
埼玉の賃貸物件で退去が決まったら?原状回復費用とオーナー様の対応を解説
埼玉県でアパートやマンション、戸建てなどを賃貸していると、入居者から退去の連絡を受けることがあります。
退去時には、解約日の確認、室内の状況確認、鍵の返却、原状回復工事、敷金の精算、次の入居者募集など、さまざまな対応が必要です。
なかでもトラブルになりやすいのが、壁紙や床、設備などの修繕費用を、オーナー様と入居者のどちらが負担するかという問題です。
「退去するなら入居前と同じ状態に戻してもらえる」と考えるオーナー様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、原状回復は、入居当時の新しい状態へ完全に戻すことではありません。
今回は、埼玉県で賃貸物件を所有しているオーナー様へ、退去が決まったときの対応、原状回復費用の考え方、退去立会いや敷金精算で注意したいポイントを解説します。
■退去の連絡を受けたら確認すること
入居者から退去の連絡を受けた場合は、まず賃貸借契約書を確認します。
主な確認項目は、次のとおりです。
・解約の申入れ方法
・解約予告期間
・解約日
・退去予定日
・退去立会いの日時
・日割り家賃の取り扱い
・短期解約違約金の有無
・鍵の返却方法
・原状回復に関する特約
・ハウスクリーニング費用
・敷金の金額
・未払いとなっている家賃などの有無
電話だけで退去の連絡を受けた場合は、解約届などの書面を提出してもらいましょう。
解約日と実際に引っ越す日は異なる場合があります。
いつまで家賃が発生するのかを入居者へ説明し、認識の違いが生じないようにすることが大切です。
■原状回復とは?
原状回復とは、入居者が故意・過失や通常の使用を超える使い方によって発生させた損傷などを修復することです。
入居していた期間に自然に古くなった部分や、通常の生活によって生じた損耗まで、すべて入居者負担で新品へ戻すことではありません。
原状回復費用を整理するときは、主に次の内容を確認します。
・損傷した場所
・損傷の状態
・損傷が発生した原因
・入居期間
・設備や内装材の使用年数
・入居時の状態
・修理や交換の履歴
・賃貸借契約書の内容
・原状回復に関する特約
・入居者からの報告状況
単に傷や汚れがあるというだけではなく、なぜ発生したのかを確認することが重要です。
■オーナー様負担となる可能性があるもの
建物や設備の経年変化、通常の生活によって発生する損耗については、一般的にオーナー様側の負担となります。
例として、次のようなものがあります。
・日光による壁紙や床の変色
・家具を設置していたことによる床のへこみ
・テレビや冷蔵庫の後ろに生じた電気焼け
・通常の使用による畳やフローリングの変色
・画びょうによる小さな穴
・設備や建具の経年劣化
・通常の清掃を行っていても生じる汚れ
・次の入居者を募集するための設備交換
・物件の価値を高めるためのリフォーム
・耐用年数を経過した設備の交換
ただし、実際の負担区分は損傷の状態や契約内容によって異なります。
通常損耗なのか、入居者の故意・過失による損傷なのかを確認して判断しましょう。
■入居者負担となる可能性があるもの
入居者の故意・過失、注意不足、通常とは異なる使用方法によって生じた損傷は、入居者負担となる可能性があります。
例として、次のようなものがあります。
・物をぶつけて壁や建具を破損した
・飲み物などをこぼしたまま放置してできた床の染み
・清掃を怠ったことによる著しいカビや水あか
・結露を放置したことで広がったカビ
・たばこの煙やヤニによる壁紙の変色やにおい
・ペットによる壁や床の傷
・無断で壁へ開けた大きな穴
・引っ越し作業で生じた床や壁の傷
・誤った使用方法による設備の破損
・鍵の紛失や破損
・設備の異常を報告せず、被害を拡大させた場合
入居者負担とする場合は、損傷箇所の写真や修理内容、見積書などを用意し、負担を求める理由を説明できるようにしましょう。
■入居者負担でも全額を請求できるとは限らない
入居者の過失によって壁紙や設備が損傷した場合でも、交換費用の全額をそのまま請求できるとは限りません。
壁紙、床材、設備などは、使用するほど価値が下がると考えられるためです。
入居年数、設置時期、過去の交換履歴などを確認し、経過年数を考慮して負担額を整理します。
例えば、長期間使用している壁紙の一部を入居者が汚した場合、新品へ交換する費用のすべてを入居者負担とするのではなく、経過年数や工事範囲を踏まえて判断する必要があります。
一方で、清掃費用や修理作業そのものに必要な費用など、経過年数だけでは判断できないものもあります。
国土交通省のガイドライン、賃貸借契約、損傷の状態などを確認しながら整理しましょう。
■壁紙の張り替え範囲はどう考える?
壁紙の一部に入居者負担となる傷や汚れがある場合、どの範囲まで張り替えるかが問題になることがあります。
損傷した部分だけで補修できる場合もあれば、色や柄を合わせるために一面を張り替える必要がある場合もあります。
ただし、損傷が一部にしかないにもかかわらず、部屋全体の壁紙交換費用を入居者へ請求すると、トラブルになる可能性があります。
次の内容を確認しましょう。
・損傷している場所
・損傷の大きさ
・部分補修が可能か
・壁紙の製品が現在も販売されているか
・張り替えが必要となる施工範囲
・壁紙を使用した年数
・入居者負担となる割合
・他の壁面を交換する理由
見た目を統一するためにオーナー様の判断で工事範囲を広げる場合は、その費用のすべてを入居者負担にできるとは限りません。
■たばこによる汚れやにおい
室内での喫煙によって、壁紙や天井にヤニ汚れやにおいが残ることがあります。
通常の清掃では除去できず、壁紙の張り替えや消臭作業が必要になる場合は、入居者負担となる可能性があります。
確認する内容は、次のとおりです。
・室内で喫煙していたか
・契約上、喫煙が禁止されていたか
・汚れやにおいの程度
・壁紙や天井の使用年数
・清掃で除去できるか
・張り替えが必要となる範囲
・消臭作業の内容
退去立会いの際は、写真だけでなく、室内のにおいについても記録しておくと状況を整理しやすくなります。
■ペットによる傷やにおい
ペット飼育可能な物件であっても、ペットによる傷やにおいの修繕費用が、すべてオーナー様負担になるわけではありません。
壁や床の引っかき傷、柱のかじり跡、排泄物による染み、室内に残った強いにおいなどは、入居者負担となる可能性があります。
ペットを飼育する場合は、契約時に次の内容を明確にしましょう。
・飼育できる動物の種類
・頭数
・敷金の追加
・退去時の消臭や清掃
・傷や汚れの修繕費用
・無断飼育が判明した場合の対応
・共用部分の利用方法
ペットに関する特約を設ける場合は、入居者が負担する内容や範囲を分かりやすく記載することが大切です。
■ハウスクリーニング費用は誰が負担する?
退去後には、次の入居者を迎えるためにハウスクリーニングを行うことがあります。
通常の清掃を行って退去した場合、次の入居者募集のために行う一般的なクリーニング費用は、原則としてオーナー様側の負担と考えられます。
ただし、賃貸借契約で退去時のクリーニング費用を入居者が負担する特約を設けている場合があります。
特約があれば必ず入居者へ請求できるとは限りません。
特約の内容、金額や範囲の分かりやすさ、入居者が内容を理解して合意しているかなどを確認する必要があります。
また、通常の清掃を著しく怠り、特別な清掃が必要になった場合は、その追加費用について入居者負担となる可能性があります。
■退去立会いで確認すること
退去立会いでは、オーナー様や管理会社と入居者が室内を確認します。
主な確認項目は次のとおりです。
・壁や天井の傷、汚れ
・床や畳の傷、染み、へこみ
・ドアや建具の破損
・キッチン、浴室、トイレの汚れ
・設備の動作状況
・エアコンや給湯器の状態
・たばこやペットのにおい
・残置物の有無
・入居者が設置した設備
・鍵の本数
・電気、ガス、水道の使用状況
・郵便物や宅配物の残り
・粗大ごみの放置
損傷が確認された場合は、場所、状態、大きさなどを写真や動画で記録しましょう。
可能であれば、入居時の写真やチェックリストと比較します。
その場で費用負担を断定できない場合は、「修理業者の見積もりを確認してから連絡する」と説明し、無理に金額を決めないことが大切です。
■立会い時の確認書へ署名を求める場合
退去立会いの際に、室内の損傷箇所を記載した確認書へ署名を求めることがあります。
確認書には、損傷の場所や状態を具体的に記載しましょう。
「原状回復費用をすべて負担する」など、範囲や金額が分からない内容だけで署名を求めると、後からトラブルになる可能性があります。
立会い時点で確認するのは、主に次の内容です。
・損傷がある場所
・損傷の状態
・入居者から確認した発生原因
・設備の不具合
・残置物
・返却された鍵
・後日見積もりを提示すること
損傷の原因や費用負担について意見が一致しない場合は、その点も記録しておきましょう。
■退去立会いを行えない場合
入居者の都合などにより、退去立会いを行えない場合もあります。
その場合は、退去後の室内を早めに確認し、写真や動画を残しましょう。
撮影する際は、部屋全体が分かる写真と、傷や汚れを近くから撮影した写真の両方を用意します。
次のような記録を残すと状況を説明しやすくなります。
・確認した日時
・確認した人
・各部屋の全景
・損傷箇所
・設備の状態
・残置物
・メーターの数値
・返却された鍵
・修理業者の点検結果
入居者へ請求する可能性がある損傷については、工事前の状態を必ず記録しましょう。
■原状回復工事の見積もりを確認する
退去後は、清掃業者や修繕業者へ原状回復工事の見積もりを依頼します。
見積書を確認するときは、次の内容を整理しましょう。
・工事を行う場所
・修理または交換が必要な理由
・工事範囲
・材料費
・作業費
・清掃費
・廃材処分費
・入居者負担となる項目
・オーナー様負担となる項目
・経過年数を考慮した負担割合
・工事完了予定日
「原状回復工事一式」だけでは、入居者へ費用の内訳を説明しにくくなります。
工事項目や数量、単価などが分かる見積書を用意しましょう。
■敷金を精算する
敷金を預かっている場合は、退去後に未払い家賃や入居者負担となる原状回復費用などを差し引いて精算します。
敷金から差し引く場合は、次の内容を明示しましょう。
・預かっている敷金
・未払い家賃や共益費
・入居者負担となる修繕費
・クリーニング費用
・鍵の紛失などに関する費用
・差し引く金額の合計
・返還する敷金
・返還予定日
敷金を超える費用を請求する場合は、請求する理由や内訳を入居者へ説明します。
一方で、差し引く費用がない場合や、敷金の残額がある場合は、契約内容に沿って返還しましょう。
■原状回復トラブルを防ぐには入居時の記録が重要
原状回復トラブルを防ぐためには、退去時だけでなく、入居時の状態を記録することが重要です。
入居前には、次のような対応を行いましょう。
・室内全体を撮影する
・既存の傷や汚れを撮影する
・設備の動作を確認する
・入居時チェックリストを作成する
・設備のメーカーや型番を記録する
・内装材や設備の交換日を記録する
・入居者にも室内の状態を確認してもらう
・原状回復の条件を契約時に説明する
・特約の内容を具体的に記載する
・写真や書類を退去まで保管する
入居時の記録がなければ、傷や汚れが入居前からあったのか、入居中に発生したのかを判断できない場合があります。
写真には撮影日が分かる形で記録を残しておくと安心です。
■退去後は次の入居者募集を早めに進める
退去が決まったら、原状回復だけでなく、次の入居者募集も進める必要があります。
退去予定が分かった段階で、次の内容を確認しましょう。
・募集を開始できる時期
・現在の募集賃料
・周辺の競合物件
・原状回復工事の予定
・室内写真の撮影日
・追加または交換する設備
・募集条件
・入居可能日
退去後にすべての準備を始めると、募集開始が遅れて空室期間が長くなる可能性があります。
工事内容や完了予定日を確認しながら、次の募集準備を進めましょう。
■埼玉県で退去対応や原状回復にお悩みのオーナー様へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内の賃貸管理についてご相談を承っています。
「入居者から退去の連絡が入った」
「退去立会いを任せたい」
「原状回復費用の負担区分が分からない」
「壁紙や床の修繕費用をどこまで請求できるか確認したい」
「敷金の精算方法に不安がある」
「退去後の修繕と次の募集をまとめて任せたい」
このような場合も、賃貸借契約、入居期間、室内の状態、損傷の原因、修繕内容などを確認しながら、必要な対応を整理していきます。
原状回復は、傷や汚れがあるという理由だけで、すべての費用を入居者へ請求するものではありません。
入居時と退去時の状態を記録し、契約内容や経過年数などを確認したうえで、負担区分を整理することが大切です。
埼玉県でアパート・マンション・戸建てなどの退去立会い、原状回復、敷金精算、次の入居者募集についてお悩みのオーナー様は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。