
埼玉の賃貸に住んだまま生活保護を受給できる?家賃と契約の確認点
賃貸物件で暮らしている途中に、失業、病気、収入の減少などによって生活が難しくなり、生活保護の申請を検討することがあります。
その際、「今住んでいる部屋から退去しなければならない?」「生活保護を受給すると賃貸借契約はどうなる?」「家賃を福祉事務所から支払ってもらえる?」と不安を感じる方もいらっしゃると思います。
生活保護を申請したからといって、必ず現在の賃貸物件からすぐに退去しなければならないわけではありません。
現在の家賃、世帯人数、部屋の広さ、健康状態、地域の住宅事情などを確認したうえで、現在の住居を継続できるか判断されます。
ただし、家賃が住宅扶助の上限を大きく超えている場合などは、今後の住まいについて福祉事務所から相談や助言を受ける可能性があります。
今回は、埼玉県内の賃貸物件に住んでいる途中で生活保護を申請または受給する方へ、現在の部屋に住み続けられる可能性、住宅扶助、家賃の支払い方法、貸主や管理会社への連絡について解説します。
■現在の賃貸に住んだまま申請できる?
現在の賃貸物件に住みながら生活保護を申請することは可能です。
生活保護の相談や申請は、原則として現在住んでいる地域を担当する福祉事務所で行います。
申請時には、生活状況だけでなく、現在の住居や家賃についても確認されます。
主に次のような書類や情報が必要になる可能性があります。
・賃貸借契約書
・家賃の金額
・共益費や管理費
・家賃の支払日
・家賃の振込先
・直近の家賃支払い状況
・保証会社の利用状況
・契約更新日
・同居している世帯員
・現在の部屋の間取り
・駐車場などの付帯契約
必要書類がすべて揃っていない場合でも、まず福祉事務所へ相談しましょう。
不足している書類については、相談時に確認することが大切です。
■生活保護を受給すると契約はどうなる?
生活保護の受給を開始しても、現在の賃貸借契約が自動的に終了するわけではありません。
また、生活保護を受給したことだけで、契約者の名義や契約内容が自動的に変更されるわけでもありません。
原則として、現在の契約者と貸主との賃貸借契約が続きます。
ただし、生活保護の開始に伴い、次のような確認や変更が必要になる可能性があります。
・家賃の支払い方法
・家賃の振込名義
・代理納付の利用
・保証会社への届出
・緊急連絡先
・契約更新時の費用
・同居人や世帯人数
・貸主や管理会社への連絡
どのような手続きが必要になるかは、賃貸借契約、保証会社、福祉事務所の取り扱いなどによって異なります。
■住宅扶助とは?
住宅扶助は、生活保護の扶助の一つで、家賃、地代など住居に必要な費用を支えるものです。
住宅扶助として認定される家賃には、地域や世帯人数などに応じた上限があります。
現在支払っている家賃が住宅扶助の上限以内で、住居の状況にも問題がない場合は、現在の部屋で生活を継続できる可能性があります。
ただし、家賃以外のすべての月額費用が住宅扶助になるとは限りません。
次のような費用は、住宅扶助とは別に確認が必要です。
・共益費
・管理費
・駐車場代
・町会費
・定額水道料
・インターネット利用料
・24時間サポート費用
・月額保証料
・その他の付帯サービス費用
家賃だけでなく、毎月の総支払額を整理して福祉事務所へ伝えましょう。
■家賃が住宅扶助の上限以内の場合
現在の家賃が住宅扶助の上限以内であれば、現在の賃貸物件を継続できる可能性があります。
ただし、家賃が上限以内という条件だけで判断されるとは限りません。
次のような内容も確認される場合があります。
・世帯人数に対して部屋が適切か
・実際に本人が居住しているか
・契約名義人と居住者が一致しているか
・家賃の滞納がないか
・同居人を正しく申告しているか
・住居として安全に生活できるか
・高額な付帯費用がないか
賃貸借契約書に記載された家賃と、実際に支払っている金額が異なる場合は、その理由も確認しましょう。
■家賃が住宅扶助の上限を超えている場合
現在の家賃が住宅扶助の上限を超えている場合でも、生活保護を申請できないとは限りません。
また、申請したその日に現在の部屋から退去しなければならないとは限りません。
ただし、住宅扶助として認定される金額には上限があるため、上限を超える部分をどのようにするか確認が必要です。
福祉事務所では、次のような内容を確認しながら対応を検討することがあります。
・上限を超えている金額
・世帯の収入や生活状況
・現在の部屋に住み始めた経緯
・健康状態や障害の有無
・通院や介護の状況
・子どもの通学状況
・高齢などにより転居が困難か
・現在の地域で適切な物件を探せるか
・転居に必要な期間
家賃が上限を超えている場合は、自分で不足分を払い続ければ必ず住み続けられると判断せず、ケースワーカーへ確認しましょう。
■すぐに転居を求められる?
家賃が住宅扶助の上限を超えている場合などは、福祉事務所から、より家賃の低い住居への転居について相談を受ける可能性があります。
しかし、現在の生活状況を確認せず、一律に同じ対応になるわけではありません。
例えば、次のような事情がある場合は、個別に確認される可能性があります。
・高齢で転居の負担が大きい
・障害などにより特別な設備や広さが必要
・現在の住居からの転居が健康に影響する
・通院先を変更することが難しい
・介護や支援を受けるため現在地に住む必要がある
・住宅扶助の範囲内で借りられる物件が少ない
・子どもの学校や生活環境への影響が大きい
現在の部屋に住み続ける必要がある事情は、ケースワーカーへ具体的に説明しましょう。
■転居を検討することになった場合
現在の住居を継続することが難しく、転居を検討することになった場合は、先に福祉事務所へ相談しながら進めます。
自己判断で現在の部屋を解約したり、新しい物件を契約したりしないことが大切です。
転居を進める際は、次の内容を確認します。
・転居の必要性が認められているか
・新しい物件の家賃上限
・世帯人数に合う間取り
・初期費用の対象範囲
・火災保険料
・保証会社の費用
・鍵交換費用
・引っ越し費用
・契約できる時期
・現在の部屋の解約日
福祉事務所の確認前に契約金を支払うと、予定していた費用が認められない可能性があります。
物件の見積書を受け取ったら、契約する前にケースワーカーへ提出しましょう。
■現在の部屋を先に解約しない
生活保護を申請した直後や、転居について相談を受けた段階で、現在の部屋を先に解約することは避けましょう。
先に退去日を決めると、新しい物件が見つからなかった場合に住まいを失う可能性があります。
賃貸物件の解約には、契約で定められた予告期間があります。
一般的には退去希望日の一定期間前までに連絡する必要がありますが、実際の期間は契約によって異なります。
次の順番を意識しましょう。
1.福祉事務所へ転居について相談する
2.新しい物件の条件を確認する
3.物件を探す
4.見積書を福祉事務所へ提出する
5.入居審査を受ける
6.契約可能なことを確認する
7.現在の部屋の解約日を調整する
8.新しい物件を契約する
新居の入居日と現在の部屋の退去日を調整し、住まいのない期間が生じないようにしましょう。
■貸主や管理会社へ伝える必要はある?
生活保護を受給したことについて、貸主や管理会社へどこまで連絡が必要になるかは、契約内容や家賃の支払い方法などによって異なります。
生活保護の受給開始だけで、賃貸借契約の内容が自動的に変わるわけではありません。
一方、次のような場合は、貸主や管理会社への連絡が必要になる可能性があります。
・家賃の支払い方法を変更する
・代理納付を利用する
・振込名義が変わる
・保証会社へ登録した勤務先や収入状況が変わる
・緊急連絡先を変更する
・同居人や世帯人数が変わる
・契約更新に関する相談がある
・家賃の支払いが遅れている
まず賃貸借契約書と保証会社の規約を確認し、ケースワーカーや管理会社へ相談しましょう。
■管理会社へ相談するときの伝え方
管理会社へ連絡する場合は、必要な内容を簡潔に伝えます。
例えば、次のような内容を整理しておくと話を進めやすくなります。
・生活状況の変化により生活保護を受給することになった
・現在の契約を継続したい
・今後も家賃を支払う予定である
・住宅扶助が認定される予定である
・代理納付を利用する可能性がある
・必要な変更手続きがあるか確認したい
生活保護の詳しい理由や病歴など、契約手続きに必要のない個人情報まで説明する必要があるとは限りません。
家賃の支払い方法や契約上必要な変更に範囲を絞って確認しましょう。
■家賃の代理納付とは?
代理納付は、住宅扶助として認定された家賃などを、福祉事務所が本人に代わって貸主や管理会社へ直接支払う仕組みです。
代理納付が適用されると、本人が住宅扶助を受け取ってから家賃を振り込むのではなく、福祉事務所から指定口座へ支払われます。
代理納付には、次のような目的があります。
・家賃を確実に支払う
・家賃滞納を防ぐ
・入居者の居住を安定させる
・貸主の家賃支払いに対する不安を軽減する
ただし、代理納付を開始すれば、毎月の費用がすべて福祉事務所から支払われるとは限りません。
■代理納付の対象を確認する
代理納付の対象となる費用は、自治体や契約内容などによって異なる場合があります。
確認したい内容は次のとおりです。
・家賃
・共益費
・管理費
・本人が支払う費用
・代理納付の開始月
・毎月の振込日
・振込名義
・振込先口座
・保護の変更や廃止時の連絡
駐車場代、月額保証料、定額サービス料などは、本人が別に支払う可能性があります。
代理納付分と本人負担分を分けて把握しましょう。
■代理納付になると契約名義は変わる?
代理納付を利用しても、福祉事務所が賃借人になるわけではありません。
一般的には、現在の契約者がそのまま賃借人として契約を続け、家賃の支払いだけが福祉事務所から行われます。
そのため、入居者本人には引き続き次のような責任があります。
・賃貸借契約を守る
・本人負担分を支払う
・設備故障や事故を管理会社へ連絡する
・近隣へ配慮して生活する
・契約更新の手続きを行う
・退去時に解約手続きを行う
代理納付は、管理会社が生活上の相談すべてを福祉事務所へ任せられる仕組みではありません。
賃貸借契約上の連絡は、原則として契約者本人が行います。
■保証会社へ連絡が必要な場合
現在の賃貸借契約で保証会社を利用している場合は、受給開始や家賃支払い方法の変更について届出が必要になる可能性があります。
保証会社によって規約や手続きが異なるため、管理会社を通して確認しましょう。
主な確認項目は次のとおりです。
・勤務先や収入状況の変更届
・家賃支払い方法の変更
・代理納付利用時の取り扱い
・緊急連絡先の変更
・更新保証料
・滞納がある場合の報告
生活保護を受給したことだけで、保証契約が自動的に終了するとは限りません。
一方で、登録情報に変更がある場合は届出を求められることがあります。
■受給開始前の家賃滞納はどうなる?
生活保護を申請する前から家賃を滞納している場合は、早めに福祉事務所、貸主、管理会社、保証会社へ相談しましょう。
生活保護を受給したからといって、受給開始前の滞納家賃が自動的にすべて支払われるとは限りません。
確認する内容は次のとおりです。
・滞納している月
・滞納額
・保証会社が立て替えているか
・督促や契約解除に関する通知が届いているか
・分割払いについて相談できるか
・今後の家賃を代理納付にできるか
・法的手続きが進んでいるか
連絡を避けていると、状況が悪化する可能性があります。
手元に届いた督促状や通知書を持参し、福祉事務所へ相談しましょう。
■退去を求められている場合
家賃滞納などを理由に、貸主や管理会社から退去を求められている場合は、通知の内容を確認する必要があります。
単なる連絡、契約解除の通知、裁判所からの書類では、対応方法が異なります。
次のような書類が届いている場合は、放置しないようにしましょう。
・家賃の督促状
・内容証明郵便
・契約解除通知
・明渡しを求める通知
・裁判所からの訴状
・支払督促
・強制執行に関する書類
生活保護を申請したことだけで、進行中の法的手続きが自動的に止まるとは限りません。
福祉事務所だけでなく、法テラスや弁護士などへの相談が必要になる場合もあります。
■共益費や管理費も確認する
現在の部屋に住み続ける場合は、家賃以外の月額費用も確認します。
例えば、家賃は住宅扶助の範囲内でも、共益費、駐車場代、付帯サービス費用などを加えると、毎月の負担が大きくなる可能性があります。
主な費用は次のとおりです。
・共益費
・管理費
・駐車場代
・町会費
・定額水道料
・インターネット利用料
・24時間サポート費用
・月額保証料
住宅扶助の対象になる範囲や代理納付の対象は、福祉事務所へ確認しましょう。
■駐車場を借りている場合
現在の賃貸物件と一緒に駐車場を借りている場合は、駐車場代の支払いについても確認が必要です。
生活保護では、自動車の保有や使用について個別の確認を受けることがあります。
駐車場代が住宅扶助として認められるとは限りません。
自動車を所有または使用している場合は、次の内容をケースワーカーへ伝えましょう。
・自動車の所有者
・使用目的
・通勤や通院に必要か
・障害などの事情
・駐車場代
・自動車保険料
・維持費
自己判断で自動車や駐車場の契約を隠さず、福祉事務所へ相談しましょう。
■契約更新を迎える場合
生活保護受給開始後も現在の部屋に住み続ける場合は、賃貸借契約の更新時期が来ます。
更新時には、次のような費用がかかる可能性があります。
・契約更新料
・更新事務手数料
・火災保険料
・保証会社の更新保証料
必要やむを得ない更新費用については、認定される可能性があります。
ただし、すべての費用が必ず支給されるとは限りません。
更新案内が届いたら、支払期限より前にケースワーカーへ相談しましょう。
■火災保険を切らさない
生活保護を受給し始めても、賃貸借契約で必要とされている火災保険を自己判断で解約しないようにしましょう。
火災保険には、家財補償、借家人賠償責任、個人賠償責任などが含まれていることがあります。
保険を解約した状態で火災や水漏れが発生すると、高額な賠償責任を負う可能性があります。
保険料の支払いが難しい場合は、解約する前にケースワーカーと管理会社へ相談しましょう。
■契約内容と支払い記録を保管する
受給開始後も、賃貸借契約や家賃に関する書類を保管しましょう。
主に次の書類をまとめておくと安心です。
・賃貸借契約書
・重要事項説明書
・家賃の領収書や振込記録
・保証会社の契約書
・火災保険の証券
・契約更新の案内
・管理会社からの通知
・代理納付に関する書類
・福祉事務所へ提出した見積書
家賃の金額や契約条件に変更があった場合は、ケースワーカーへ伝えましょう。
■現在の住居について相談するときの確認項目
福祉事務所へ相談する際は、次の内容を整理しておくとスムーズです。
・現在の家賃
・共益費や管理費
・世帯人数
・部屋の間取り
・契約者名義
・保証会社の有無
・家賃の支払日
・滞納の有無
・契約更新日
・火災保険の更新日
・駐車場契約
・現在の住居を継続したい理由
・転居が難しい事情
分からない項目がある場合は、賃貸借契約書や管理会社からの書類を持参しましょう。
■埼玉県で現在の住まいや転居にお悩みの方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内のお部屋探しについてご相談を承っています。
「現在の家賃が住宅扶助の上限を超えている」
「今の部屋から転居する必要があると言われた」
「住宅扶助の範囲で借りられる物件を探したい」
「生活保護受給後の家賃支払い方法を確認したい」
「代理納付に対応できる物件を探したい」
「福祉事務所へ提出する物件資料や見積書が必要」
このような場合も、現在の家賃、世帯人数、住宅扶助の範囲、転居時期、初期費用などを確認しながら、必要な手続きを整理します。
生活保護を受給し始めたからといって、必ず現在の部屋からすぐに退去しなければならないわけではありません。
まずは福祉事務所へ現在の契約内容や生活状況を正しく伝え、現在の住居を継続できるか確認することが大切です。
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