
埼玉で生活保護受給中に市外・県外へ引っ越せる?手続きと注意点を解説
埼玉県で生活保護を受給している方のなかには、家族の近くへ移りたい、通院しやすい地域へ住み替えたい、仕事を始めるために別の市へ転居したいなどの理由から、市外や県外への引っ越しを検討する方もいらっしゃると思います。
一方で、「生活保護を受給中でも市外へ引っ越せる?」「県外へ転居すると生活保護は打ち切られる?」「福祉事務所の手続きはどうなる?」と不安を感じることもあります。
生活保護を受給していることだけを理由に、市外や県外への転居が一律に禁止されるわけではありません。
ただし、転居先によって担当する福祉事務所や住宅扶助の限度額などが変わるため、通常の引っ越しとは異なる確認や調整が必要です。
現在の福祉事務所へ相談せずに物件を契約した場合、敷金や引っ越し費用などが支給されない可能性もあります。
今回は、埼玉県で生活保護を受給中の方へ、市外・県外へ引っ越す際の相談先、福祉事務所間の引継ぎ、物件探しから契約までの流れ、注意点を解説します。
■生活保護受給中でも市外・県外へ引っ越せる?
生活保護を受給中でも、市外や県外へ引っ越すことは可能です。
ただし、引っ越しに伴う費用の支給を希望する場合や、転居後も引き続き生活保護が必要な場合は、事前に担当のケースワーカーへ相談する必要があります。
福祉事務所は、転居の理由、現在の住居状況、転居先の家賃、世帯の状況などを確認します。
特に、敷金や仲介手数料、引っ越し費用などの支給については、転居の必要性が認められるかどうかが重要です。
「自分で物件を見つけて契約した後に報告すればよい」と考えず、物件を探し始める前に相談しましょう。
■市外へ転居すると担当の福祉事務所が変わる
生活保護に関する相談、保護の決定、支給などは、地域を担当する福祉事務所が行っています。
市外や県外へ転居すると、原則として転居先を管轄する福祉事務所が今後の担当になります。
例えば、さいたま市内の区をまたいで転居する場合と、さいたま市から埼玉県内の別の市へ転居する場合、埼玉県外へ転居する場合では、必要な連絡や手続きが異なることがあります。
現在の福祉事務所と転居先の福祉事務所が、転居予定日、世帯状況、保護の必要性などについて確認や調整を行う場合があります。
具体的な進め方は自治体や状況によって異なるため、担当のケースワーカーから案内を受けましょう。
■県外へ転居すると生活保護は打ち切られる?
県外へ引っ越すことだけを理由に、生活保護が必ず打ち切られるわけではありません。
転居後も収入や資産などの状況から保護が必要と判断される場合は、転居先を管轄する福祉事務所で生活保護が実施される可能性があります。
ただし、現在の自治体で受けている保護が、そのまま何の手続きもなく転居先へ移るわけではありません。
現在の福祉事務所と転居先の福祉事務所による確認や、必要書類の提出などが行われます。
転居日や保護費の支給時期によっては、家賃や生活費の取扱いを事前に確認する必要もあります。
県外への転居を希望する場合は、できるだけ早くケースワーカーへ相談してください。
■市外・県外への転居が検討される主な事情
生活保護受給中の転居については、転居したい理由や必要性が確認されます。
例えば、次のような事情があります。
・現在の家賃が住宅扶助の限度額を超えている
・建物の取壊しや貸主の事情により退去が必要になった
・立退きを求められている
・現在の住居が老朽化し、安全に生活することが難しい
・世帯人数が変わり、現在の間取りでは生活しにくい
・病気や障害により、階段や室内の段差が負担になった
・通院や介護に適した地域へ移る必要がある
・家族や支援者の近くで生活する必要がある
・就職や就労に伴って転居する必要がある
・DVやストーカーなどから安全を確保する必要がある
・現在の住居で生活を続けることが難しい特別な事情がある
実際に転居の必要性が認められるかどうかは、世帯や住居の状況を確認したうえで福祉事務所が判断します。
転居を希望する理由を整理し、ケースワーカーへ具体的に伝えましょう。
■希望する地域へ自由に転居できる?
転居先の希望を伝えることはできますが、希望した地域や物件への転居費用が必ず認められるとは限りません。
福祉事務所では、転居の必要性だけでなく、次のような内容も確認します。
・希望地域へ転居する必要性
・転居先の家賃
・世帯人数に合った住宅か
・通院や就労への影響
・家族や支援者との関係
・現在の住居からの距離
・転居に必要な費用
・転居後の生活を継続できるか
単に「別の地域に住んでみたい」という希望だけでは、引っ越し費用などが認められない可能性があります。
転居先を希望する具体的な理由がある場合は、関連する資料なども用意しましょう。
■転居先によって住宅扶助の限度額が変わる
住宅扶助の限度額は、全国で一律ではありません。
埼玉県内でも市町村や級地区分、世帯人数によって金額が異なります。
さらに県外へ転居する場合は、転居先の地域で適用される住宅扶助限度額を確認する必要があります。
現在の家賃が住宅扶助の範囲内であっても、転居先では同じ金額の物件が認められない可能性があります。
物件を探す前に、次の内容を確認しましょう。
・転居先の住宅扶助限度額
・世帯人数ごとの限度額
・家賃以外に毎月必要な費用
・管理費や共益費の取扱い
・特別な事情がある場合の取扱い
インターネット上の古い金額だけで判断せず、現在のケースワーカーを通じて最新の基準を確認することが大切です。
■転居費用は支給される?
生活保護では、転居の必要性が認められた場合に、転居に伴う費用が支給される可能性があります。
検討される可能性がある費用には、次のようなものがあります。
・敷金
・礼金
・仲介手数料
・保証会社の初回保証料
・火災保険料
・必要な引っ越し費用
・契約時に必要となる費用
ただし、請求された費用がすべて支給されるわけではありません。
費用ごとに必要性や金額が確認され、定められた範囲内で判断されます。
福祉事務所の確認前に支払った費用や、必要性が認められていない転居の費用は、支給されない可能性があります。
不動産会社から初期費用の見積書を受け取ったら、契約や支払いの前にケースワーカーへ提出しましょう。
■引っ越し業者は自分で決めてよい?
引っ越し費用の支給を希望する場合、複数の引っ越し業者から見積もりを取るよう案内されることがあります。
見積もりのなかから、費用や作業内容を確認して業者を決めます。
自分の判断だけで業者を予約したり、追加サービスを申し込んだりすると、その費用が認められない可能性があります。
見積書には、次の内容が記載されているか確認しましょう。
・引っ越し元と引っ越し先
・引っ越し予定日
・荷物の量
・基本料金
・作業員数
・車両費
・追加作業の内容
・合計金額
荷造り、家具の処分、エアコン移設などの追加費用が必要な場合も、事前に相談してください。
■物件探しを始める前に確認すること
市外・県外への転居を希望する場合は、物件を探し始める前に担当のケースワーカーへ相談しましょう。
主に確認する内容は次のとおりです。
・転居の必要性が認められる可能性
・希望する地域へ転居できるか
・転居先の住宅扶助限度額
・世帯人数に合う間取り
・初期費用の支給範囲
・引っ越し費用の見積もり方法
・転居先の福祉事務所との調整
・物件資料や見積書の提出方法
・現在の住居を解約する時期
・転居予定日と保護費の支給方法
確認内容をメモに残しておくと、不動産会社へ条件を伝えやすくなります。
■不動産会社へ伝える内容
市外・県外の物件を探す際は、生活保護を受給していることや、福祉事務所へ転居を相談していることを不動産会社へ伝えましょう。
主に次の内容を伝えます。
・生活保護を受給中であること
・現在の福祉事務所
・転居先の希望地域
・確認済みの住宅扶助限度額
・世帯人数
・入居希望時期
・初期費用の支払い方法
・保証会社を利用できるか
・緊急連絡先の有無
・福祉事務所へ提出する見積書が必要なこと
受給状況を後から伝えると、希望した物件が生活保護受給者の入居に対応していなかったり、必要な書類を用意できなかったりする可能性があります。
最初に条件を伝え、申込みを検討できる物件へ絞って探しましょう。
■市外・県外へ転居するまでの流れ
生活保護を受給中に市外や県外へ転居する場合は、一般的に次のような流れで進めます。
1.現在のケースワーカーへ転居希望を相談する
2.転居の理由や希望地域を伝える
3.転居の必要性や費用について確認を受ける
4.転居先の住宅扶助限度額を確認する
5.不動産会社へ条件を伝えて物件を探す
6.物件資料と初期費用の見積書を受け取る
7.福祉事務所へ物件資料と見積書を提出する
8.確認後に入居申込みと審査を進める
9.現在と転居先の福祉事務所による調整を受ける
10.契約内容や費用の支払方法を確認する
11.必要な手続きを終えてから契約する
12.現在の住居を適切な時期に解約する
13.引っ越しと住民票などの手続きを行う
14.転居先の福祉事務所で必要な手続きを行う
自治体や世帯の状況によって、手続きの順番や必要書類が異なる場合があります。
必ず担当のケースワーカーから案内を受けて進めましょう。
■現在の住居を先に解約しない
市外や県外への転居を決めても、新しい物件の契約や福祉事務所の確認が終わる前に、現在の住居を解約しないよう注意しましょう。
賃貸の入居審査に通らない場合や、希望する物件の費用が認められない場合があります。
先に解約通知を提出すると、解約日までに新しい住居が決まらず、住まいを失うおそれがあります。
現在の住居の解約予告期間も契約書で確認し、ケースワーカーと不動産会社へ相談しながら解約日を決めましょう。
■通院や介護を受けている場合の注意点
市外や県外へ転居すると、現在利用している医療機関や介護サービスを継続できるか確認が必要です。
転居前には、次の内容を整理しましょう。
・現在通院している医療機関
・服用している薬
・転居先から通院を続けられるか
・転院が必要か
・現在利用している介護サービス
・障害福祉サービスなどの手続き
・転居先で利用できる支援機関
・医療券や介護券などの取扱い
必要な医療や支援が途切れないよう、現在のケースワーカーや関係機関へ早めに相談してください。
■無断で転居した場合はどうなる?
福祉事務所へ連絡せずに転居すると、居住状況を確認できず、保護費の支給や訪問、郵便物の受取りなどに影響する可能性があります。
転居先の家賃が住宅扶助の限度額を超えていたり、初期費用をすでに支払っていたりすると、費用が認められない可能性もあります。
また、転居先の福祉事務所との調整ができていないことで、必要な手続きに時間がかかることがあります。
急な事情で転居しなければならない場合でも、できる限り早くケースワーカーへ連絡しましょう。
DVやストーカーなど安全に関わる事情がある場合は、居場所の取扱いも含めて警察、福祉事務所、支援機関などへ相談してください。
■埼玉から市外・県外への転居をお考えの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内の賃貸物件探しについてご相談を承っています。
「さいたま市から埼玉県内の別の市へ転居したい」
「県外から埼玉へ引っ越したい」
「家族や支援者の近くで暮らしたい」
「通院しやすい地域へ住み替えたい」
「転居先の住宅扶助に合う物件を探したい」
「福祉事務所へ提出する物件資料や見積書を用意したい」
このような場合も、希望する地域、世帯人数、住宅扶助の限度額、初期費用、入居時期などを確認しながら、条件に合う物件を一緒に探していきます。
市外や県外へ転居する場合は、現在の福祉事務所と転居先の福祉事務所による確認や調整が必要になることがあります。
物件を契約したり、現在の住居を解約したりする前に、担当のケースワーカーへ相談することが大切です。
埼玉県で生活保護を受給中の市外転居や、県外から埼玉県内へのお部屋探しにお悩みの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。