
生活保護でエアコン購入費は支給される?エアコンなし賃貸へ引っ越す前の確認点
埼玉県で生活保護を受給しながら賃貸物件を探している方のなかには、
「家賃は住宅扶助の範囲内だけど、エアコンが付いていない」
「生活保護ならエアコン代を出してもらえる?」
「今使っているエアコンを新居へ持っていけない」
「入居後にエアコンが壊れたら購入費は支給される?」
「エアコン本体だけでなく取付工事も必要」
「先に買ってからケースワーカーへ相談してもいい?」
と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
生活保護を受給しているからといって、エアコンの購入費がすべての場合で支給されるわけではありません。
一方、一定の事情があり、熱中症予防のために冷房器具が必要と認められる場合には、生活保護の一時扶助として購入費が認定される可能性があります。
厚生労働省の現在の実施要領では、一定の要件を満たし、熱中症予防が特に必要とされる方がいる世帯について、冷房器具の購入費を78,000円の範囲内で認定できるとされています。
ただし、誰でも自動的に78,000円を受け取れる制度ではありません。
福祉事務所が世帯の状況、現在所有している冷房器具、転居理由、健康状態、住環境などを確認して判断します。
今回は、生活保護を受給中・申請中の方が賃貸物件を探す際に知っておきたい、エアコン購入費と物件選びについて解説します。
■生活保護ならエアコン代は必ず支給される?
必ずではありません。
生活保護では、日常生活に必要な家具や家電などについては、原則として毎月の保護費をやりくりして購入する考え方があります。
ただし、通常の生活費だけでは対応することが難しい特別な事情がある場合に、家具什器費として一時的な費用が支給される場合があります。
さいたま市の「保護のしおり」でも、家具什器費について、
・保護開始時
・長期入院や入所後の退院・退所時
・転居時の設備の違い
・災害による喪失
など、一定の場合に支給される可能性があり、必ず事前に担当員へ相談するよう案内されています。
そのため、
「生活保護だからエアコン代を出してもらえる」
と考えるのではなく、
自分の状況が支給条件に該当する可能性があるかを、購入前にケースワーカーへ確認する
ことが重要です。
■どんな場合にエアコン購入費を相談できる?
厚生労働省は、冷房器具について、一定の事情がある場合に一時扶助として購入費を認定できる仕組みを設けています。
代表的には、
・生活保護を開始した時点で冷房器具を持っていない
・長期入院・入所後に退院・退所し、新たに単身生活を始める
・災害で冷房器具を失った
・転居先の設備条件が異なり、現在持っている冷房器具を使用できない
・犯罪や家庭内の暴力などから安全を確保するため転居し、冷房器具を持っていない
などの場合です。
ただし、これらに該当するだけで自動的に支給されるわけではありません。
さらに、熱中症予防の必要性なども含めて福祉事務所が判断します。
■「熱中症予防が特に必要な人」とは?
厚生労働省は、冷房器具費の判断について、健康状態や住環境などを総合的に考慮するとしています。
具体例として、
・高齢者
・障害のある方・子ども
・小児
・難病患者
などは、体温調節への配慮が必要な方として例示されています。
ただし、年齢や病名だけで機械的に決まるものではありません。
実際に支給対象となるかは、担当する福祉事務所が世帯ごとに判断します。
■現在の上限はいくら?
現在の厚生労働省の実施要領では、条件を満たす場合の冷房器具購入費について、
78,000円の範囲内
で必要額を認定できるとされています。
ここで注意したいのは、
78,000円が一律に支給されるという意味ではない
ことです。
実際に必要となる機器、見積金額、世帯状況などを確認したうえで必要額が判断されます。
また、本体以外に設置工事などが必要になる場合があります。
その取り扱いについても、エアコンを購入・工事予約する前にケースワーカーへ確認しましょう。
■自分で高いエアコンを選んでもいい?
一時扶助として認定される場合でも、自由に高額な機種を購入し、その全額を支給してもらえるという仕組みではありません。
生活保護では、最低生活に必要となる範囲で費用が判断されます。
例えば、
・大型の高性能機種
・高級グレード
・不要な付加機能
などを希望しても、その費用すべてが認められるとは限りません。
ケースワーカーから、
「見積書を取ってください」
と案内される場合は、指定された内容に沿って見積もりを準備しましょう。
■先に購入してから申請してもいい?
おすすめできません。
さいたま市では、臨時的費用について、多くの場合事前の相談と見積書・領収書などが必要と案内しています。
そのため、
「暑いから先に家電量販店で買った」
「ネット通販で注文してからケースワーカーへ伝えた」
という進め方では、予定していた費用が認められない可能性があります。
エアコンが必要だと感じた段階で、まずケースワーカーへ相談しましょう。
■今使っているエアコンを新居へ持っていけない場合
生活保護を受給中に転居する場合、
「現在の部屋には自分で購入したエアコンがある」
という方もいます。
通常であれば、そのエアコンを新居へ移設する方法を検討します。
しかし、
・新居に取付場所がない
・電源やコンセントが合わない
・室外機を設置できない
・建物の構造上取り付けられない
・現在の機器を移設できない
など、新旧住居の設備条件の違いによって、現在所有している冷房器具を利用できない場合があります。
厚生労働省の実施要領でも、転居時に新旧住居の設備の違いで現在所有している家具什器を使用できない場合が対象となり得る条件の一つとして示されています。
だからこそ、生活保護受給中の物件探しでは、
家賃だけでなく、今持っているエアコンを使える物件なのか
まで確認することが重要です。
■エアコンなし物件を契約してから相談すればいい?
先に契約することは避けた方が安心です。
例えば家賃が住宅扶助の範囲内でも、
「エアコンがない」
「今持っている機器を取り付けられない」
という問題が後から分かる可能性があります。
物件を見つけた段階で、
・エアコンは設備として付いているか
・自分のエアコンを持ち込めるか
・新規設置できるか
を確認し、その内容をケースワーカーへ伝えましょう。
生活保護受給中の転居については、スマイファミリーの既存記事でも、物件を契約する前にケースワーカーへ相談し、見積書などを提出することを案内しています。
■物件の「エアコンあり」は設備か残置物か確認する
ここも重要です。
賃貸物件の室内にエアコンが設置されていても、
・貸主設備
・前入居者の残置物
では扱いが異なる場合があります。
例えば残置物の場合、
「使ってもよいが、故障しても貸主は修理・交換しない」
という契約条件になっていることがあります。
そのため生活保護受給中で、
「エアコン付きだからこの部屋なら安心」
と思って契約した後に故障し、
「実は残置物なので修理対象外です」
となる可能性も考えておく必要があります。
申込み前に、
「このエアコンは貸主設備ですか?残置物ですか?」
と確認しましょう。
■設備のエアコンが故障した場合
貸主設備として設置されているエアコンが通常使用で故障した場合は、まず管理会社へ連絡します。
賃貸住宅の設備であれば、契約内容や故障原因を確認したうえで、貸主側で修理や交換を行う場合があります。
この場合、
「生活保護から新しいエアコン購入費を出してもらおう」
と考える前に、賃貸借契約上の設備修理として対応できるか確認することが先です。
自分で新しいエアコンを購入しないようにしましょう。
■自分で購入したエアコンが壊れた場合
一方、自分で所有しているエアコンが通常使用中に故障した場合は取り扱いが異なります。
さいたま市では、家具什器費について、災害等を理由としない通常の家具の故障は支給対象外と案内しています。
厚生労働省も、特別な事情がない生活保護世帯では、エアコンの購入や故障時の対応を毎月の保護費のやりくりで行うことを原則としています。必要に応じて生活福祉資金貸付を案内する考え方も示しています。
つまり、
「壊れた=新しいエアコン代が一時扶助で必ず出る」
ということではありません。
故障した場合でも、勝手に判断せずケースワーカーへ相談しましょう。
■エアコンを新しく設置できる物件か確認する
エアコンが付いていない賃貸物件へ新しく設置する場合は、福祉制度だけでなく賃貸物件側の確認も必要です。
主に確認したいのは、
・エアコン用コンセント
・配管穴
・室外機置場
・設置できる部屋
・貸主の工事承諾
です。
物件によっては既存の配管穴がなく、外壁へ穴を開けなければならない場合があります。
賃貸住宅では、借主が自由に建物へ穴を開けられるとは限りません。
購入前に管理会社へ確認しましょう。
■「取付可能」と「簡単に取り付けられる」は違う
管理会社から、
「エアコン設置は可能です」
と言われても、工事条件によって費用が変わる場合があります。
例えば、
・室外機がベランダへ置けない
・配管を長く延ばす必要がある
・専用回路がない
・高所作業が必要
などです。
そのため、福祉事務所へ相談する際には、
本体価格だけでなく設置条件も把握しておく
ことが重要です。
工事費の取り扱いについては、事前にケースワーカーへ確認しましょう。
■引っ越し前にエアコンの有無を伝える
生活保護受給中の方がお部屋探しをするときは、不動産会社へ、
「生活保護を受給中です」
だけでなく、
「現在エアコンを持っています」
「現在エアコンを持っていません」
「転居先には設備としてエアコンが必要です」
なども伝えておくと物件を絞りやすくなります。
特に高齢者など、熱中症予防への配慮が必要な方の場合は、エアコン設備のある物件を優先する方法も考えられます。
■エアコン付き物件ならどこでも同じ?
同じではありません。
例えば、
・エアコン1台のみ
・全部屋にエアコンあり
・リビングのみ
・残置物
・設備として保証あり
などがあります。
2DKや2LDKの物件でも、エアコンは1部屋だけというケースがあります。
世帯人数や普段使用する部屋を考えて確認しましょう。
■高齢者の一人暮らしでは特に確認
生活保護を受給している高齢者の方がお部屋を探す場合は、
・エアコン
・階数
・エレベーター
・病院への距離
・見守り
・緊急連絡先
など、家賃以外にも確認したい内容があります。
スマイファミリーHPでも、生活保護受給中の高齢者について、家賃だけでなく見守りや緊急時の対応を含めた物件探しを扱っています。
エアコンもその一つとして、契約前に確認しましょう。
■見積書をもらったら勝手に契約しない
物件が決まり、不動産会社から初期費用の見積書を受け取った場合は、契約や支払いを行う前にケースワーカーへ確認しましょう。
エアコンが必要な場合は、
・物件にエアコンがないこと
・現在エアコンを所有しているか
・移設できるか
・購入が必要か
・設置工事が必要か
なども合わせて説明します。
福祉事務所から追加の見積書などを求められた場合は、その案内に従いましょう。
■エアコン代を理由に高い家賃の物件を選べる?
エアコンが付いているからという理由で、住宅扶助の基準を超える高い家賃の物件が自動的に認められるわけではありません。
生活保護受給中の転居では、
・住宅扶助の範囲
・世帯人数
・転居理由
・物件条件
などを確認します。
エアコン付きで住宅扶助の範囲内に収まる物件を探す方法もあります。
希望地域で条件に合う物件が少ない場合は、不動産会社とケースワーカーの両方へ相談しながら進めましょう。
■エアコンなし物件が家賃だけ安い場合
例えば、
A物件
家賃45,000円
エアコン設備あり
B物件
家賃42,000円
エアコンなし
という場合があります。
家賃だけを見ればB物件が安く見えます。
しかし、
・エアコン購入
・取付工事
・将来の故障対応
まで考えると、必ずしもB物件の方が負担が小さいとは限りません。
生活保護受給中のお部屋探しでは、住宅扶助上限だけでなく、入居後に必要になる設備まで考えて比較することが大切です。
■物件内見時に確認したいこと
生活保護受給中でエアコンを重視する場合は、内見時に次の内容を確認しましょう。
・エアコンの有無
・設備か残置物か
・設置台数
・どの部屋にあるか
・追加設置できるか
・エアコン用コンセント
・配管穴
・室外機置場
・現在持っている機器を移設できるか
・設置に貸主承諾が必要か
写真だけでは判断できない項目もあります。
不動産会社へ質問しましょう。
■ケースワーカーへ相談するときに整理したいこと
エアコンについて相談する場合は、
・現在の住居にエアコンがあるか
・誰の所有物か
・現在使用できる状態か
・転居先にエアコン設備があるか
・現在のエアコンを移設できるか
・購入見積額
・設置工事の有無
・転居予定日
などを整理しておくと相談しやすくなります。
特に支給を希望する場合は、購入してからではなく購入前に相談することが重要です。
■埼玉県で生活保護を受給しながらお部屋を探している方へ
スマイファミリー大宮店では、大宮を中心に埼玉県内で生活保護を受給中・申請中の方からのお部屋探しについてご相談を承っています。
「住宅扶助の範囲で物件を探したい」
「エアコン付きの部屋を探したい」
「高齢なのでエアコンがない部屋は不安」
「現在のエアコンを新居へ移設できるか確認したい」
「ケースワーカーへ提出する物件資料や見積書が必要」
「生活保護対応の物件がなかなか見つからない」
このような場合も、住宅扶助、世帯人数、希望地域、必要設備などを確認しながら物件をお探しします。
生活保護では、一定の条件を満たす場合にエアコンなどの冷房器具購入費が一時扶助として認定される可能性がありますが、すべての世帯へ一律に支給されるものではありません。 厚生労働省の現在の基準では、要件を満たした場合に78,000円の範囲内で必要額を認定できる仕組みとなっています。
物件を先に契約したり、エアコンを先に購入したりせず、
ケースワーカーへ相談 → 物件設備を確認 → 必要な見積もりを準備 → 確認後に手続きを進める
という順番を意識しましょう。
埼玉県で生活保護を受給しながら、エアコンなどの設備条件まで確認して賃貸物件をお探しの方は、スマイファミリー大宮店へお気軽にご相談ください。
