記載した罹災証明書を交付しています。
罹災証明書は、次のような手続きで提出を求められる可能性があります。
・被災者向け支援制度の申請
・災害見舞金などの相談
・公的な減免制度の手続き
・勤務先や学校への被災状況の証明
・保険会社や金融機関から案内された手続き
・応急的な住まいに関する相談
ただし、罹災証明書を取得すれば、すべての支援や保険金を受け取れるわけではありません。
制度ごとに対象条件や必要書類が異なるため、利用する制度の窓口へ確認しましょう。
■賃貸住宅の入居者も申請できる?
賃貸住宅の入居者も、実際に生活している住居が被害を受けた場合は、罹災証明書が必要になる可能性があります。
ただし、建物の所有者は貸主であり、入居者が所有しているのは家具、家電、衣類などの家財です。
そのため、被害の内容によっては、入居者だけでなく、貸主や管理会社も別途手続きを行うことがあります。
災害後は、次の内容を管理会社へ伝えましょう。
・契約者名
・物件名と部屋番号
・被害が発生した日時
・被害を確認した日時
・建物や室内の被害状況
・雨漏りや浸水が続いているか
・電気、ガス、水道を使用できるか
・避難しているか
・応急修理が必要か
・写真や動画を撮影しているか
罹災証明書の申請者や調査時の立ち会いについて分からない場合は、物件所在地を管轄する区役所と管理会社の両方へ確認しましょう。
■最初に身の安全を確保する
災害が発生した直後は、証明書の準備よりも身の安全を確保することが優先です。
建物に次のような異常がある場合は、無理に室内へ入らないようにしましょう。
・建物が傾いている
・壁や天井に大きな亀裂がある
・外壁や屋根材が落下しそうになっている
・ガスの臭いがする
・漏電や感電のおそれがある
・浸水した室内に電気が通っている
・窓ガラスが広範囲に割れている
・周囲で土砂災害や冠水が発生している
緊急性が高い場合は、消防、警察、電気・ガスなどの緊急窓口へ連絡します。
安全が確認できてから、管理会社への連絡や被害状況の撮影を進めましょう。
■片付ける前に被害写真を撮影する
罹災証明書の申請では、被害状況を確認できる写真が重要になります。
さいたま市でも、申請時の必要書類として被害状況が分かる写真を案内しており、自己判定方式を利用する場合は写真の提出が必要です。
可能であれば、片付けや修理を始める前に撮影しましょう。
主に次のような写真を残します。
・建物全体が分かる外観
・建物名や部屋番号が分かる場所
・被害を受けた部屋全体
・被害箇所に近づいた写真
・複数の方向から撮影した写真
・浸水した高さが分かる壁や柱
・床、壁、天井の変色や剥がれ
・割れた窓や破損した建具
・雨漏りしている場所
・破損した設備
・水に濡れた家具や家電
・使用できなくなった生活用品
全体像と被害箇所の拡大写真を組み合わせると、どこにどのような被害が生じたのか確認しやすくなります。
撮影日時を記録できる場合は、日時が分かる状態で保存しましょう。
■写真撮影のために危険な場所へ入らない
証拠を残すことは大切ですが、写真撮影のために危険な場所へ入ってはいけません。
屋根、ベランダの外側、倒壊のおそれがある部屋、浸水している地下などへ無理に近づかないようにしましょう。
撮影できなかった被害については、次の内容をメモしておきます。
・被害を発見した日時
・確認できた範囲
・危険で立ち入れなかった場所
・避難した日時
・管理会社へ連絡した日時
・消防や警察へ連絡した日時
・応急処置を行った内容
人命や被害拡大の防止を優先し、安全に記録できる範囲で対応しましょう。
■罹災証明書と被災届出受理証の違い
罹災証明書と似た書類に「被災届出受理証」があります。
罹災証明書は、市が調査した住家などの被害程度を証明する書類です。
一方、被災届出受理証は、災害による被害について届出があったことを証明するものです。
さいたま市では、すでに修理を行ったなどの理由で被害状況を確認できない場合や、住家・非住家以外の被害について、被災届出受理証を交付する取り扱いがあります。
主な違いを整理すると、次のようになります。
・罹災証明書は被害認定調査の結果に基づく
・被災届出受理証は被害の届出を受理したことを示す
・被災届出受理証は被害程度を認定するものではない
・必要となる書類は利用する支援制度によって異なる
・どちらを提出するかは提出先へ確認する
自己判断で書類を選ばず、利用予定の制度や保険会社へ必要な証明書を確認しましょう。
■家財の被害だけでも記録を残す
賃貸住宅では、建物に大きな損傷がなくても、入居者の家財が被害を受ける場合があります。
例えば、次のような被害が考えられます。
・雨漏りで布団や衣類が濡れた
・浸水で冷蔵庫や洗濯機が故障した
・地震でテレビや家具が転倒した
・割れた窓から雨が入り家電が濡れた
・停電や浸水で食品を廃棄した
・土砂や泥水で日用品が使用できなくなった
市が発行する証明書の対象と、火災保険や家財保険で確認される対象は同じとは限りません。
家財についても、品目、購入時期、被害状況、購入金額が分かる資料を可能な範囲で残しましょう。
■被害品をすぐに処分しない
濡れた家具や壊れた家電をすぐに処分すると、保険会社が被害状況を確認できなくなる可能性があります。
安全面や衛生面に問題がない場合は、処分前に保険会社へ連絡しましょう。
すぐに処分しなければならない場合は、次の記録を残します。
・被害品全体の写真
・損傷部分の拡大写真
・メーカー名
・型番
・購入時期
・購入金額
・処分した日
・処分した理由
・処分費用の領収書
家電製品の保証書、購入履歴、通販サイトの注文履歴なども確認しておきましょう。
■さいたま市の申請方法
さいたま市の罹災証明書は、区役所の窓口、郵送、電子申請で申し込めます。
基本的な申請先は、被害を受けた住家などが所在する区の区役所総務課です。
大宮区内の賃貸住宅で被害を受けた場合は、大宮区役所総務課が相談窓口となります。
申請前には、次の内容を確認しましょう。
・被害を受けた物件の所在地
・災害が発生した日
・災害の種類
・申請者と被災物件の関係
・現地調査が必要か
・自己判定方式を利用できるか
・窓口、郵送、電子申請のどれを利用するか
・追加資料が必要か
証明書の交付手数料は無料です。
ただし、申請内容や被害状況によって確認に時間がかかる可能性があるため、余裕を持って相談しましょう。
■申請に必要な書類
さいたま市が案内している主な必要書類は、次のとおりです。
・被災届出書兼罹災証明書交付申請書
・本人確認書類の写し
・被害状況が分かる写真
・申請内容を補足する資料
本人確認書類には、マイナンバーカード、運転免許証などを使用できる場合があります。
代理人が手続きをする場合や、申請者と契約者・所有者が異なる場合は、追加書類を求められる可能性があります。
賃貸借契約書など、入居していることを確認できる書類も準備しておくと相談しやすくなります。
■電子申請を利用する場合
さいたま市では、罹災証明書などの手続きをオンラインで申請できます。
電子申請を利用する場合は、撮影した写真や本人確認書類などをデータで添付します。
さいたま市の案内では、添付ファイルは合計20MBまで、最大20ファイルまでとされています。
写真が多い場合は、次のように整理しましょう。
・外観
・玄関や共用部分
・居室全体
・壁や天井
・床や浸水跡
・設備
・家財
・応急処置後
ファイル名を「外観1」「居室全体」「壁の浸水跡」などにすると、被害箇所を確認しやすくなります。
画像を圧縮しすぎて被害が見えなくならないよう注意しましょう。
■自己判定方式とは?
被害の程度が軽微な場合は、現地調査を行わず、申請者が提出した写真などをもとに判定する「自己判定方式」を利用できる可能性があります。
自己判定方式を希望する場合は、被害状況を確認できる写真が特に重要です。
ただし、希望すれば必ず自己判定方式になるとは限りません。
次のような場合は、区役所へ事前に確認しましょう。
・被害の範囲が広い
・床上まで浸水している
・建物の傾きがある
・複数の部屋に被害がある
・外壁や基礎が損傷している
・被害程度を写真だけで判断しにくい
・すでに修理や撤去を始めている
現地調査が必要になった場合は、管理会社や貸主にも連絡し、調査への対応方法を相談しましょう。
■火災による被害は消防署へ確認する
罹災証明書の相談窓口は、災害の種類によって異なります。
さいたま市では、自然災害による被害は区役所総務課、火災による被害は消防署が窓口として案内されています。
例えば、次のように分けて確認します。
・台風による屋根や窓の被害は区役所
・大雨による浸水被害は区役所
・地震による建物被害は区役所
・大雪による建物被害は区役所
・火災による焼損や消火活動の被害は消防署
火災と自然災害が重なっている場合や、判断が難しい場合は、区役所または消防署へ状況を説明して確認しましょう。
■管理会社への連絡を忘れない
罹災証明書を申請しても、管理会社へ自動的に被害情報が伝わるわけではありません。
建物や設備に損傷がある場合は、早めに管理会社へ連絡します。
管理会社へ確認する内容は次のとおりです。
・建物の安全確認
・応急修理の予定
・修理業者の手配
・入居を継続できるか
・立ち入りを控える必要があるか
・貸主が保険会社へ連絡しているか
・入居者が行う手続き
・罹災証明書の申請者
・現地調査への立ち会い
・一時的な避難先や連絡方法
無断で設備を撤去したり、大規模な修理を依頼したりすると、費用負担をめぐる問題になる可能性があります。
緊急の応急処置を除き、管理会社と相談しながら進めましょう。
■修理を始める前に確認する
雨漏りや割れた窓などは、被害を拡大させないために早急な対応が必要です。
一方で、修理後は元の被害状況を確認しにくくなります。
修理を始める場合は、次の内容を残しましょう。
・修理前の写真と動画
・管理会社へ連絡した記録
・修理を依頼した日時
・修理業者の名称
・応急修理と本修理の区別
・見積書
・請求書
・領収書
・修理後の写真
管理会社から電話で指示を受けた場合も、連絡日時と担当者名を記録しておきましょう。
■火災保険や家財保険へ連絡する
賃貸住宅向けの火災保険には、家財補償、借家人賠償責任、修理費用補償などが含まれている場合があります。
災害の種類や契約内容によっては、保険金の請求対象になる可能性があります。
保険会社へ連絡するときは、次の情報を準備しましょう。
・証券番号
・契約者名
・被害を受けた住所
・災害が発生した日時
・被害の原因
・建物と家財の被害状況
・管理会社へ連絡した日時
・撮影した写真や動画
・修理見積書
・罹災証明書が必要か
罹災証明書がなくても事故受付を開始できる場合があります。
証明書の交付を待ってから連絡するのではなく、まず保険会社へ事故報告を行い、必要書類を確認しましょう。
■保険の対象外になる場合もある
火災保険という名称でも、すべての自然災害が補償されるわけではありません。
例えば、次のような点を確認します。
・水災補償が付いているか
・風災補償が付いているか
・家財が補償対象か
・免責金額が設定されているか
・地震による損害が対象か
・経年劣化と判断される可能性があるか
・事故報告の期限
・必要となる写真や見積書
地震、噴火、津波を原因とする損害は、通常の火災保険だけでは補償されない場合があります。
保険証券やウェブ上の契約内容を確認し、不明点は保険会社へ問い合わせましょう。
■罹災証明書だけで修理負担は決まらない
罹災証明書は、行政が被害の程度を証明する書類です。
貸主と入居者のどちらが修理費用を負担するかを、罹災証明書だけで決めるものではありません。
修理費用については、次の内容を確認します。
・被害の原因
・建物や設備の所有者
・賃貸借契約の内容
・貸主側の保険
・入居者側の保険
・入居者の故意や過失の有無
・災害後の対応状況
・管理会社から受けた指示
自然災害による損害でも、設備、家財、応急処置などによって取り扱いが異なる可能性があります。
自己判断で負担者を決めず、管理会社や保険会社へ確認しましょう。
■家賃が自動的に免除されるわけではない
部屋が被災した場合でも、罹災証明書を取得しただけで家賃が自動的に全額免除されるわけではありません。
居住できる範囲、修理期間、契約内容などを確認したうえで対応を相談することになります。
入居を継続できない場合は、次の内容を管理会社へ確認しましょう。
・部屋を使用できるか
・使用できない期間
・修理完了の見込み
・家賃の取り扱い
・一時的な退去が必要か
・家財を室内へ残せるか
・契約を継続するか
・解約する場合の手続き
・代替物件を相談できるか
管理会社とのやり取りは、メールや書面でも記録を残しておくと確認しやすくなります。
■一時的に避難する場合
建物の安全が確認できない場合や、電気・水道などを使用できない場合は、一時的な避難が必要になることがあります。
避難する際は、可能な範囲で次の対応を行いましょう。
・管理会社へ避難先を伝える
・連絡可能な電話番号を伝える
・戸締まりを確認する
・電気やガスの取り扱いを確認する
・貴重品や必要な薬を持ち出す
・保険会社へ臨時費用の補償を確認する
・避難先の領収書を保管する
・区役所へ利用できる支援制度を確認する
ホテル代や一時的な住居費が補償されるかは、保険や制度によって異なります。
支払い前に確認できる場合は、保険会社や行政窓口へ相談しましょう。
■災害見舞金などの支援制度も確認する
さいたま市では、火災や自然災害によって住居が一定規模以上の被害を受けた場合、災害見舞金などの対象になる可能性があります。
ただし、被害を受けたすべての世帯が対象になるわけではありません。
制度を確認する際は、次の内容を整理しましょう。
・災害が発生した日
・被害を受けた住所
・世帯人数
・住居の被害程度
・現在の避難先
・罹災証明書の有無
・申請期限
・ほかに利用している支援
相談窓口や必要書類は制度によって異なります。
罹災証明書の申請とあわせて、区役所へ利用できる支援制度がないか確認しましょう。
■申請後も記録を保管する
罹災証明書を申請した後も、災害に関する書類や写真を保管しましょう。
まとめておきたい資料は次のとおりです。
・罹災証明書の写し
・被災届出受理証の写し
・申請書の控え
・被害写真と動画
・賃貸借契約書
・火災保険の証券
・管理会社との連絡記録
・保険会社との連絡記録
・修理見積書
・請求書や領収書
・廃棄した家財の一覧
・避難先の費用が分かる書類
写真や書類は、スマートフォンだけでなく、クラウドや外部媒体などにも保存すると紛失に備えられます。
■申請前のチェック項目
さいたま市へ罹災証明書を申請する前に、次の内容を確認しましょう。
・自分と家族の安全を確保したか
・管理会社へ被害を連絡したか
・被害箇所を撮影したか
・建物全体の写真を撮影したか
・片付け前の写真があるか
・災害が発生した日を確認したか
・本人確認書類を準備したか
・申請書を準備したか
・被害物件を管轄する区役所を確認したか
・自己判定方式を利用できるか確認したか
・火災保険会社へ連絡したか
・被害品を処分する前に記録したか
・利用予定の支援制度を確認したか
分からない項目がある場合は、写真、賃貸借契約書、管理会社からの連絡内容を用意して区役所へ相談しましょう。
■災害前に準備しておきたいこと
災害が発生してから保険証券や管理会社の連絡先を探すのは大変です。
平常時に次の情報を整理しておきましょう。
・管理会社の営業時間と緊急連絡先
・貸主や管理会社のメールアドレス
・火災保険会社の事故受付窓口
・保険証券番号
・賃貸借契約書の保管場所
・避難所の場所
・家族との連絡方法
・さいたま市の防災情報
・居住地域のハザードマップ
・家具や家電の写真
・高額な家財の購入記録
さいたま市では、地震、洪水、内水、土砂災害などのハザードマップを公開しています。
自宅周辺で想定される災害を確認し、避難経路や持ち出し品を準備しておきましょう。
■さいたま市で被災後の住まいにお困りの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内の賃貸住宅や転居についてご相談を承っています。
「被災した部屋に住み続けられるか分からない」
「管理会社へ何を伝えればよいか整理したい」
「修理中に入居できる部屋を探したい」
「現在の賃貸借契約を解約するか迷っている」
「短期間で入居できる物件を探したい」
「初期費用を抑えて転居したい」
このような場合も、現在の被害状況、賃貸借契約、退去時期、入居希望日、初期費用などを確認しながら、今後の住まいを整理します。
災害後は、罹災証明書の申請だけでなく、管理会社、保険会社、区役所などへの連絡が必要になる可能性があります。
まずは安全を確保し、片付ける前に被害状況を記録したうえで、それぞれの窓口へ相談しましょう。
さいたま市で被災後の賃貸住宅、修理中の住まい、退去、住み替えについてお悩みの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
参考情報
・さいたま市「罹災証明書等について」
・さいたま市「罹災証明書等のオンライン申請」
・さいたま市「災害に備える」
・さいたま市「災害見舞金・災害弔慰金」