
生活保護で緊急連絡先がいなくても賃貸は借りられる?保証人との違いと対策
生活保護を受給しながら賃貸物件を探すとき、申込書に「緊急連絡先」を記入するよう求められることがあります。
しかし、家族や親族と疎遠になっている方、頼れる知人が近くにいない方のなかには、「緊急連絡先を頼める人がいない」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
緊急連絡先がいないからといって、すべての賃貸物件を契約できないと決まっているわけではありません。
一方で、貸主、管理会社、保証会社によって審査基準や必要な連絡先の条件は異なります。
申し込みの直前になってから緊急連絡先を探すのではなく、物件探しを始める段階で不動産会社やケースワーカーへ相談することが大切です。
今回は、埼玉県で生活保護を受給しながら賃貸物件を探す方へ、緊急連絡先と連帯保証人の違い、緊急連絡先が求められる理由、頼める人がいない場合の対策、申込時の注意点を解説します。
■賃貸契約の緊急連絡先とは?
緊急連絡先は、入居者本人と連絡が取れない場合などに、貸主、管理会社、保証会社から連絡を受ける人です。
例えば、次のような場面で連絡が入る可能性があります。
・入居者本人と長期間連絡が取れない
・室内で漏水や火災などが発生した
・安否確認が必要になった
・郵便物や契約関係の連絡が届かない
・入院などによって本人が手続きできない
・近隣から生活上の異変について連絡があった
・災害発生後に入居者の状況を確認したい
・退去や契約更新について本人へ連絡できない
緊急連絡先になった人が、日常的に入居者を見守ったり、生活を支援したりするとは限りません。
基本的には、緊急時に連絡が取れる窓口として登録されます。
■緊急連絡先と連帯保証人は違う
緊急連絡先と連帯保証人は、役割が異なります。
連帯保証人は、契約者が家賃などを支払わない場合に、契約内容に基づいて支払いを求められる可能性があります。
一方、緊急連絡先は、一般的には連絡を受けるための人であり、緊急連絡先として名前を書いただけで、家賃や修理費用の支払い義務を負うものではありません。
主な違いは次のとおりです。
・緊急連絡先は緊急時の連絡窓口
・連帯保証人は契約上の保証責任を負う
・緊急連絡先には通常、家賃の支払い義務はない
・連帯保証人には年齢や収入などの審査が行われることがある
・保証会社を利用しても緊急連絡先を求められる場合がある
ただし、提出する書類に「保証人」「連帯保証人」などの記載がある場合は、緊急連絡先とは意味が異なります。
署名する前に、どの立場で登録されるのか確認しましょう。
■保証会社を利用すれば緊急連絡先は不要?
保証会社を利用する物件でも、緊急連絡先を求められることがあります。
保証会社は、主に家賃などの支払いに関する保証を行います。
一方、入居者本人と連絡が取れない場合の連絡先は別に必要になるため、保証会社の利用と緊急連絡先の登録は別の条件として扱われることがあります。
確認する内容は次のとおりです。
・保証会社の利用が必須か
・連帯保証人も必要か
・緊急連絡先は何人必要か
・親族でなければならないか
・国内在住である必要があるか
・年齢に条件があるか
・収入証明が必要か
・本人確認の電話が入るか
・緊急連絡先の本人確認書類が必要か
物件の申し込み後に条件が分かると、審査を進められなくなる可能性があります。
内見や申し込みの前に確認しましょう。
■生活保護受給中でも緊急連絡先は必要?
生活保護を受給していることだけを理由に、緊急連絡先が不要になるとは限りません。
生活保護受給中でも、賃貸借契約を結ぶのは原則として入居者本人です。
そのため、貸主、管理会社、保証会社が定める申込条件に沿って、緊急連絡先の提出を求められることがあります。
また、家賃の代理納付を利用する場合でも、福祉事務所が賃借人や緊急連絡先になるとは限りません。
代理納付は、住宅扶助として認定された家賃などを貸主や管理会社へ直接支払う仕組みです。
緊急時の対応や賃貸借契約上の連絡については、別に確認する必要があります。
■ケースワーカーを緊急連絡先にできる?
担当ケースワーカーが、個人として賃貸契約の緊急連絡先や連帯保証人になるとは限りません。
ケースワーカーは、生活保護に関する相談や支援を行う立場です。
賃貸借契約上の保証責任を負う立場ではなく、福祉事務所の連絡先を申込書に記載できるかどうかも、自治体や契約条件によって異なります。
物件を申し込む前に、次の内容を確認しましょう。
・福祉事務所の連絡先を申込書へ記載できるか
・ケースワーカーへの確認電話に対応できるか
・貸主や管理会社からの連絡を受けられるか
・緊急時に福祉事務所が対応できる範囲
・別の緊急連絡先が必要か
自己判断でケースワーカーの氏名や電話番号を記入せず、必ず事前に本人へ相談しましょう。
■親族以外でも緊急連絡先になれる?
物件や保証会社によっては、親族以外の知人を緊急連絡先として登録できる場合があります。
候補になる可能性がある人としては、次のような方が考えられます。
・友人
・以前の勤務先の知人
・同居していない家族
・離れて暮らす親族
・支援者
・福祉関係者
・通院や生活支援に関わる人
ただし、「親族のみ」「国内在住者のみ」などの条件が設けられていることもあります。
誰を登録できるかは、不動産会社を通して貸主、管理会社、保証会社へ確認しましょう。
■遠方に住む親族でもよい?
緊急連絡先が埼玉県外に住んでいても、認められる場合があります。
ただし、管理会社や保証会社によっては、近くに住んでいる人や、緊急時に対応できる人を希望することがあります。
遠方の親族へ依頼する場合は、次の内容を確認しましょう。
・国内在住であるか
・電話で連絡が取れるか
・本人確認に対応できるか
・入居者との関係を説明できるか
・住所や生年月日などの提出に同意しているか
・緊急時にどこまで対応できるか
遠方だから必ず認められないとは限りません。
申し込み前に事情を伝え、登録できるか確認することが大切です。
■緊急連絡先へ確認電話は入る?
保証会社や管理会社から、緊急連絡先として記載した人へ確認電話が入る場合があります。
電話では、主に次のような内容を確認される可能性があります。
・申込者との関係
・緊急連絡先になることへ同意しているか
・氏名や住所などの申告内容
・申込者と連絡を取れる関係か
・緊急時に連絡を受けられるか
電話に出られなかった場合、すぐに審査へ落ちるとは限りません。
しかし、長期間連絡が取れないと審査が止まる可能性があります。
緊急連絡先を依頼した人へ、保証会社などから電話が入る可能性を事前に伝えましょう。
■無断で他人の名前を書かない
緊急連絡先が見つからないからといって、本人の承諾を得ずに家族や知人の情報を記入してはいけません。
確認電話が入った際に、相手が申し込みを知らなければ、申告内容の信用性を疑われる可能性があります。
緊急連絡先を依頼するときは、次の内容を説明しましょう。
・賃貸物件を申し込むこと
・緊急連絡先として登録したいこと
・連帯保証人ではないこと
・保証会社などから電話が入る可能性
・氏名、住所、生年月日などを申告する可能性
・緊急時に連絡を受ける役割であること
相手が内容を理解し、同意したことを確認してから記入しましょう。
■虚偽の緊急連絡先を記入しない
実在しない人、連絡の取れない人、他人の電話番号などを緊急連絡先として申告すると、審査上の問題になる可能性があります。
審査に通った場合でも、後から虚偽が判明すると、貸主や管理会社との信頼関係を損なうおそれがあります。
緊急連絡先がいない場合は、隠さず不動産会社へ伝えましょう。
先に事情が分かれば、次のような対応を検討できる場合があります。
・親族以外を登録できる物件を探す
・緊急連絡先の条件が異なる保証会社を確認する
・支援機関へ相談する
・見守りサービスの利用を検討する
・貸主や管理会社へ事情を説明する
・別の審査方法がある物件を探す
虚偽の情報で申し込むよりも、条件に合う物件を探すことが重要です。
■緊急連絡先代行サービスとは?
緊急連絡先を頼める人がいない方向けに、民間の緊急連絡先代行サービスがあります。
契約内容に応じて、賃貸申込時の連絡先や入居後の緊急連絡窓口を提供するサービスです。
ただし、代行サービスを利用すれば、すべての貸主や保証会社から認められるわけではありません。
利用前には、次の内容を確認しましょう。
・利用予定の物件で認められるか
・保証会社が利用を認めているか
・初期費用
・月額費用や更新費用
・契約期間
・緊急時の対応範囲
・解約条件
・追加料金が発生する場合
・運営会社の所在地や連絡先
・個人情報の取り扱い
不動産会社や保証会社へ確認する前に契約すると、物件の審査で利用できない可能性があります。
必ず利用可能か確認してから申し込みましょう。
■身元保証サービスと混同しない
緊急連絡先代行、身元保証、家賃保証、見守りサービスは、それぞれ役割が異なります。
主な違いは次のとおりです。
・緊急連絡先代行は緊急時の連絡窓口
・家賃保証会社は家賃などの支払いを保証する
・身元保証サービスは契約内容に応じて身元保証などを行う
・見守りサービスは定期的な安否確認などを行う
・残置物対応サービスは死亡後などの家財処分に備える
名称が似ていても、提供される内容は同じではありません。
料金だけで選ばず、賃貸契約で求められている役割を満たすか確認しましょう。
■高額な代行契約には注意する
緊急連絡先に困っている方へ、高額な登録料や不要なサービスを案内する事業者がある可能性もあります。
契約を急がされても、その場で支払わず、次の内容を確認しましょう。
・料金の総額
・毎年必要になる費用
・途中解約時の返金
・賃貸審査に利用できなかった場合の取り扱い
・追加サービスが必須になっていないか
・契約書や利用規約があるか
・問い合わせ窓口が実在するか
・支払い方法が限定されていないか
内容が分からない場合は、ケースワーカー、不動産会社、消費生活センターなどへ相談しましょう。
■居住支援法人へ相談できる場合
住宅確保に配慮が必要な方の住まい探しを支援する「居住支援法人」があります。
居住支援法人によって支援内容は異なりますが、次のような相談に対応している場合があります。
・賃貸物件探し
・不動産会社への同行
・入居手続きの支援
・緊急連絡先に関する相談
・見守りサービス
・生活支援機関との連携
・入居後の相談
・家財処分や死亡後の手続きに関する備え
すべての居住支援法人が緊急連絡先を引き受けるわけではありません。
対応地域、対象者、費用、支援内容を確認したうえで相談しましょう。
■地域包括支援センターへ相談できる場合
高齢の方は、地域包括支援センターへ住まいや生活上の不安を相談できる場合があります。
地域包括支援センターが賃貸契約の緊急連絡先になるとは限りませんが、必要に応じて利用できる制度や支援機関につないでもらえる可能性があります。
相談するときは、次の内容を伝えましょう。
・現在の住居の状況
・転居が必要な理由
・生活保護を受給していること
・緊急連絡先を頼める人がいないこと
・健康状態や通院状況
・介護サービスの利用状況
・希望する地域や家賃
・転居を希望する時期
高齢者向けの見守りや居住支援を利用できる場合もあるため、早めに相談しましょう。
■障害福祉の支援者へ相談できる場合
障害福祉サービスを利用している方は、相談支援専門員、支援事業所、医療機関のソーシャルワーカーなどへ相談できる場合があります。
支援者がそのまま緊急連絡先になれるとは限りませんが、本人の状況を整理し、不動産会社や福祉事務所との調整を支援してもらえる可能性があります。
主な相談内容は次のとおりです。
・一人暮らしを継続できるか
・緊急時の支援体制
・服薬や通院の状況
・訪問支援の利用
・見守りサービスの必要性
・入居後の連絡体制
・保証会社からの確認への対応
入居後に必要な支援も含めて整理しておくと、貸主や管理会社へ説明しやすくなります。
■携帯電話を持っていない場合
緊急連絡先だけでなく、申込者本人の電話番号も入居審査で確認されることがあります。
本人が携帯電話を持っていない場合は、保証会社からの本人確認や契約後の連絡が難しくなる可能性があります。
次の内容を不動産会社へ確認しましょう。
・固定電話でも申し込めるか
・支援者の電話を連絡先として利用できるか
・福祉事務所への連絡で確認できるか
・電話以外の連絡方法があるか
・携帯電話を準備してから申し込む必要があるか
他人の電話番号を無断で本人の連絡先として記入しないようにしましょう。
■緊急連絡先が高齢の場合
緊急連絡先として依頼できる親族が高齢の場合、年齢や健康状態について確認される可能性があります。
緊急連絡先には連帯保証人と同じ収入条件が求められない場合がありますが、長期間にわたって連絡を取れるかどうかを確認されることがあります。
候補者が高齢の場合は、次の内容を相談しましょう。
・年齢制限があるか
・同居していない親族でもよいか
・別の緊急連絡先も必要か
・途中で連絡先を変更できるか
・見守りサービスを併用できるか
緊急連絡先の変更が必要になった場合の届出方法も確認しておきましょう。
■緊急連絡先を途中で変更できる?
入居後に緊急連絡先の住所や電話番号が変わった場合は、管理会社や保証会社へ変更を届け出ます。
また、緊急連絡先として登録した人が亡くなった場合や、連絡を取れなくなった場合も、新しい連絡先を求められる可能性があります。
変更時に確認する内容は次のとおりです。
・変更届の提出先
・新しい緊急連絡先の条件
・本人確認書類が必要か
・保証会社への連絡も必要か
・契約更新時に再確認されるか
・新しい緊急連絡先へ確認電話が入るか
変更を放置すると、緊急時に必要な連絡が届かなくなる可能性があります。
登録内容が変わったら早めに届け出ましょう。
■緊急連絡先がいない場合の物件探しの流れ
緊急連絡先を頼める人がいない場合は、次の順番で進めると状況を整理しやすくなります。
1.ケースワーカーへ転居や住まい探しについて相談する
2.緊急連絡先がいないことを不動産会社へ最初に伝える
3.利用できる保証会社や物件条件を確認する
4.親族以外を登録できるか確認する
5.居住支援法人や支援機関へ相談する
6.必要に応じて見守りや代行サービスを検討する
7.物件ごとの初期費用と支援内容を確認する
8.福祉事務所へ見積書を提出する
9.承認や必要な手続きを確認してから契約する
生活保護を受給中に転居費用の支給を希望する場合は、物件を契約したり費用を支払ったりする前にケースワーカーへ確認しましょう。
■不動産会社へ最初に伝える内容
相談時には、緊急連絡先がいないことだけでなく、住まい探しに必要な条件を整理して伝えましょう。
主な内容は次のとおりです。
・生活保護を受給中または申請中であること
・担当する福祉事務所
・家賃の上限
・希望する地域
・入居希望日
・現在の住居の状況
・転居の必要性
・緊急連絡先を頼める人がいないこと
・親族以外の知人がいるか
・利用している支援機関
・保証会社の利用歴
・家賃滞納の有無
・代理納付を利用できるか
条件を後から伝えると、申し込める物件を探し直す可能性があります。
最初に事情を共有したほうが、対応可能な貸主や保証会社を確認しやすくなります。
■審査で確認されるのは緊急連絡先だけではない
緊急連絡先を用意できても、入居審査に必ず通るとは限りません。
審査では、次のような内容を総合的に確認されることがあります。
・家賃と住宅扶助の範囲
・受給状況
・転居の必要性
・保証会社の審査
・本人確認が取れるか
・申込内容に誤りがないか
・家賃滞納の履歴
・緊急連絡先の確認
・入居後の支援体制
・希望する入居日
・初期費用の支払い方法
申込書には事実を正確に記入し、追加書類を求められた場合は早めに提出しましょう。
■申込前のチェック項目
緊急連絡先に不安がある場合は、物件へ申し込む前に次の内容を確認しましょう。
・緊急連絡先が必須か
・親族以外でも登録できるか
・何人必要か
・年齢や居住地の条件があるか
・確認電話が入るか
・保証会社の利用条件
・連帯保証人も必要か
・代行サービスを利用できるか
・支援機関の連絡先を記載できるか
・代理納付に対応しているか
・入居後の見守りが必要か
・緊急連絡先の変更方法
・福祉事務所への事前相談が済んでいるか
分からないまま申し込まず、不動産会社を通して確認しましょう。
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「生活保護を受給中で緊急連絡先がいない」
「家族や親族と連絡を取っていない」
「保証会社を利用できる物件を探したい」
「ケースワーカーへ何を相談すればよいか分からない」
「居住支援を利用しながら転居したい」
「住宅扶助の範囲で借りられる物件を探したい」
このような場合も、緊急連絡先、保証会社、支援機関、代理納付、初期費用などを確認しながら、申し込める可能性のある物件を整理します。
緊急連絡先がいないことを隠して申し込むと、確認の段階で審査が止まる可能性があります。
物件探しの最初に事情を伝え、対応できる貸主、管理会社、保証会社を確認することが大切です。
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