
埼玉の空き家を売却するには?相続登記や残置物、解体前の確認事項
埼玉県内に使用していない実家や住宅を所有しているものの、「何から始めればよいか分からない」「荷物が残ったままでも相談できる?」「古い家は解体してから売るべき?」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
空き家の売却では、通常の住宅売却と同じように価格や売却方法を考えるだけでなく、登記名義、相続人、残置物、建物の状態、境界、税金などを確認する必要があります。
遠方に住んでいる場合や相続人が複数いる場合は、準備に時間がかかることもあります。
空き家を長期間使用しないままにすると、建物の劣化が進み、管理の負担や近隣トラブルにつながる可能性があります。
今回は、埼玉県で空き家や相続した実家の売却を検討している方へ、最初に確認したいこと、売却までの流れ、解体や片付けを行う前の注意点を解説します。
■最初に不動産の名義を確認する
空き家を売却するためには、その不動産の所有者を確認する必要があります。
固定資産税の納税通知書を受け取っている人と、登記上の所有者が同じとは限りません。
まずは、土地と建物の登記事項証明書などで次の内容を確認しましょう。
・土地の所有者
・建物の所有者
・共有者の有無
・土地と建物の名義が同じか
・抵当権などの権利が残っていないか
・登記上の住所や氏名
土地は親名義、建物は祖父母名義のままになっているなど、土地と建物で所有者が異なる場合もあります。
共有名義の不動産を全体として売却する場合は、原則として共有者全員の協力が必要になります。
「家族だから売却できるだろう」と考えず、早い段階で登記の状態を確認することが大切です。
■相続した空き家は相続登記を確認する
亡くなった方の名義のままでは、原則として相続した不動産をそのまま買主へ売却することはできません。
売却前に、相続人への所有権移転登記が必要になります。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に、正当な理由なく相続登記を行わなかった場合は、過料の対象となる可能性があります。
制度開始前に発生した相続についても対象となる場合があるため、長期間名義を変更していない実家などを所有している方は注意が必要です。
相続登記では、状況に応じて次のような書類が必要になることがあります。
・被相続人の戸籍謄本など
・相続人の戸籍謄本
・住民票
・固定資産評価証明書
・遺言書
・遺産分割協議書
・相続人の印鑑証明書
必要書類や手続きは、遺言書の有無、相続人の人数、遺産分割の状況などによって異なります。
判断が難しい場合は、法務局や司法書士へ確認しましょう。
■相続人を確認する
相続した空き家を売却するときは、誰が相続人になるのかを確認する必要があります。
家族が把握していなかった相続人が見つかったり、過去の相続手続きが完了していなかったりすることもあります。
特に、次のような場合は手続きに時間がかかる可能性があります。
・相続人が複数いる
・相続人の一部と連絡が取れない
・相続が複数回発生している
・遺産分割協議が終わっていない
・相続人のなかに未成年者がいる
・相続人が海外に住んでいる
・遺言書の内容を確認する必要がある
売却の相談や価格査定は相続登記前でもできる場合がありますが、実際に売買契約や所有権移転を進めるには、相続関係を整理する必要があります。
「買主が見つかってから手続きすればよい」と考えると、売却期限に間に合わない可能性があります。
早めに相続人と登記の状況を確認しましょう。
■空き家を放置するリスク
人が住まなくなった住宅は、定期的な換気、通水、清掃、庭木の手入れなどが行われにくくなります。
長期間放置すると、次のような問題が発生する可能性があります。
・雨漏り
・室内の湿気やカビ
・給排水管の劣化
・害虫や害獣の侵入
・庭木や雑草の繁茂
・外壁や屋根材の落下
・不法投棄
・郵便物の蓄積
・不審者の侵入
・火災
・近隣への影響
台風や大雨、強風の後に建物の一部が破損していても、所有者が遠方に住んでいると気づくのが遅れることがあります。
建物の老朽化によって周囲へ損害を与えた場合、所有者の責任が問題になる可能性もあります。
売却方針が決まっていない段階でも、定期的に状態を確認し、必要な管理を続けることが大切です。
■空き家に残った荷物はどうする?
空き家には、家具、家電、衣類、食器、書類、写真などが残っていることがあります。
売却前にすべて処分しなければ相談できないと思われる方もいますが、荷物が残った状態でも不動産会社へ相談することはできます。
先にすべてを処分するのではなく、売却方法や建物の扱いを確認してから片付ける範囲を決める方法もあります。
片付け前には、次の物が残っていないか確認しましょう。
・権利証や登記識別情報
・固定資産税の納税通知書
・建築確認に関する書類
・測量図や境界に関する書類
・購入時の売買契約書
・住宅ローンに関する書類
・リフォームや修繕の記録
・通帳や印鑑
・保険証券
・遺言書
・貴金属や現金
・家族の写真や思い出の品
不用品回収業者へ依頼する前に、重要書類や貴重品を分けておくことが大切です。
相続人が複数いる場合は、思い出の品や価値のある物を誰が取得するか確認してから処分しましょう。
■残置物を残したまま売却できる場合
売却方法や買主の条件によっては、建物内の残置物を残した状態で引き渡せる場合があります。
ただし、残置物の処分費用が売却条件や価格へ影響する可能性があります。
残置物を残す場合は、次の内容を明確にしましょう。
・何を残すのか
・誰が処分するのか
・処分費用を誰が負担するのか
・引き渡し後の所有権をどうするのか
・エアコンや照明を設備として扱うのか
・仏壇や神棚などをどうするのか
買主が残置物を処分する条件で売却する場合も、契約書で取り扱いを明確にする必要があります。
口頭だけで済ませず、不動産会社へ相談しながら条件を整理しましょう。
■建物を解体するか残したまま売るか
古い空き家を売却するときは、建物を残したまま売る方法と、解体して更地で売る方法があります。
どちらが適しているかは、建物の状態、立地、土地の条件、買主の需要、解体費用などによって異なります。
建物を残したまま売る場合には、次のような特徴があります。
・先に解体費用を用意しなくてよい
・中古住宅やリフォーム物件として検討してもらえる可能性がある
・買主が建物を使用するか解体するか選べる
・建物の状態によっては売却条件の調整が必要になる
更地で売る場合には、次のような特徴があります。
・土地の状態を確認しやすくなる
・新築用地を探す買主が検討しやすくなる場合がある
・解体費用が必要になる
・建物解体後に地中埋設物が見つかることがある
・固定資産税などの負担が変わる可能性がある
解体すれば必ず高く売れるとは限りません。
反対に、古い建物を残したほうが必ず得になるとも限りません。
査定や販売方法を確認せずに解体するのではなく、建物がある状態と更地にした場合の両方を比較してから判断しましょう。
■解体前に確認したいこと
建物を解体する場合は、解体業者へ依頼する前に次の内容を確認しましょう。
・建物の構造と面積
・アスベスト調査の必要性
・道路の幅や工事車両の進入状況
・隣地との距離
・電気、ガス、水道の停止手続き
・井戸や浄化槽の有無
・庭石、物置、樹木、塀の撤去範囲
・建物滅失登記
・自治体の補助制度
・解体後の固定資産税への影響
解体費用の見積もりでは、建物本体だけでなく、残置物、塀、庭木、物置などの撤去費用が別になっていることがあります。
見積書に含まれる工事範囲を確認し、追加費用が発生する条件も聞いておきましょう。
自治体によっては、一定の条件を満たす老朽空き家の解体などに補助制度を設けている場合があります。
着工後では申請できない制度もあるため、工事契約前に所在地の市町村へ確認することが大切です。
■建物の状態を確認する
空き家を売却するときは、所有者が把握している建物の状態や不具合を整理します。
主に次の内容を確認しましょう。
・雨漏り
・シロアリ被害
・建物の傾き
・給排水管の故障
・外壁や屋根の破損
・床の腐食
・カビや結露
・火災や浸水の履歴
・増築や改築
・設備の故障
・過去の修繕履歴
売主が知っている不具合を伝えずに売却すると、引き渡し後のトラブルにつながる可能性があります。
自分で判断できない部分については、不動産会社や建物調査を行う専門家へ相談する方法があります。
建物が古いという理由だけで、売却前に大規模なリフォームを行う必要があるとは限りません。
費用をかけて修繕しても、売却価格へ同じ金額を上乗せできるとは限らないため、先に販売方針を確認しましょう。
■土地の境界を確認する
空き家の売却では、土地の境界も重要です。
古い住宅では、境界標が見つからない、塀の位置と登記上の境界が一致しない、隣地の物が越境しているなどの問題が見つかることがあります。
主な確認項目は次のとおりです。
・境界標の有無
・確定測量図などの資料
・塀やフェンスの位置
・庭木や屋根の越境
・隣地からの越境物
・私道の持分
・道路との境界
・敷地面積と登記面積
測量が必要になる場合は、隣地所有者との立会いや書類作成に時間がかかることがあります。
相続した空き家で隣地の所有者を知らない場合もあるため、売却を急いでいる方は早めに確認しましょう。
■接道や再建築の条件を確認する
建物が現在建っていても、同じ敷地に新しい建物を再建築できるとは限りません。
道路への接し方、道路の種類、接道幅などによっては、再建築が難しい場合や、建て替え時に敷地を後退させる必要がある場合があります。
購入希望者が住宅ローンを利用する際にも、物件の条件が審査へ影響する可能性があります。
主に次の内容を確認しましょう。
・接している道路の種類
・敷地が道路に接している長さ
・道路の幅
・セットバックの必要性
・私道の持分
・通行や掘削に関する権利
・再建築の可否
・用途地域などの法令上の制限
再建築できない可能性がある物件でも、売却できないと決まるわけではありません。
ただし、販売価格や買主の範囲に影響する可能性があるため、早めに条件を確認しておくことが大切です。
■住宅ローンや抵当権が残っている場合
登記事項証明書に抵当権などが記載されている場合は、売却時に抹消できるか確認する必要があります。
住宅ローンを完済していても、抵当権の抹消登記をしていないことがあります。
また、古い抵当権で金融機関の名称が変わっていたり、必要書類を紛失していたりすると、手続きに時間がかかる場合があります。
売却代金で住宅ローンを返済する場合は、次の金額を確認しましょう。
・住宅ローンの残高
・売却予想価格
・仲介手数料
・登記費用
・測量費用
・解体や片付けの費用
・税金などの諸費用
売却代金だけではローン残高や費用を支払えない場合は、不足分をどのように用意するか検討する必要があります。
金融機関と不動産会社へ早めに相談しましょう。
■空き家の売却にかかる主な費用
空き家の売却では、物件の状況や売却方法によって次のような費用が必要になる可能性があります。
・仲介手数料
・印紙税
・抵当権抹消などの登記費用
・相続登記の費用
・測量費用
・残置物の処分費用
・建物の解体費用
・ハウスクリーニング費用
・建物調査の費用
・譲渡所得にかかる税金
すべての費用が必ず必要になるわけではありません。
売却価格だけでなく、売却後に手元へ残る金額を考えるため、想定される費用を整理しましょう。
■空き家売却と税金
不動産を売却して利益が生じた場合は、譲渡所得に対して税金がかかる可能性があります。
譲渡所得は、単純に売却価格全額へ課税されるものではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いて計算します。
相続した空き家については、一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例を利用できる可能性があります。
ただし、対象となる建物、相続後の使用状況、売却時期、売却価格、耐震改修や解体の状況などに条件があります。
相続人が複数いる場合など、控除額の取り扱いが異なることもあります。
「相続した実家を売れば必ず特例を使える」とは限りません。
売却方法や解体時期によって適用の可否に影響する可能性があるため、売買契約や解体を進める前に税務署や税理士へ確認しましょう。
■固定資産税の住宅用地に関する取り扱い
住宅が建っている土地には、一定の要件を満たす場合、固定資産税などを軽減する住宅用地の特例が適用されています。
建物を解体して更地にすると、この特例が適用されなくなり、翌年度以降の税負担が変わる可能性があります。
また、管理状態が著しく悪い空き家について、自治体から所定の勧告を受けた場合なども、住宅用地に関する特例の対象外となる可能性があります。
解体する時期や売却予定時期を考えずに工事を進めると、想定していたより固定資産税の負担が増えることがあります。
解体前には、不動産会社や所在地の市町村へ確認しましょう。
■売却方法を比較する
空き家の主な売却方法には、不動産会社が買主を探す仲介と、不動産会社などが直接購入する買取があります。
仲介には、次のような特徴があります。
・市場で購入希望者を探す
・条件が合えば希望に近い価格で売却できる可能性がある
・売却までに時間がかかる場合がある
・内見や契約条件の調整が必要になる
買取には、次のような特徴があります。
・条件が合えば比較的短期間で進められる場合がある
・残置物や建物の状態を含めて相談できることがある
・一般の購入希望者へ売る場合より価格が低くなる可能性がある
・すべての物件が買取対象になるとは限らない
どちらが適しているかは、希望価格、売却期限、建物の状態、片付けの負担などによって異なります。
複数の方法を比較し、優先したい条件を整理しましょう。
■空き家を売却する一般的な流れ
空き家の売却は、一般的に次のような流れで進めます。
・登記名義と相続人を確認する
・必要に応じて相続登記を進める
・不動産会社へ相談する
・現地調査と価格査定を受ける
・残置物や建物の扱いを決める
・仲介または買取などの売却方法を選ぶ
・必要に応じて測量や解体を行う
・販売活動を始める
・買主と売買契約を結ぶ
・残代金を受け取り、物件を引き渡す
・必要に応じて確定申告を行う
物件によっては、相続登記、測量、残置物処分などを並行して進めることがあります。
どの作業を先に行うべきかは状況によって異なるため、すべて自己判断で進めるのではなく、不動産会社や専門家へ相談しながら整理しましょう。
■遠方に住んでいる場合
空き家が埼玉県内にあり、所有者や相続人が県外に住んでいる場合でも、売却の相談は可能です。
現地へ何度も行くことが難しい場合は、次の内容を不動産会社へ確認しましょう。
・鍵の受け渡し方法
・現地確認の立会いが必要か
・オンラインや電話で相談できるか
・郵送で進められる手続き
・残置物処分を依頼できる業者
・建物管理や定期巡回への対応
・契約や決済時の本人確認方法
委任状などを利用できる手続きもありますが、売却に関するすべての手続きを本人不在で進められるとは限りません。
本人確認や契約方法について早めに相談しましょう。
■埼玉県で空き家や相続した実家の売却を検討している方へ
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「相続した実家を売却したい」
「登記名義が亡くなった親のままになっている」
「家具や荷物が残っていて片付けられない」
「古い建物を解体するべきか迷っている」
「遠方に住んでいて空き家を管理できない」
「仲介と買取のどちらが合うか知りたい」
このような場合も、登記名義、相続の状況、残置物、建物の状態、ご希望の売却時期などを伺いながら、必要な準備と売却方法を整理していきます。
空き家は、長期間放置するほど建物の劣化が進み、管理や売却の負担が大きくなる可能性があります。
すぐに売却するか決まっていない段階でも、現在の状態や売却した場合の価格を確認しておくことが大切です。
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