
埼玉の賃貸住宅で台風・大雨に備えるには?入居者が確認したい防災対策
埼玉県では、台風や発達した雨雲などの影響により、短時間に強い雨が降ることがあります。
河川の増水や氾濫だけでなく、道路の冠水、低い土地への浸水、下水道で雨水を流しきれないことによる内水氾濫などにも注意が必要です。
賃貸住宅に住んでいる方のなかには、「マンションなら浸水の心配はない?」「窓やベランダはどこまで自分で対策する?」「被害が出たら管理会社と保険会社のどちらへ連絡する?」と疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
台風や大雨が近づいてから準備を始めると、必要な物が手に入らなかったり、屋外での作業が危険になったりする可能性があります。
今回は、埼玉県の賃貸住宅に住んでいる方へ、台風や大雨の前に確認したいこと、室内やベランダでできる対策、避難の考え方、被害が発生した場合の対応を解説します。
■最初に自宅周辺の災害リスクを確認する
同じ市内でも、河川との距離、土地の高さ、周囲の地形などによって災害リスクは異なります。
まずは、住んでいる市町村が公表しているハザードマップを確認しましょう。
主に確認したい内容は次のとおりです。
・洪水による浸水想定区域
・想定される浸水の深さ
・浸水が続く可能性がある時間
・内水氾濫の想定区域
・土砂災害警戒区域
・指定避難所や指定緊急避難場所
・避難場所までの経路
・アンダーパスなどの危険箇所
ハザードマップでは、住所が浸水想定区域に含まれているかだけでなく、想定される水深も確認することが大切です。
マンションの上層階に住んでいて室内への浸水リスクが比較的低い場合でも、エントランス、エレベーター、機械式駐車場、電気設備などが被害を受ける可能性があります。
建物から出られなくなることや、停電・断水が続くことも考えて準備しましょう。
■避難場所と避難経路を決めておく
災害が発生してから避難場所を調べると、通信障害や停電によって情報を確認できない可能性があります。
平常時に次の内容を確認しておきましょう。
・自宅から近い避難場所
・災害の種類に対応しているか
・徒歩で安全に移動できる経路
・河川や水路を避けられる経路
・夜間でも通行できるか
・家族が別々にいる場合の集合場所
・離れて暮らす家族への連絡方法
・ペットと避難できる場所
指定避難所が近くても、そこへ向かう途中に冠水しやすい道路や河川がある場合は注意が必要です。
避難経路は一つだけでなく、複数考えておくと安心です。
避難とは、必ずしも指定避難所へ行くことだけではありません。
安全な地域に住む親族や知人の家、宿泊施設などへ早めに移動する方法もあります。
ただし、自宅が安全な場所にある場合は、屋外へ出ることがかえって危険になることもあります。
自宅の災害リスクと周辺の状況を確認し、自分に合った避難方法を考えておきましょう。
■警戒レベルと避難情報を確認する
大雨の際は、自治体から発令される避難情報や、気象庁が発表する防災気象情報を確認します。
警戒レベル3の「高齢者等避難」が発令された場合は、避難に時間がかかる高齢者、障害のある方、乳幼児がいる家庭などは、危険な場所から避難を始めます。
警戒レベル4の「避難指示」が発令された場合は、危険な場所にいる方が避難する段階です。
警戒レベル5の「緊急安全確保」は、すでに災害が発生または切迫し、安全な避難が難しい可能性がある状況です。
警戒レベル5の発令を待つのではなく、警戒レベル4までに危険な場所から避難することが重要です。
自治体の避難情報だけでなく、気象庁のキキクル、河川の水位情報、雨雲の動きなども確認しましょう。
夜間に雨が強くなることが予想される場合は、暗くなってから移動するのではなく、明るいうちに避難することも検討します。
■ベランダやバルコニーを片付ける
台風による強風でベランダの物が飛ばされると、窓ガラスを割ったり、周囲の建物や人へ被害を与えたりする可能性があります。
風が強くなる前に、次のような物を室内へ移動しましょう。
・植木鉢
・物干し竿
・ハンガー
・サンダル
・ごみ箱
・清掃用品
・子どものおもちゃ
・アウトドア用品
・折りたたみ椅子
・収納ボックス
室内へ移動できない物は、風で動かないよう安全な方法で固定します。
ただし、建物へ穴を開けたり、共用部分へ無断で金具を設置したりすることは避けましょう。
バルコニーは、緊急時の避難経路になっている場合があります。
隣の住戸との間にある隔て板や避難はしごの周辺へ物を置かず、避難経路をふさがないようにしましょう。
■排水口を掃除する
ベランダの排水口に落ち葉、土、ごみなどが詰まっていると、強い雨が降った際に水が流れにくくなる可能性があります。
排水できない水がたまると、室内へ水が入ったり、下の階へ漏水したりすることも考えられます。
台風や大雨の前には、安全に確認できる範囲で次の場所を掃除しましょう。
・ベランダの排水口
・バルコニーの溝
・玄関前の排水周辺
・専用庭の排水部分
共用廊下や建物全体の排水設備に問題がある場合は、自分で分解や修理をせず、管理会社へ連絡しましょう。
雨が強くなってから屋外へ出て掃除を行うことは危険です。
風雨が弱いうちに準備を終えることが大切です。
■窓や雨戸を確認する
雨戸やシャッターが設置されている場合は、正常に閉められるか事前に確認しましょう。
長期間使用していないと、さびや汚れによって動かしにくくなっていることがあります。
窓の周辺では、次の内容を確認します。
・窓が確実に閉まるか
・鍵がかかるか
・雨戸やシャッターが動くか
・網戸にがたつきがないか
・窓枠から雨水が入った形跡がないか
・カーテンを閉められる状態か
窓ガラスへの養生テープは、ガラスそのものを強くするものではありません。
飛来物による破損を完全に防げるわけではないため、屋外の飛びやすい物を片付けることを優先しましょう。
窓ガラスが割れた場合に備え、カーテンやブラインドを閉め、窓の近くで過ごさないことも大切です。
窓や雨戸に不具合がある場合は、台風が近づく前に管理会社へ相談しましょう。
■停電に備える
台風や大雨では、倒木、飛来物、浸水などによって停電が発生する可能性があります。
停電に備えて、次の物を準備しておきましょう。
・懐中電灯
・乾電池
・モバイルバッテリー
・携帯ラジオ
・充電式照明
・常用薬
・現金
・保冷剤
・簡易トイレ
スマートフォンは、防災情報の確認や家族との連絡に必要です。
台風が接近する前に本体とモバイルバッテリーを充電しておきましょう。
ろうそくは火災につながる危険があるため、停電時の照明には懐中電灯や充電式ライトを使用すると安心です。
オートロック、エレベーター、給水ポンプなどは、停電によって使用できなくなる場合があります。
高層階に住んでいる方は、階段での移動や給水が止まる可能性も考えて準備しましょう。
■断水に備える
大雨によって必ず断水するわけではありませんが、停電や設備の被害により水が使えなくなる可能性があります。
飲料水だけでなく、トイレ、手洗い、簡単な調理などに使う生活用水も必要です。
家族の人数や生活状況に合わせて、次の物を準備しましょう。
・飲料水
・調理不要または簡単に食べられる食品
・簡易トイレ
・ウエットティッシュ
・ポリ袋
・ラップ
・紙皿や紙コップ
・衛生用品
乳幼児、高齢者、持病がある方、ペットがいる家庭では、それぞれに必要な物も用意します。
一度にすべてを準備するのではなく、普段使用する食品や日用品を少し多めに買い、使った分を補充する方法もあります。
■玄関や低い場所からの浸水に備える
1階の部屋、半地下の部屋、低い土地にある建物では、玄関や窓、排水口などから水が入る可能性があります。
浸水リスクがある場合は、風雨が強くなる前に次の対策を検討しましょう。
・貴重品を高い場所へ移す
・電化製品を床から離す
・重要書類を防水袋へ入れる
・車や自転車を安全な場所へ移動する
・管理会社が指定する止水板などを確認する
・避難時に持ち出す物をまとめる
土のうや水のうを設置する場合は、建物のルールや管理会社の案内を確認しましょう。
共用廊下や避難経路をふさぐ置き方は避ける必要があります。
すでに道路が冠水している場合は、荷物や車を移動するために外へ出ることが危険になる可能性があります。
物を守ることよりも、自分や家族の安全を優先しましょう。
■車や自転車の保管場所も確認する
地下駐車場、機械式駐車場の地下部分、低い場所にある駐車場は、浸水する可能性があります。
事前に次の内容を確認しましょう。
・駐車場周辺の浸水想定
・管理会社からの移動案内
・機械式駐車場の操作方法
・一時的に車を移動できる場所
・自転車置き場の状態
・駐車場へ向かう経路の安全性
車を移動する場合は、雨や風が強くなる前に行います。
道路の冠水が始まってから車で避難すると、走行できなくなったり、車内に閉じ込められたりする危険があります。
管理会社から移動の案内が届いた場合は、内容と期限を確認して早めに対応しましょう。
■管理会社やオーナー様の連絡先を確認する
台風や大雨で建物や設備に異常が発生した場合は、管理会社やオーナー様へ連絡します。
事前に次の連絡先をスマートフォンなどへ登録しておきましょう。
・管理会社の通常連絡先
・夜間や休日の緊急連絡先
・火災保険会社
・電気会社
・ガス会社
・水道局
・自治体の防災窓口
管理会社の営業時間外は、通常の電話番号につながらない場合があります。
賃貸借契約書、入居時の案内、建物内の掲示などを確認し、緊急時の窓口を把握しておきましょう。
水漏れ、漏電、ガスのにおい、火災など、人命に関わる危険がある場合は、管理会社への連絡だけでなく、消防、警察、ガス会社などへの連絡が必要になることもあります。
■被害が発生した場合は記録を残す
室内や建物に被害が出た場合は、安全を確保したうえで、被害状況を写真や動画で記録しましょう。
主に次の内容を残します。
・被害が発生した日時
・被害を確認した日時
・水が入ってきた場所
・室内の浸水範囲
・壊れた設備
・濡れた家財
・窓や玄関の状態
・管理会社へ連絡した日時
・案内された内容
・応急対応の内容
片付けや修理を始める前の状態も記録しておくことが大切です。
ただし、撮影のために危険な場所へ近づくことは避けましょう。
電気設備が水にぬれている場合は、感電の可能性があります。
自分で触ったり、分解したりせず、管理会社や専門業者の指示に従いましょう。
■建物と家財では連絡先が異なる場合がある
賃貸住宅では、建物そのものの修理と、入居者が所有する家具や家電などの補償で、対応する窓口が異なる場合があります。
一般的に、建物や備え付け設備の被害は管理会社やオーナー様へ連絡します。
入居者自身の家財に被害が出た場合は、加入している火災保険や家財保険の補償対象になる可能性があります。
ただし、水災補償の有無や補償条件は保険商品によって異なります。
加入している保険について、次の内容を確認しましょう。
・水災補償が付いているか
・風災補償が付いているか
・家財の補償金額
・自己負担額
・保険会社への連絡方法
・事故受付に必要な情報
被害が出てから補償内容を知るのではなく、台風シーズン前に保険証券や契約内容を確認しておくと安心です。
■自分で勝手に修理しない
雨漏り、窓ガラスの破損、備え付け設備の故障などが発生した場合でも、管理会社へ連絡せずに高額な修理を依頼することは避けましょう。
緊急性が高く、連絡がつかない場合は、安全を守るための応急処置が必要になることもあります。
その場合も、可能な範囲で次の内容を残しましょう。
・管理会社へ連絡した履歴
・被害の写真や動画
・応急処置が必要だった理由
・業者の見積書
・請求書や領収書
・作業内容
修理費用を誰が負担するかは、被害の原因、契約内容、保険の補償範囲などによって異なります。
費用を支払う前に、管理会社や保険会社へ確認することが大切です。
■台風・大雨の前に確認するチェックリスト
台風や大雨が予想されている場合は、次の内容を確認しましょう。
・ハザードマップを確認した
・避難場所と避難経路を確認した
・家族の連絡方法を決めた
・スマートフォンを充電した
・モバイルバッテリーを充電した
・飲料水と食品を準備した
・常用薬や衛生用品を準備した
・ベランダの物を室内へ移した
・排水口を掃除した
・窓や雨戸を確認した
・懐中電灯と乾電池を用意した
・貴重品を安全な場所へ移した
・管理会社の緊急連絡先を確認した
・火災保険の補償内容を確認した
すべてを雨が降り始めてから行うのではなく、天気が落ち着いている間に準備しましょう。
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